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備忘録 22-04-10

まさに大いに為すあらんとする君は、必ず召さざる所の臣あり

――将大有為之君、必有所不召之臣

『孟子』

「将来、大事業を成し遂げようとする君主には、必ず呼びつけにできない臣下がいる」 という意味。

過去の例を見ても、そのとおりである。たとえば、春秋時代に最初の覇者となった桓公(かんこう)には、管仲(かんちゅう)という名補佐役がついていた。桓公は臣下の管仲を「仲父(ちゅうほ)」とうやまって教えを受けたという。また『三国志』の劉備も「三顧の礼」をはらって諸葛孔明を軍師に迎え、以後、作戦計画の立案策定はあげて孔明にゆだねている。

だが、並のトップにはこれができない。『孟子』もこう言って嘆いている。
「いま、各国の王はいずれもドングリの背比べで、傑出した者がいない。それというのも、自分以下の人間だけを臣下にしたがり、自分よりすぐれた人物を臣下にしたがらないからだ」

呼びつけにできる臣下にばかり取り囲まれていたのでは、大きな仕事などできないばかりか、人間的な堕落まで招きかねない。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

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