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備忘録 22-11-06

その身(み)正しければ令せずして行われる

――其身正、不令而行

『論語』

「その身正しからざれば、令すといえども従わず」と続く、有名な一節だ。自分の行ないが正しければ、命令するまでもなく実行される。だが、自分の行ないがまちがっていれば、いくら命令しても実行されない、という意味。

孔子はまた、こうも語っている。

「苟(いやし)くもその身を正さば、政(まつりごと)従うに於いて何かあらん。その身を正す能(あた)うずんば、人を正すを如何せん」

自分の行ないさえ正しければ、立派に政治を担当していける。だが、自分の行ないに汚点があったら、人を導くことなどとんでもない話だ、というのである。

これが「徳治主義」と呼ばれる統治理論の原点である。上に立つ者が率先して姿勢を正す。そうすることによって、おのずから下の者を感化していくという考え方だ。これがむずかしいことは、今の政界の現状を引くまでもなく明らかであろう。だが、やはり各界のリーダーは、このレベルを目指して欲しいと思う。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日、顔晴りましょう。

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