備忘録 22-11-30
鶏肋(けいろく)
――鶏肋
『三国志』
たいして役には立たないが捨てるには惜しい、そういうものを「鶏肋」という。今でも自分の文章などに「鶏肋集」などと名づけることがある。このことばの出典は、『三国志』で「乱世の奸雄(かんゆう)」と称された魏の曹操にまつわるエピソードである。
曹操が劉備の守る漢中に攻め込んだときのことだ。このときは劉備側の守りが固く、珍しく曹操の軍が苦戦に陥った。すると曹操は、参謀連中を集めてたった一言「鶏肋だ」と、語ったという。だが、かれらにはそれが何を意味するのか理解できない。その中で一人だけ、さっさと撤退の準備を始めた者がいた。皆がわけを聞くと、こう答えたという。
「鶏肋、つまり鶏のガラというのは、捨てるにはもったいないが、そんなに肉はついていない。これは撤退だと、ピンときたよ」
これは見込みがないと見極めるや即座に撤退の決断を下す、それが曹操という人の強さの秘訣でもあった。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日も一日顔晴りましょう。
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