なぜ旅行1週間前から「ヤバい、荷造り何もしてない」と言いたくなるのか(ヤバくないのに)
旅行に行くたび不思議に思うことが一つある。
それは、出発よりだいぶ前の時期から、参加者間で「ヤバい、荷造り何もしてない」「私もー!」といった声が飛び交うこと。
私の会社では、明日から3泊4日の社員旅行がある。例に漏れず、先週頃から「荷造りしてない」がオフィスを飛び交っていた。デスクで、昼食の席で、トイレで。老若男女、数多くの社員が、いかに自らの荷造りが進んでいないかを報告しあっていた。
同僚たちのそんな声に「あはは、僕もですー」なんて相槌を打ちながら、頭の片隅で思うのだ。
いやいや、1週間前から荷造りなんてしないだろ、と。
もちろん、早め早めに取り掛かる人だっているだろう。1週間前から少しずつパッキングを進めるマメな人もいるかもしれない。
でも、多くの人は前日かせいぜい2日前にしか荷造りをしないし、それで問題なく間に合うのではないか。
にもかかわらず、「荷造り何もしてない」はしばしば早い段階から飛び交う。こんな上から目線な文章を書いている私自身も、1週間前になると「荷造り何もしてない」と言いたくなる。というか、言っている。
どうして人は、旅行1週間前から「荷造り何もしてない」と言いたくなるのか。
その原因は、「タスクの全体像が見えない不安」ではないかと思う。
旅行や出張がそこまで頻繁に入るわけではない人にとって、荷造りは全体の作業工程と所要時間が見えづらいタスクである。
荷物をスーツケースに詰めて終わり、となればよいが、残念ながらそうとも限らないのが現実だ。
詰めてみたら意外と入らなかった、なんてこともよくあるし、もっと厄介なパターンとして、直前になって買い足しの必要性に気がつくこともあり得る。
そんな「全体像の不透明さ」に加えて、荷造りは期限内に完了できなかった時の代償が大きい。
飛行機や新幹線に遅刻したら同行者に迷惑をかけるし、ギリギリに慌てて取り組んだせいで致命的な忘れ物をするかもしれない。
まとめると、荷造りは「全体像が見えづらくてかかる時間も不明なうえに、期限を過ぎた場合に被る損害が大きい」という、なかなか厄介なタスクなのである。
そう考えると、1週間前から「ヤバい、荷造り何もしてない」と口に出したくなるのは、ごく自然なことな気がしてきた。
今日もどこかで旅行の荷造りを終えたあなた。偉いよ、よく頑張った。
存分に、旅行を楽しんできてください。
私も!楽しんできます!!!
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