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備忘録 22-12-21

人の患(うれい)は一曲に蔽われて大理に闇きにあり

――人之患、蔽於一曲而闇於大理

『荀子』

物事の一面にとらわれて、全体を把握できない。これが人間の欠点である、という意味だ。なぜ、そういうことになるのか。『荀子』によれば、偏見によって心がまどわされるからだという。

「心がまどわされるのは、好悪の感情に左右されるからである。始終、遠近、広狭の 一方にとらわれるからである。過去、現在の一方にとらわれるからである。どんなことでも、一面だけにとらわれると、心がまどわされて大局的な判断を失ってしまう」

人間にはもともと、事実を事実として認めたがらない心理的傾向があって、すべてのものを自分のもっている基準にあてはめて考えようとするらしい。いわば認知構造のひずみを本能的にもっているわけだ。

それから免れようとするなら、自覚的な努力によって、①固定観念からの脱却、②冷静な判断力の養成、③確かな情報の入手、などにつとめなければならない。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

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