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遠くへ行きたい

日曜朝のテレビ番組「遠くへ行きたい」が好きだ。

特に旬の人というわけでもなく、尚且つそこまで三流でもない芸能人が、日本国内のどこかを訪れて、現地の人と交流したり、郷土料理を食べたり、名所旧跡を見物したりする様子を淡々と追う旅番組。

子供の頃からあれを見て、一人旅に憧れていた。一人で好き勝手に観光し、一人でホテルに泊まり、一人で温泉に浸かり、一人でおいしい地元の料理を食べたかった。

初めて一人旅をしたのは25歳の時だった。福岡県での一泊二日。Twitterのフォロワーさんとお会いしたりもしたので、正確には一人でいた時間は一日半ほどだったが、超絶楽しかった。

一日目の夜、博多でラーメンを食べに行った帰りにホテルの近くのコンビニでハーゲンダッツのバニラを買って、風呂上がりに食べた。美味しかったのなんの。
翌日は電車に揺られて門司港へ行った。煉瓦造りの街並みは、レトロ大好きな私の心を躍らせた。港の周りを散策し、遊覧船に乗り、お土産屋さんをハシゴしていろんなものを見たり買ったりした。わざわざそんなところで買わなくてもいいようなチュニックワンピースなんかも。
午後から少し天気が崩れたので飛行機が小一時間遅れ、空港から自宅までの終電に間に合うか空の上でヒヤヒヤしていたのだった(ギリ間に合いました)。

他人との旅もそれはそれで面白い。
大学時代に行ったサークルの夏合宿や、女友達との海外旅行ももちろん思い出深い。
でも、あの人生初の一人旅から帰って、私は悟った。

一人で旅に出てもいいんだ。
好きに歩いて、好きな店に入って、好きな時間に寝ていいんだ。

“みんなと同じことをする”のがあまり好きじゃなくて、そういう自分がたまに嫌になる私にとって、一人旅という行為は自分自身を肯定する格好の手段だ。

家庭を持った今、旅に出るのはなかなか難しいので、もっぱら一人映画である。
一人で映画館へ行くのも学生の頃からやっているけれど、当時より自由な時間が少なくなってるからこそ、目一杯楽しめている。
ポップコーンは、一番小さいサイズを買っても持て余してしまうけれど…。

#旅行
#一人旅

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