【ホロスコープ】タロットの歴史を学んだら、シンボルの意味が分かってきた話
こんにちは!パクチーです。最近勉強するのが楽しくて。原始仏教→密教→呪術→タロット→インド哲学と来てます。読みきれない程本を借りちゃう。全部面白そうで!
わたしもakkyi☆さんが教えてくれた、ホロスコープのドット絵、やってみました。
黄土色の水星が濃ゆすぎる〜!だからわたしのnoteは長くて小難しいんかなっ… (。´Д⊂)・・・。頑張ってゆるく書きたい。お笑い系目指して頑張る。
とろこで、ホロスコープを学んでいると、【火】【風】【水】【地】の分類が出てくるじゃないですか。12星座を、4つの性質(エレメント)に分類するっちゅう。そう…そう言われてるから、「そうなの…」と思うけれど、腑に落ちている訳じゃない。水瓶座が「風」と言われて、「そうなの…」と思うけれど、やっぱり「水、ちゃうん」と思ってしまうのを止められない。あと、「分類したところで何?」という。
わたしはタロットについて学ぶ気はなかった。なぜなら深遠すぎて、わたしに分かりそうな気がしないからです。それでも「どうしてあの絵柄になったんだろう?」という疑問は素朴にあり、それに丁度答えてくれる本をたまたま図書館で見つけた。タロットの始まりのところから絵柄の変遷を教えてくれる本。「タロットの歴史ー西洋文化史から図象を読み解く」井上教子:著。なんと、この本を読んだら、なんで水瓶座が風なのか分かったよ…!この本は、結果、ヨーロッパの人々が長い歴史の中で、シンボルに対して感覚的に持っている、共通するイメージを教えて下さるものになっている訳です。そうか…。わたしが分からないのはこれか…!例えば、日本人が「梅」と聞いて想起するイメージがあると思う。おそらくヨーロッパの人にそれは分かるまい。シンボルの意味。想起するイメージ。世界観。こりゃー、せめて文字情報ででも教わってないと、分からんわ。
ヨーロッパの神話および聖書には、たびたび登場する(らしい)「四聖物」というものが、あるという。
棒/剣/杯/貨幣or紋章
うん。出てきそう。ヨーロッパの魔術は、これを駆使してなされるんだそうだが、ルーツは古代エジプトの日常の宗教儀式に遡るらしい。それぞれの物は、紀元前5世紀のギリシア人哲学者エンペドクレスが提唱した「四根説」によって性質を分けられている。
<棒>
魔法使いの杖。元はケルトの民族の司祭・魔術師ドルイドが持つ樫の杖。
→【火】創造力。生命力。男性の諸力。
<剣>
知恵、理性、知性。
→【風】言語、情報、人間の技術と応用力、文化、文明
<杯>
愛。
→【水】海、無意識、月、女性
<貨幣or紋章>
→【地】(タロットの本にはあんまり書いてなかった)
万物は4つの要素の組み合わせで成り立つという、その思い切った「四根説」の論理は、そのままホロスコープの「四大要素」に派生した。そう…剣は、風!風は知性!天秤座の天秤は、知性による公平性であると。そうか、テミス様の剣、あれは敵をぐさ〜っとやるためじゃなかった…!
天秤で人間が計れると言ったのは、古代エジプトの死者の書である。死んだら魂の重さを計って、天国行きか地獄行きか決めるのね。天秤は、この世における不変の掟を意味する。成熟した理性【風】によって、その文化・文明【風】に則した判断をする。それが公正であり、公平であり、正義であると。テミス様の目隠しはもちろん、ついつい美形でセクシーな方を無罪にしないためである。が、人間社会の中では、罪人を決定するツールにもなる天秤、何のための誰のための正義かは、常に難しいところよね…。
ちなみにこの「四聖物」は、のちにトランプのスートに対応している。
棒→♧クラブ
剣→♤スペード
杯→♡ハート
貨幣→♢ダイヤ
うーむむ…こんなにもお馴染みのトランプの図案に、「四大要素」が隠されていたなんて…全く知らなかった…。
ということで、水瓶座が【風】のエレメントで、その属性は「知性である」と。そこまでは良いわ、了解した。しかし、水瓶座のイメージ、意味するところ、これがいかんとも掴みにくい。水瓶座の星座のモデルは美少年ガニメデくんだという噂だけど、だから、何だって言うの。一体。
タロットに、「節制」というカード(大アルカナ)がある。このカードは元来、水瓶をふたつ持った女性の姿で表された。片手に持った水瓶の水を、反対の手に持った水瓶に移す、その水の様子は水瓶座のシンボルマーク(♒️)と激似であったので、わたくしパクチーはわなわなした。このタロットの絵は、キリスト教の教訓、「あんた、人としてこれが大事やで」、を教える七元徳(七つの美徳)のうちの一つ、「節制」を擬人化した、絵画・彫刻と全く同じ造形である(擬人化は天使の場合もある)。
「何事もほどほどやで」というのを、誰もが見て分かるように擬人化する際、そのシンボルとなるアイテムはいくつか種類があるらしい。その一つが「水瓶」。これは、「ワインを水で中和する」=「衝動をコントロールする」=「対処すべき事柄に、別の要素を合わせて、異化効果を起こす」という塩梅で解釈が発展していく。
「水瓶…」と聞いてヨーロッパの人が想起するものは、コントロール、目の前に存在する問題に対する処理能力、全くの異物を掛け合わせて効果を出す、発想の柔軟さ。ということなんかな?結果生み出される平穏は、ガニメデくんが給仕した水瓶のネクタル(永遠の命を与える水)のように、万人に恩恵のある真理をクリエイトすることに通ずるのだろうか。
その過程は【風】、知性によって行われる、と。
なるほど。
そして。分かんないのがもう一個ある。
ジュノー(小惑星)。
ジュノーは女性性を表す星の一つで、比較的新しく発見された、火星と木星の間を回る惑星のひとつだ。ローマ神話のユーノーから名付けられた。ギリシア神話で対応するのはへーラー。共に、最高神の奥様である。
占星術におけるジュノーが持つイメージが、どうもまだよく理解できない。
そもそも、ローマ神話とギリシア神話って、エピソード共有しすぎじゃない?何がどれだけ違うの?
ざっと調べてみた結果、ギリシア神話は古代エジプトや古代シュメールの影響も受けながら成立。おお!断然古い!しかしローマが建国されるより前に、古代ギリシアは隣国マケドニアとの戦争に負けており、その地は後にローマが征服したのであった。広大な国土とミックスカルチャーを統治するにあたり、神話の整備が必要となる。その際、各地に残された格式高いギリシア神話がじゃんじゃん輸入されたらしい。
人々の生活の一部に取り込まれたユーノーのエピソードを統合してみると、女性のライフイベントに寄り添う存在がユーノーだったようだ。10代女子が、誰も知り合いのいない土地に、ひとり、慣れない他家の習慣に馴染まなければならない制度、輿入れ。初めての妊娠、出産、自分がどうなってしまうんだろうという恐怖、不安、とまどい、恐れ、もしかしたら誰も味方がいないかもしれない。でもユーノーだけは、必ず寄り添い見守ってくれる。最近旦那の愛情を感じません。他に女がいるかもしれない。「そういう時はね、こうするのが良いのよ」。実生活の不安に、「大丈夫だよー」と言ってくれる、訊けば具体的な知恵をくれる、頼りになるベテランお母さん…それを神格化したものがユーノーだったのではないか。
ユーノーは、かなり広域で篤く信仰された。「ジューン・ブライド(6月の花嫁)」は、ユーノーが語源である6月(June)に挙式することで、ユーノーの加護を得んとするものである。今や極東の子女までを加護するのだから、ユーノーの守備範囲はものすごく広い。また、戦場の守り神でもあった。戦場の息子が、「か、母さん───────!!!」と呼びかける、そこで心の底から求める希望に、完璧に応える神聖な存在は、ユーノーであるとされたのだ。
ユーノー、へーラーは女性の守護神であることから、月に結び付けられることもある。
実生活の出来事が、深層の問題に作用して、自分の中の「母なるもの」が邪悪な悪魔になる時…ぶちぎれて登場する般若…、と、日々対峙するのが我々「お母さん」、の仕事、だと思うのですが。
「全ての子女たちよ、幸せにおなりなさい〜!」という純粋な祈りを、発揮しやすいのがジュノーのいるハウス、ということなのではないだろうか。ジュノーを宥(なだ)めるには、ハードアスペクトのサインという供物を捧げるのが、効果のあるひとつの方法かもしれん。家庭の般若に、おなり遊ばされないために…。
と。ジュノー。そういうことで合ってる?
そして、もうひとつ。
キリスト教の宗教画には、4つの生き物、「四聖獣(あるいは四獣)」を中心人物と合わせて描く、という様式がある。
これはそれぞれ、
獅子→獅子座
牡牛→牡牛座
人(天使)→水瓶座
ワシ→蠍座
を意味しており、この4つは、ホロスコープで言う「不動宮」であると!きゃ〜「不動宮」!これも良く分かんないんだよ〜!
「四聖獣」は、キリスト教ではマルコ、ルカ、マタイ、ヨハネという四福音史家に相当している。が、そもそものルーツは、古代エジプトのホルスの4人の息子(ハヤブサ・ジャッカル・ヒヒ・人間で頭部が描かれる)であるらしい。
これはギリシアに入ると、
獅子→感覚を司る
牡牛→肉体を司る
ワシ→高度な精神を司る
と変化する。そしてその3つが統合した状態を「テトラモルフ(四重の意)」と呼び、「翼のある人間の絵」で書き表したのだった。
マタイは、水瓶を持った人(天使)で描かれるので、水瓶→水瓶座→【風】→知性となるのはなるほど納得です。ワシが「高度な精神」で、蠍座に対応しているというのが興味深い。獅子はタロットの「力」のカードでもその姿が描かれているが、ライオンというシンボルは、意識を食い尽くす無意識、本能、影を意味しており、その背景には、ギリシア神話や旧約聖書のストーリーがあるのだそうな。ライオンを手懐ける「力」がこのカードの意味するものなので、獅子座が内包する力も、それと共通するものが、あるかもしれん。
ちなみに、黄道十二宮(12星座)の「3区分」、活動宮、不動宮、流動宮についてはこうである。
そ、そういうことか…。
かつて、「百合の花」はローマ神話のユーノーの象徴だった。
しかしそれは、ローマがキリスト教を国教とすると、聖母マリアのシンボルに変わった。そして、ユーノーを始め他のローマ神話の神々、ギリシア神話の神々、他のあらゆる宗教の神々は、「邪教」になったのである。ヨーロッパは、その長い歴史の中で、いくつもの宗教観が多層に重なって、その一番上を、広くコーティングしているのが、最も歴史的に新しい、「キリスト教」なんであろう。キリスト教によって、ヨーロッパはすっかり一神教になったのか?…しかし土着の信仰、民族と共に保持されている世界観、シンボルに感じる敬虔や畏怖など、きれいさっぱり入れ替えられるものではない。血脈の中に受け継がれ、土地に重なって残されたヨーロッパの人々が持つ世界観の、複雑な重みを、それがあるということを、タロットの絵を通して、ほんの少しだけ窺い知ることが出来た、それが最も興味深いところだった。タロットは、現世的な人間の生活に呼応する要素が半分、そして当たり前のように、見えない世界、霊的なエネルギーを表すものが半分…。そりゃそうか。タロットを通して何かを提示する存在は、見えない世界の霊的な存在だからか。
それはホロスコープにも当てはまる。現世の問題だけでなく、ホロスコープも、見えない世界、霊的なエネルギーを、「自分の肉体に下ろす」「下ろして使う」=「全ての要素・特性を機能させながら、世界と一体化する」という概念を扱っている。そこが人の肉体生の、今世の魂の、ゴールなんである。それがデフォルトで完備されているマップが、ホロスコープであると。
ホロスコープの起源は、紀元前2500年のメソポタミアとのことである。その時点でシュメール人は、
とのこと…。むしろわたしが、「歳差運動」とやらが分からんのですが…。
個人の運勢を占うようになり、今のような形(男性宮、女性宮、アスペクトなど)に整ったのは、古代ギリシア時代だということです。
西洋占星術は、人間が体験する森羅万象を、
という、古代ギリシア伝来の手法であると。なるほどなん…。占星術はキリスト教によって邪教扱いされた、が、生き残ったかつてヨーロッパが持っていた人間の叡智に、ホロスコープを通して触れられるというのは、興味深い体験だ。
最後に、古代ギリシア時代に各ハウスにつけらた名前と、その意味を紹介して、今回のnoteをお終いにしよう。
知ってる単語ありますねー!くぅー!こういう、語源を通して知るものって、わたし大好きでして!興奮します!
それでは、また!!
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