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備忘録 22-10-28

知る者は言わず、言う者は知らず

――知者弗言、言者弗知

『老子』

老子は万物の根源に「道」の存在を認め、その「道」のもっている無為自然の徳を賞揚した思想家である。ここに言う「知る者」とは、そういう根源的な徳を体得した人物を指している。訳せば、「道を体得した人物は、知識をひけらかさない。知識をひけらかすような人物は、道を体得しているとは言えない」となるであろう。『老子』は、こう語ったあとで、つぎのように付け加えている。

「道を体得した人物に対しては、親しんでいいのか疎んじていいのか、利益を与えていいのか損害をかけていいのか、尊敬していいのか軽蔑していいのか、とんと見当もつかない。こういう人物こそ、もっとも理想的なのである」

たしかに、わけ知り顔でまくしたてる人物は底が低い。とくにリーダーは、亡くなった大平元首相のように、「アー、ウー」ぐらいで、ちょうどよいのかもしれない。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

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