見出し画像

ラフ(あだち充) について。

あだち充作品が大好きな自分は、その中でも1番好きなH2について以前初めてnoteに投稿したわけだけど、今から語っていく「ラフ」という作品もそれに負けず劣らず大好きな作品だ。

投稿の形式としては以前と同じよう好きなシーンベスト3を紹介したいと思う。

まぁその前にラフについて若干の説明を。

高校の競泳を舞台とした漫画であり、タッチやH2と比べると巻数も短いながらその内容は上記の代表作と比べても引けを取らない非常に魅力的な作品である。2006年には長澤まさみ、速水もこみちによって映画化もされている。
(映画については賛否両論あるが、私個人としては長澤まさみさん、そして主題歌挿入歌を担当したスキマスイッチさんのファンであるためとても楽しく観ることが出来た。)

私個人としては、王道月9ドラマをあだち充フィルターを通して描かれているなぁとこの作品を読んだ時に感じた。主人公とヒロインの恋愛模様が噛み合う時もあれば大事な所ではすれ違ってしまったり、でも読者から見ればそのすれ違いもその後の展開への伏線となることが少なからず解りつつ読むことが出来る為、最終的なゴールへの良いスパイスとなっている。この絶妙な塩梅を高校生の青春、スポーツを通してあだち充節満載で描かれている作品だと思う。

少々長くなったが、そんなラフの個人的に好きなシーンベスト3を今から挙げていきたいと思う。


第3位

主人公大和圭介とヒロイン二宮亜美が2人で桜並木を歩くこのシーン。

二人はこの段階ではまだ恋愛に発展しているわけではないのだが、亜美から圭介への恋愛感情が初めて具体的に現れたシーンだと思う。その理由として、このページ以前に


亜美とその友達三人で歩くこのシーンがあり、好きな人と桜並木を歩くということが特別なことだということがわかる。

自分だけがわかり、相手には気づかれないように好意を示すということ、言葉では伝えないことというまさに雰囲気や想像で読者に伝える

「あだち充」らしさが出ていて好きなシーン。

何でもかんでも言えばいいってもんじゃない、その二人だけ、もしくは自分だけがこの気持ちをわかっていればいい。まさに青春の1ページ。

第2位


まじそーなんすよね、結局。シンプルイズベスト、色々難しいこと考えちゃうことあるけど結局そーゆうことなんだよ、って言うことをわからせてくれるのがこのシーン。普段適当な奴がたまに真理みたいなこと言うシーン好きなんだなって改めて思った。

第1位

1位は間違いなく最終回の最後のこのシーン。今までの人生の中で自分の部屋の壁の1つが一面漫画になるくらいはたくさん漫画を読んできたつもりだけど、そんな自分的には一番美しい終わり方のひとつだと思う。

二人の恋愛模様の紆余曲折を最終回まで引っ張って最後の最後にようやく結果がわかる。ゴールテープ切って終わり、ウイニングランなんて無しって感じが最高に痺れる。あだち充作品の特徴でもある読者に想像を委ねさせてくれる部分がこのシーンにはにじみ出ている気がした。

タッチ、KATSU、じんべえ、クロスゲームなんかもそんな終わり方を迎えるんだけど、しびれ具合で行ったらやっぱりラフの終わり方はいちばん印象深いし読み終わった時の感動が半端じゃなかった。(タッチは恋愛というより甲子園優勝で終わりだからちょっと違うんだけど)

亜美の正統派ヒロインぶりと圭介と中西さんの亜美を巡った対決、そして亜美と圭介のこれまでの二人の物語を理想的かつまさに青春という形で迎えたこと、カセットテープというその当時の時代らしさ、高校生らしさもありながら少し大人びているどこか読者が憧れてしまうような告白の仕方、その全てが合間って最高の最終回を迎えたと思う。


結論、ラフがここまで魅力的で印象深い作品であるのは全12巻という比較的短い関数の中に凝縮された濃密な作品展開、主人公、脇役、そしてなんというってもヒロインの魅力がとてつもなくて、そのヒロインをめぐり繰り広げられてく話の展開があだち充作品の中でも自分のなかでドンピシャな展開(簡単に言えばロミジュリや月9のような)だったからじゃないかなって思う。

p.s 正直、こんな子高校時代に出会って恋愛してみたかったってマジで思っちゃう。あと、この文章書いてて自分はあだち充作品の女の子で亜美が一番好きだってことに気づけました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?