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熊本とスタートアップの現在地。2022.8版

どうも、ばっきーです。

熊本を拠点に、フルリモート×フリーランスチームの開発会社を運営していています。

私、今33歳なのですが、21-22歳の頃からスタートアップやそれに関わる人達のことが好きで、趣味として熊本でスタートアップに関するイベントや発信を続けてきました。気づけば10年…。

で、ここ最近1ヶ月くらい、VCやスタートアップ支援をされてる方、ビジネスメディアの方との接点が増え、熊本とスタートアップのこれまでと今…みたいな話をする機会が続きました。

毎回1時間とかブロックしていただいて、お話しをするのですが、同じような話を毎回するので「これ、一回まとめといたが早いんじゃね?」と思って、夏の連休を使って書いておきたいと思います。

お話しする前に、URLでお渡ししとくとかできたら話がスムーズになりそうだなと。もう一歩踏み込んだ話とかできそうで良いかなと。笑




●はじめに。

・情報の網羅性はありません。
私がヒアリングやインタビューを受けるときはあくまで私から見た話を聞かれるので、それをまとめているだけです。大筋の伝わりやすさを優先しているので、企業や出来事は一部をピックアップしています。

・スタートアップの定義。
ここでは、株式等での資金調達を行い、急成長を目指す企業とします。資金調達済みだけど公表してないとか、目指してるけどまだ出来ていないとかもあり、厳密にすると書きづらいので、あえて曖昧さを残します。

・スタートアップ推進派ではありません。
地方からでも出来ることは増えましたが、地方の方が良い理由はほぼなくハードモード。それでもやりたい人はやれば良いし、やる人は応援する気持ちです。スタートアップ、スモールビジネス、ソーシャルビジネス、非営利プロジェクト、挑戦はどれも素晴らしい。




●今の熊本。

具体や個別の話は後述しますが、まずは全体感の話から。

私がこの10年を見てきた中では、熊本…、特に熊本市は「スタートアップ」に関しては間違いなく一番盛り上がっています。

でもこれは、あくまで熊本の過去10年の中で…という話ですし、気運が高まっているという感じです。ほんとこれから…という感じで、フェーズが進んでいるスタートアップはあれど、「この盛り上がりから生まれた成功」みたいなものはまだないかなと。

他の地域と比べてどうか?はわかりません。近くに地方のスタートアップ支援に関して外れ値的な盛り上がり方をしている福岡市もあるわけで、なにを基準にどう評価するの?は本当によくわかりません。笑

ただ、仕事としてもスタートアップで仕事していて、趣味としてもスタートアップが好きな私としては、これから3-5年後とかが本当に楽しみだなーと思っています。

あと次の話へ行く前に、熊本本社のスタートアップを数社ピックアップして紹介しておきます。

▼シタテル株式会社
衣服生産の課題を解決するプラットフォーム「sitateru」運営。

▼DAIZ株式会社
発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・生産。

▼株式会社AiCT
スマートクリーニングサービス「LAGOO」運営。

▼Tooon株式会社
クリエイターのための業務自動化サービス「Tooon」運営。

▼株式会社CAST
センサー及び周辺機器・ソフトウェアの研究・開発・製造・販売

▼株式会社Lbose
月額制の開発サービス「ATTEND biz」運営。




●熊本で可能性を感じてるもの。

では、全体感の話が終わったので、ここからは私が可能性を感じているところであったり、面白くなりそうだなーと思ってることを1つずつ紹介していこうと思います。

紹介するのは、↓こちらの5つ。

  1. 行政のスタートアップ支援事業への投資が増えた。

  2. スタートアップやWEB3に興味がある若い世代が増えた。

  3. リモートワークの一般化による関東からのUIターンが増えた。

  4. 思想や熱量のある支援サイドの方が増えた。

  5. 熊本出身で県外在住の方から連絡もらうことが増えた。

強引に5つに分けましたが、正確に伝えるとそれぞれが絡み合ってる感じですね。例えば、1があるから2と3が可視化されたとか、1があるから4が増えたとか、1-4の話があるから5に繋がったとか、そういうやつ。


1. 行政のスタートアップ支援事業への投資。

2019年?2020年くらいに、熊本市長や熊本市「スタートアップを増やすぞー!盛り上げるぞー!」みたいに旗を振り宣言したそうで。

そこから段階的にではありますが、熊本市がスタートアップ向けのピッチイベントやアクセラレーションプログラム、支援施設を始めました。

で、始めると言っても行政の担当者の人達がそのまま始めるわけじゃなく、その事業を委託されて動く民間の事業者が必要。これによって、他所で支援者サイドの動きをやってた人達がめちゃくちゃ熊本に入ってきました。

この外の風が入るということは、そもそも地域としてプラスなんですが、それに加えて、ピッチイベントやアクセラレーションプログラムであればそこのメンターや参加者、支援施設で言えばそこの利用者を集めるための動きが起こります。

で、そのために、私も複数の方から連絡をもらったんですが、地域のハブになってる人やプレイヤーっぽい人の開拓やネットワーク作りみたいなのされるんですよね。

コロナ禍になってオフラインイベントが消え去ったことでコミュニティの分断も起こってるし、どんな人が熊本にいて何をやってるのか?とかが分からなくなってたんですけど、これが支援サイドの方達による泥臭いアクションによって改めて繋がったりとか、可視化されたりした感覚があります。

私でいえば、オンラインイベントに登壇させてもらったことをきっかけに連絡をもらって「えーーー、こんな方いたのーーー!!」みたいな出会いもあったり。

半年前はこのあたりの動きに懐疑的ではあったんですが、半年たった今としては投資された事業単体ではなく、連鎖反応が起こるのだなーーーと勉強になりました。(あのときワーワー言ってしまった担当者の皆様、すいません…。

▼ピッチイベント「Kumamoto City Pitch」

▼アクセラレーションプログラム「HIGO CANVAS」

▼スタートアップ支援施設「XOSS POINT.」



2. スタートアップやWEB3に興味がある若い世代。

今回はU25とかに絞って話しますが、最近、出会うことが増えてきたんですよね。

3年前とかから知ってた若者が起業してスモールビジネスやってたんだけど、改めて、スタートアップ的な起業したくなったという話が数件。

で、WEB3に興味がある人達は「起業したい!」みたいな話よりも、WEB3の概念や思想に興味を持ってる感じなんですけどね。

話すこともアカデミックな感じで私はついていけないところもあるし、熊本でもWEB3の話とかするんだなー、どこでどうなって興味持ったの???とか気になることはたくさんなんですが、数名いるんですよ。びっくりしました。

なので、まとめると、これまでのWEB2的なスタートアップやテクノロジーに興味関心がある人に加えて、WEB3に興味がある人がでてきた…と。で、WEB3に興味がある人=スタートアップしたい人ではないんですけど、そういう若者がいるのは興味深いし楽しみだなーと思っています。

で、そういう人達の存在を知った機会が、前述したように、熊本市が始めたピッチイベントやアクセラレーションプログラムだったわけです。

▼今年4月に交流会とかやってみました。



3. リモートワークの一般化による関東からのUIターン。

これも増えてるんですよーー。2020年の後半くらいから、その気配は感じてたんですけども。

都心のIT企業とかで働いてるけど、原則リモートワークになったから、実家に帰省してリモートで仕事してるとか、移住を検討してしばらく滞在してるとか、Twitterでちょいちょい流れてきまして。じわじわ増えてきてた。

「え、あの会社で、そんなポジションにいる方(いた方)が、なんで熊本に????」みたいなことも結構あったりして、びっくり。笑

で、若い世代の人達の話に出しましたが、このUIターンしてきた方々も、WEB3に興味をもって遊んでて。大学生とか繋がって、Discordでオンラインコミュニティつくって遊んでるわけですよ。(「#Kuma3」って名前です。

このコミュニティ、私も参加してるんですが、本当に可能性を感じてて。

熊本でスタートアップやテクノロジーに興味がある若い人達がいたとして、情報格差や機会格差が本当に大きい。スタートアップで言えばスケールする組織の第一線にいた人が少ないことでメンター不足でもあると思うし、最新のテクノロジーに明るい人もまだまだ少ない。

そして、地方はどこでもかもですが、熊本ってUIターンしてきた人達とずっと地域で活動してきた人達がうまく混ざりづらいとか、地域としてもうまく活かせてない印象があったんですよね。

それが変わりそうで。かなり可能性がある動きだと思ってます。

▼熊本のWEB3コミュニティ「#Kuma3」



4. 思想や熱量のある支援サイド。

主に行政や金融機関の方なので、誰が何をしてるとかあんまり個人名とか具体的なこととか書かない方が良さそうな気もして、さらっと書きます。笑

思想や熱量をもって動いてくださる良い方達がいるんですよー。行政も金融機関も支援のメニューを揃えてたりしますけど、わかりづらいというか、そもそも知る機会も少ないわけで。

あと、行政や金融機関と一緒に何か動きたいことがあったとしても外からアプローチするには限界とか結構ありますよね。笑

中からも一緒に動いてくれると動かせるものがだいぶ変わると思うので、そういう方が増えてきてくれたのも地域としてかなり前進だと思っています。



5. 熊本出身で県外在住の方からの連絡。

このnoteを書いている理由として冒頭に書いたVCやビジネスメディアの方からの連絡とかも、まさにこれですね。

これまた皆さんが属されてる組織の事情もあるっぽいので、オープンに書きづらいとこもあるのですが「えーーー、今まで、こんなことなかったですよーーーーー!!」とびっくり。(語彙力がねぇな…。

帰省するタイミングで熊本の界隈の人と話したいみたいな声もいただくので、個別で繋いだりしています。U25くらいの方が多いので、熊本の同世代と繋ぐことが多め。

いつか起こったら良いなーという淡い期待をしています。笑




●今に至るまでの熊本。

私の周囲にあったトピックだけ振り返ってみたいと思います。範囲を広げれば他にもいろいろありますが、キリがなくなるので割愛。

間の抜けてるところは私が子育てや自社にしか頭使ってなくて、何があったか記憶がない時期です。笑


2011年

2011年3月に、東日本大震災が起こりました、その後翌日以降、関東方面から九州にはたくさんの方が移住してきました。

当時福岡にはデジタルクリエイターやフリーランス的な方が多く行かれた多かった気がしますが、熊本には安心安全な食や農への意識が高めの方が多かった印象。

東京のリモートで仕事しながら農業もやって自給自足を目指す半農半X的な生き方を模索する方もいました。


2012年〜2013年

震災の影響からか「東京の一極集中は終わる!」「これからは地方の時代!」みたいな発信をする方がネット上では増えました。

2011年の第一陣的に移住してきた方の中にはSNS等での発信力をもった方も多く、その方へ会いたいという友人知人のスタートアップやクリエイティブに関わる方がよく東京から遊びにきてくれてた時期ですね。

私は「ついでにトークイベントとかしません?」みたいな提案をして、1-2ヶ月に1回ペースでそういう方をゲストに呼んだイベントを趣味でやってました。


2013〜2014年

熊本でも大学生起業家とかが増えたのですが、福岡でも大学生起業家や学生スタートアップが増えまして、熊本と福岡の同世代でよく交流してました。

熊本のイベントに福岡の人が来たり、福岡のイベントに熊本の人が行ったりとかもあった印象。

あと、スタートアップに関して既に盛り上がってきた福岡市には東京の界隈の人がよく来てたので、ついでに熊本にも来てくれるとかも多かった気がします。


2016〜2017年

2016年4月に熊本地震が起こりましたが、熊本に縁があるCAMPFIREの家入さんがクラウドファンディングでの募金活動を即座に立ち上げて1000万円を集めたことをきっかけに、震災復興に関するアクションを起こしたいスタートアップ関係の方が熊本へたくさんきてました。

イベントもやったし、震災復興支援団体との企画やったり、熊本とスタートアップという話だと、賑やかな時期だった気がします。


2019年〜今

ここから熊本市の動きが始まった感じですね。あとは前述した通り。福岡市の盛り上がりを横目に10年待ちましたね。笑




●最後に。

今回はポジティブだけを書きましたが、話を聞いている中で、もちろん難しさを感じる部分も多くあります。

途中で書いた情報や機会の格差。エンジニアがいない。スタートアップ的なスケール経験のあるメンターがいない。起業家が少ないことで、変に推されてしまう…とか。

まぁ、難しいことはたくさんありますが、何もなかった数年前からすれば前進しかしてないので、地域の発展?を引き続き楽しんでいきたいと思います。

もし、今回のnoteの話を詳しく聞きたいとかあれば、SNSなどから気軽にお声掛けください。

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それでは、6000文字くらいになってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございましたーーー!!



※途中で書いた#Kuma3については、イベントレポートも置いておきます。しっかり目に書いてるので、よかったらご覧ください〜。

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