月例経済報告(令和2年7月)雑感

毎月趣味で月例経済報告をチェックしているのですが今月の月例経済報告について雑感を書いていきます。ちなみに内閣府ウェブサイトに掲載される閣僚会議資料が分かりやすくて良いです。

個人消費については5月後半から財の消費が堅調です。これは特別定額給付金の効果もあるのでしょうか。6月後半では前年比プラス9.1%です。財の消費が堅調なのに加えサービス消費も大きく回復しています。5月の前年比マイナス32.9%から前年比マイナス15.4%まで回復。これにより消費全体が緩やかながらもV字に回復してきている様子が見て取れます。緊急事態宣言下ではサービス消費が前年比マイナス46.3%まで落ち込んだことを思い返せば政府が緊急事態宣言をやりたがらないのも分からなくもないですね。夏のボーナスはおおむね6%くらい減少、家電の売り上げは7月に入って勢いが弱まっているので給付金の効果が息切れしているのかもしれません。コロナ感染も再拡大しており今月以降は要注意ですね。

輸出は大きく落ち込んだ状態ですが先進国と中国の感染が落ち着いてきたせいかわずかに回復しているようです。しかしこれも欧米の感染再拡大の兆候があるので油断できませんね。

5月の雇用は就業者数が4万人増で休業者は大きく減りました。したがって雇用者数は実質的にかなり増えているのですが完全失業者は19万人増となり失業率は前月から0.3ポイント増の2.9%となりました。コロナ下で厳しい部門から失業した人がまだ求職中の状態にあるのでしょう。絶対値でみるとそれほど悲観的ではないですがアベノミクス下でここまで失業率が上がったのは久しぶりのことです。

世界経済の状況をみると欧米は依然として厳しい状況であるのに対し中国がV字回復しています。やはりロックダウン解除を急いで「withコロナ」するよりいったん新規陽性者が0になるまでロックダウンをやり切った方がかえって経済の回復が早いのだろうと思われます。

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