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裸単騎の片手倒牌はなぜNGなのか?

※はじめに:当記事は特定の団体、個人、店舗を非難することを目的に書かれたものではありません。

麻雀のクリーン化が進み、Mリーグが開幕したこの令和時代、雀荘に於いても多くのマナー違反行為が規制されています。
「片手倒牌」という行為も例に漏れず、一部の場末を除いたほとんどの雀荘で禁止の対象とされています。

僕はこれまで、その禁止理由を「対局のスムーズな進行を妨げるため」と解釈していました。
例えば門前の手、牌が13枚ある状態から片手倒牌を行おうとすると、パタン、パタン、パタンという具合に三回ほどの動作が必要です。
その点両手で倒せばパタン、の一回で13枚全ての牌が他家に開示できるわけですから、明らかに両手の方が速いです。
ロン和了の際は放銃者が和了形確認の為にその開示を待っているわけですから、出来るだけ速やかに見せられるやり方を取るべき、というのは理にかなっています。

また、片手倒牌のベテランみたいな方は違うのかもしれませんが、多くの片手使いが13枚倒す際に、両手で倒した場合よりもグチャグチャにしてしまっているのも事実です。

この時の萩者は多分両手だったと思いますが、片手で倒す人が開示する13枚は大体これがめちゃくちゃひどくなったバージョンです。

和了形がぐちゃぐちゃになればなるほど他家は確認に手間取ることになりますから、V字アタックにならない限り綺麗に倒せる両手倒牌が推奨される、これも当たり前のことです。

しかし、4枚以下(特に裸単騎)の倒牌に上記のような理由はあてはまりますか?
私自身は4枚なら片手でも1モーションでほぼ確実に恙無く倒せると思っていますが、万が一しくじるとダサいので実際は両手で倒牌しています。

これが裸単騎の1枚になると、しっかり開示するのに手の本数もへったくれもないということには万人の賛同が得られるでしょう。
左手を卓上に持っていく手間が省ける分、局進行のスムーズさという意味ではむしろ片手の方が僅かばかり優っているかもしれません。

にも関わらず、手牌4枚はおろか、1枚の時でさえも片手倒牌を禁止している雀荘が世間には複数存在します。一説によると、競技麻雀のリーグ戦やオープン大会でもマナー違反となるらしいです。

これは一体、何の為の禁止なんでしょうか?僕にはそれがわかりません。
正直言って、「対局をスムーズに行う為に」両手倒牌を推奨していたのが、「片手倒牌をさせない為に」両手倒牌を義務付けるというような、手段の目的化が起きているとしか思えません。

例え1枚であっても片手で倒すのは相手に無礼な行為だ!という意見の方もいらっしゃるかもしれません。
僕自身は相手が片手で倒そうが足で倒そうが舌で倒そうが、しっかり1モーションで全ての牌を開示してくれれば何も思うことはない(舌は汚いか)のですが、もしかしたら僕以外の麻雀打ち全員は「片手倒牌はそれ自体が無礼な行為だ」と考えられているかもしれません。
それがマジョリティであれば裸単騎もわざわざ両手を使って倒すのが義務付けられても致し方ないと思いますが、であればロンの時だけでなくポンやチーといった副露を行う際も該当面子を両手で晒すべきではないのでしょうか?

我々はポンだのチーだの言った際、当たり前のように片手で2枚(ダイミンカンは3枚)を倒牌し、他家の捨て牌を拾っていますが、「片手倒牌はそれ自体が無礼」理論で言うとこれも両手で晒さなければならないのではないでしょうか?
当然、実際問題としてそんな作法を行なっているプレイヤーは僕の8年ほどの麻雀人生において一度も目にしたことがありません。もし副露時に両手倒牌を行なっている打ち手を知っている、あるいは自分自身がそうだという方がいらっしゃればコメント欄やTwitterでご一報ください。是非セットしましょう。

ロンは特別だから、と言われればそれまでですが、ロンが必ずしもポンやチーより価値が高いとは限らず、麻雀は下手な和了よりも嬉しい鳴きというのが多数存在するゲームですから、特別だから両手で!というのは感情論の域を出ていないと個人的には思います。

という具合で、決して誰かを貶したいとか文句が言いたいという趣旨ではなく(僕がこういうことを書くと多くの読者が悪意を孕んでると解釈されるので困ります)、純粋になんでそういうことになってるんだろう?という疑問に独力では納得のいく理由付けができなかったのでこうして記事にしてみました。
別のちゃんとした理由をご存知であったり、片手倒牌禁止の歴史に詳しいという方がいらっしゃれば、コメントやTwitterで是非ご教授いただければ幸いです。
腑に落ちる説明を下さったかたには、オプーナを買う権利を差し上げる予定です。

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