怪物感想①


映画「怪物」見てきました。

公開が発表されてからずっと楽しみにしていた映画。
エンドロールで弊社PとDの名前があって勝手に沸いた。

4月中旬くらいかな、金曜の仕事が終わってフラフラと家から一番近い書店に立ち寄るとノベライズ版「怪物」が平積みされていた。あの予告映像を見た日から物語の内容が気になりすぎていたので買っちまったー
すぐ読んだけど、読み終わった瞬間後悔したんだよね。映画先に見ればよかったと。文字と映像の良さって全く違うものだと再認識させられました。俳優陣の演技が化け物すぎて途中から怖かったもん、本で読んでるときは作られたもの(当然)だしある町で起きたおはなし(^^)ていうイメージだったけど、映画見たらほんとにぞくっと、何もかもが他人事じゃなくなったという感じ。あの世界に飛び込んで私がみんなを救いたい!!とさえ思った(馬鹿)

ここから先は映画の具体的な感想とか考えたことになるのでネタバレ盛りだくさんです

まず監督・脚本について。

坂元裕二といえば「カルテット」や「最高の離婚」「いつ恋」などなど一癖二癖ある人々の恋愛模様を独特なセリフで描くいわば巨匠?です。私は大好きです。坂元作品に出てくるセリフたちってすごく日本語を大事に使っていて、役の個性をすごく的確に表現していると思う。

一方で是枝監督は「家族」をテーマに扱った作品が多くて(それもいろいろな形の家族)、子役の演技がすごく生きてる映画を作りますね。「万引き家族」のメイキングドキュメンタリーを見ると、子役には基本的には台本はなくて、シーンごとに指示したり子役とコミュニケーションを取る上でいろいろ決まっていくっていうのを見た。現場の雰囲気作りをものすごく大事にしている監督です。

坂元さんに作り込まれた言葉たちが作るナチュラルな会話感と、是枝さんのガチもんのナチュラル演出とが合わさってどんなものが生まれたか、柊木陽太くん(星川くん役)の怪物レベルの演技がめちゃくちゃ反響を呼んでいるというわけ。。

星川くんと湊くんが仲良くなり始めて、一緒に帰り道を歩いているシーン

「さけどころうえだ、の自販機でコーラ買ったことある?」
「あるよ」
「あそこのコーラは、三回に一回、あたたかいコーラが出るよね」
「嘘だよ」

坂元~と叫びたくなった。

「ビッククランチ」により、宇宙が破裂して全部元どおりになるという説明のシーンでも

「恐竜は卵に戻って牛丼は牛になる、うんこはお尻に戻る」

という描写とか
小学五年生ならではの発想というか、私たちが理論的に片付けてしまってることを星川くんだけの視点で噛み砕いて「湊くんに教えてあげたい」ていう気概を感じたよ

こういうたわいもないけどユーモアにあふれていて、子供にしかつけない純粋な嘘というか、そしてそういうミステリアス?自分にはない発想を持っている人物に興味を抱いてしまう思春期ならではの感情の動き?とかが伝わってきて、一瞬でふたりの世界に引き込まれた。

ある意味恋愛映画ではあるけど子役が読んで違和感のないかつ秀逸な脚本ってすごい

それは星川くんという役が大人びていたていうのもあるかもしれない。柊木陽太くんは「最愛」にも出てたねえ。
なんか知り合いにちょっと顔が似ていて。真っ黒い目をしてるところとか。ぞわってしたね。星川くんは父親から虐待を受けていて、学校では女の子と仲良くしていて同級生の男子からは「宇宙人」扱いとか嫌がらせをされている、夏場でも腕や足、首など痣や傷が隠れるような格好をして笑っている、可愛い顔した男の子です

なんか本編の感想に行くまでにめちゃくちゃ時間かかるなこれ。ていうか映画の感想って綺麗にまとめるのこんなに難しいんだね

ちょっともう疲れたから今日はここまでにしときます。

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