見出し画像

男世帯

母が星になってもうすぐ2年。死を看取るために戻って、もう、数年後経つ。
子供のころから、たいして会話のない父や兄との日々。
昭和ひとけたの父は、断ると次は無い、との心得なのか、いらないものまで引き受けて、身に余るとカラスに与える。料理のしがいもへったくれもない。カラスが居着くせいで庭のさくらんぼ目当ての小鳥たちも寄り付かなくなる。悪循環。しかし、父にはそんなことは、おかまいなし。
それぞれが、それぞれの、想いの中での生活。噛み合うことなど皆無。 
それでも、高齢の父と過ごしながら、己の終活を模索する。木々や草花を育て、玄関先の水槽で泳ぐメダカたち。今年からは、野菜も育てはじめた。自分がおさないころは、いろんなものが育っていた。いまかいまかと収穫を待っていたスイカを盗まれたこともあった。
太陽のひかりとともに、仏を刻む。化学式のライトは使わない。曇りや雨の日は、薄暗くてもこなせるノミ作業とする。
たまに、参加するボランティア団体の会長さんが、よく顔を見に来てくれる。ありがたいことだ。こんな、刺青だらけのぼくにも、たわいもない笑顔。感謝。
若気のいたりなのか、田舎から都会にでたノボセモンなのか、よくないことは重なるもので。あれよあれよというまに、すってんころりのすってんてん。
この年にになって、ようやく、弁護士さんの脳みそにすがる。さてと、、、、、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?