2023/4/15

就職して半月経った。
今は、新入社員研修と称し、それぞれ別の部署所属の四人のメンター(指導係)に3週間ずつのローテーションで帯同している。一人目のメンターはIさんといい、スポーツ中継の班に属している。
1日目、簡単な自己紹介を済ませ、同班の過去作品を見せていただいた。地上波ではないが、大きな特徴があるというわけでもなく、スペインから衛星で送られてくる中継映像に選手名や現在の得点などの情報テロップをリアルタイムで貼り付けるといったもの。また、試合が週末にかけて行われるため、それらの試合のダイジェストや選手・監督に関する特集のVTRを流す収録番組を週に1本作っている。
制作の仕事は、それぞれの現場が円滑に回るよう、決められた資料を作成、それを量産して関係者に展開することに加え、VTRの編集のために編集所へ同行し、ナレーションやテロップなど放送されるすべての情報が間違っていないかを確認すること、スタッフや関係者が食べる弁当や出前を発注することなどがある。
スポーツ中継は、バラエティ番組やドキュメンタリーと比べると報道という意味合いが強く、間違った情報を放映してはいけないという責任が伴うことがわかった。
仕事内容に関する話はこれくらいにしておいて。。
正直いうと、Iさんと、性格的な不一致点が多すぎると感じた。あと1週間と少しでまた別のメンターに変わるため少しの辛抱であるが、毎日Iさんのデスクの隣に座っているだけで胃痛がする程のストレスを感じている。
社会に出るというのは、そういう嫌〜な、学生時代は静かに避けてきた人間とコミュニケーションをとり、協力して仕事をしていかなければならない。つらい。こんなことで弱音を吐いている自分にも怒りを感じる。
Iさんがどんな人かというと、”メンター”という言葉から想像される「歳が近くフレンドリーになんでも質問できる」「人に教える、話すのが上手」などの言葉とは真逆で、指導してくれる際も、「これは〜〜でこっちは〜〜〜で今やってるのは〜〜〜でこれが終わったら〜〜〜〜〜〜〜」と、お経のように永遠に言葉を羅列し続け、しかも声がめちゃくちゃ小さく、それを聴きながらノートにメモを取っていると最終的に何を教えてもらっているのかよくわからない手記が誕生する。まあいいけどさ。
そういう終着点を見失った一方的な発言をずっと聞いていると混乱してしまい、両面印刷を頼まれた資料をすべて片面で量産してしまい、呆れられてしまった。私のせいだこれは。
知っている方が多いと思いますが、私は今まで宅配のピザ屋さんで6年余りアルバイトをしており、そこでは質より量、丁寧さより迅速さ、といったやり方がまかり通ってきた。私はそんな中でも最低限の丁寧さやお客様に対する誠実さを持ってやってきたつもりではあったが、一般企業と飲食店ではリスクヘッジが全く別の方向に向いているというのを入社3日目で理解した。当たり前だけど。バイト先にはいい加減な人が多かったし、ピザを作って30分以内に届けられたらとりあえず花丸がもらえるような環境だった。ミスしたら謝罪し、作り直すか返金する。単純なマニュアルがあった。今の仕事は全く違う。1つ作るのにも何時間もかけて間違いがないか確認して上長にも見てもらってやっとの思いで完成させた資料。それがクライアントの判断で変更点があると全部1から作り直しになる。そんな感じだ。慣れるしかないけど。
昨日は編集所でVTRを編集している際に、使う予定だった素材のデータが無いというのが発覚し、Iさんが担当ディレクターにめちゃくちゃ怒られていた。半分Iさんを憎んでいた私はよっしゃと思ってしまった。その傍らで私は出前館でマクドナルドを頼みコーラとコーラゼロとアイスコーヒーを仕分ける作業を淡々と行っていた。間違ってたら本当にすみません。
制作は、ADの段階でディレクター志望なのか、プロデューサー志望なのかをはっきりさせてそれぞれの動き方を見ておくべきだと各方面から耳にする。私は「監督」というポジションに強い憧れを持っていたためディレクターになりたいとぼんやり考えていたが、まだ働いて間もないけどディレクターになってどういうものを作りたいとかの発想は自分の中にまるでないなと思ってしまった。もともとやりたかったMVも、消費者として楽しんでいるだけで、0からこれを!という気概が全くなくて困った。
制作会社で働くのは、上から決められたものを忠実に、より良いものを作るということだから向こう数年間の仕事は耐えられるかもしれないが、それだけでは将来的な希望がないのに気付いちゃったんだー

だからかー
最終面接で、憧れの先輩が、私に、、
本当にうちに入っていいの?なんかもっと他にやりたいことありそうだけど?
って聞いてきたのはーー

覚悟が足らなかったんだなあーー

一回作り始めたものを途中でお蔵入りにせずに、不完全でも完成させろ、世に流せ、というなんかのコラムで読んだ加藤マニさんのアドバイスを真に受けて、この駄文をインターネットに流したいと思います。

本当、つらいぜ!!

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