我、ドレスショップで困惑す

現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』明治維新の時代に大阪の豪商に嫁ぎ、商業の発展や、女性の社会進出に尽力した広岡浅子の半生をモデルにした物語である。ヒロイン・あさを演じる波留さんの凜とした演技に惹かれて、毎日欠かさず見ている。
少し前に、あさの嫁ぎ先の舅が家業の両替商を引退することを決意し、息子たちに後を託す襲名式のエピソードがあった。本来は女たちは裏方で祝い膳を作ったり、招待客の世話をしたりしなければならないのだが、あさは舅から式に出るように言われる。嫁入り当初から店のトップである舅に女商人としての腕を買われ、経営にも大きく関わってきたあさへの、お義父さんからの粋なサプライズだった。
姑(風吹ジュンさん演じるこの姑がたまらなく天然でかわいい♡)の嫁入り道具だという上等な着物を着せてもらい、あさは客間に姿を表すのだが、その時の彼女の表情といったら!
いつもは何があってもどっしり構えて、目上の人や政府の役人に対しても物怖じしないあさが、すっかり困り果てた顔をしていたのだ。台詞はなかったが「うち、ええ着物着て、ばっちり化粧して、ここで何してるんやろか」と言わんばかりの困り顔。

それは、つい先日、初めてウエディングドレスを着た時の私の表情そっくりだった。
11月の終わりに、ドレスショップへ衣装合わせに行ったのである。

挙式と会食をするレストランには、専属のドレスショップは無くて、提携店が4店舗。全部回るのはさすがにきついので、ひとまず全店舗カタログだけ取り寄せ、その中で自分の好みに合ったショップに絞ることにした。
カタログも店によって様々で、ヨーロッパの古城のようなところで式を挙げている設定だったり(貴族か)、モデルのポーズが複雑すぎてドレスの形があまりよくわからなかったり(本末転倒だな)、新郎新婦が意味も無く犬を連れている写真(シュール…)があったりした。
結局、4店舗分見てみたが、ピンときたのは1店舗だけだったので、すぐさまショップに連絡を入れ、試着の予約を取り付けた。

「カタログに載っているドレスが全部同じに見える」という夫に加え、同性の意見も聞きたくて、試着当日は私の母、そしてまたまた女友達にも同行してもらった。

合計4着試着したのだが、2着目に着たAラインドレスに決定。というのも、その場に居た全員が「2着目がいい!」という意見で一致したからである。
シンプルな形ながら、胸元や裾に花模様の刺繍が散りばめられ、ナチュラルな雰囲気の会場にもよく似合っている。

衣装合わせで初めてドレスに袖を通し、ヴェールを掛けてもらうと、いよいよ結婚式を挙げる実感が沸くというが、私の脳内にはどちらかというと“場違い感”が渦巻いていた。
普段、あまり女性らしい服装をすることがないので、髪もきっちりまとめてもらい(ショップのお姉さんの手つきの早いこと!)、更にティアラまでのっけた自分の姿は、まるでコスプレ大会か何かのようだった。それゆえの、例の困り顔である。

困り事はまだまだある。
ドレスを着た状態で、正面と後ろ姿の写真を撮ってもらったのだが、後ろ姿が悲惨だったこと(現在、マガジンのトップ画像にもなっていますので、ご笑覧ください)。背中の贅肉、ニキビが目立ち、花嫁としての貫禄がない…。ドレスに申し訳なくなる。あと数か月で、改善できるだろうか。
それから、高身長の夫と並んだ時のバランスを考えて、12cmのハイヒールを履かなくてはならないこと。そんな靴がこの世に存在するのか。いや、するのである。一応試しに履かせていただいたが、なかなかアクロバティックな履き心地だった。竹馬みたい。挙式直前の最終フィッティングの時に、歩く練習もするそうだけれど、果たして履きこなせるのだろうか。移動の少ないレストランウエディングで本当に良かった。大きな式場で、入場の時に螺旋階段でも降りようものなら、すっ転んで醜態を晒すことになったかもしれない。

問題は山積みなのだが、この記事を書いている間に、いよいよ結婚式まで3か月を切ってしまった!
なんか色々ヤバいぞ、こりゃ……

#結婚 #結婚式 #結婚準備 #ウエディングドレス

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