和装へのあこがれ

女優の沢尻エリカさんが、別れた旦那さんと明治神宮で結婚式をした時に、花嫁姿がとてもきれいだと話題になった。

彼女はその一年くらい前、若手女優として売れに売れていたさなか、カメラの前でぶっきらぼうな態度をとり、それはもうめっちゃくちゃにバッシングされた。
正直私も彼女に対してあまり良いイメージは抱いていなかったのだけれど、白無垢を身に纏い、アップにした髪に、これまた真っ白な百合の花を目一杯あしらって、境内をしずしずと歩く沢尻さんは、確かに大層美しかったのである。
その時、ああやっぱり、日本人なら着物だな、私も結婚することがあったら白無垢が着てみたいなーと、なんとなく思ったのだった。

実際に結婚することになり、あの時抱いた和装へのあこがれは消えずにある。
夫も「着たいのなら着ておいたほうが絶対にいいよ、僕は袴ちょっと恥ずかしいけど」と言ってくれた。
更にもう一つ付け加えるならば、瀬戸内海の小さな島にひとりで暮らす母方の祖母に私の白無垢姿を見せてあげたい、という思いもある。
彼女は数年前から認知症を患い、自宅とデイサービス施設を往復する毎日になってしまったが、私が帰省するととても嬉しそうに笑ってくれる。美容師をしていた祖母。婚礼の着付けなどもよく頼まれていたそうだ。きっと昔を懐かしんで、喜んでくれるだろう。

しかし、何しろ家族10人でレストランウエディングである。お色直しはしないつもりだ。
そもそも白のドレスから白無垢だとお色直しとは言えないし、会場のコンセプトが“北欧の自然派レストラン”であり、内装ももちろん洋風なので、着物は浮いてしまう。それに、もちろんレンタル代も馬鹿にならないだろう…。
少人数低予算を大前提に準備を進めている私たち夫婦に、大きな壁が立ちはだかったかのように思えた。

しかし世の中には便利なシステムがあるもので、私たちは「前撮り」をすることにした。
「前撮り」とは名前の通り、結婚式の前に衣装を着て写真を撮っておくことである(女性だと、成人式の振袖の前撮りをする人も多いですね)。
式当日も写真撮影は依頼するつもりだが、当然ながらバタバタするだろうし、なんやかんやと時間が過ぎていくうちに、いつの間にかバシバシ撮られているのだろう。
式の準備は年明けからなので、今はまだ体力的にも精神的にも余裕がある。今のこのタイミングで、当日はできない和装をして、フォトスタジオで写真だけ撮ってもらえばよいのではないか。

そんなわけで、あれよあれよと近場のスタジオを探し、予約を入れて、近々撮影をすることになった!
スタジオに説明を聞きに行った時、担当してくれたフォトグラファーさんも、また男性だった。少し前まで沖縄へ(リゾート婚のカップルを撮影するため)出張していたという、真っ黒に日焼けした陽気なお兄さんであったが、当日の流れから着付けや装飾品、料金の相場に至るまでわかりやすく教えてくれて、夫も私も「あの人に撮ってもらいたいね」と言っているくらいである(フォトグラファーやメイクの担当者は当日決まるそうなので、こればかりは運なのだが)。

ちなみに、撮影まで一ヶ月を切っている。
流石にそろそろ美容関係にも気を配らねばならず、普段はしないフェイシャルケアなどにも挑戦している(このへんに関しては、またまとめます)。
私は沢尻エリカには到底なれないが、日本人に生まれたからには、白無垢姿で過ごせる一時を心から楽しみたいと思っている。

#結婚 #結婚式 #レストランウエディング

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