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/{yellow note》-o1:kawa no muko

文字の中でならどこへでも行ける。怖くないのに…。

もう会うことの無い、かつて知人だった人物に、

頭の中で繰り返し繰り返し問いかける。

かつてあったやりとりを繰り返し、

言えなかったこと、

訊けなかったこと、

答えられなかったこと、

自分を守れなかったこと、

傷つけたこと、

頭の中で、

今やっと分かったこと、

分かりかけていること、

だからもう前のようなことは起こらないんだということ、

もうあの時のように答える自分は居ないんだということ、

大切な物が変わったんだということ、

後悔していないということ、

今幸せだということ、

語りかけ続けて、やっと、

頭の中に居たかつての知人の、

人格が解けて、

自分の一部になった。

本当は、

最初から完全に自分自身以外の何物でもなかったし、

そうでなかった時なんか無かった。

だけど、

頭の中に、

自分でハンドル出来ないエリアがあると、

人は苦しいのだ。




fin

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