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『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』

ずっと気になっていたこの作品をようやく観ました!昨年、コロナ禍になって映画を観に行きづらくなったことをうけて、U-NEXTに入った私。結構マニアックな作品も取り揃えてくれているので、何か面白い映画はないかと片っ端から作品をチェックしていて、この作品が目につきました。その時はこの人がどんな人かも全然知らなかったわけですが、いつか観るためのマイリストにずっと入れていました。

そうやって気になったのはすぐチェックするのもあるけど、放置しておくことも多いです(寝かせる、ともいう)。なぜかというと本当に自分にとって必要だったり、本当に出会うべきものは"あり得ない偶然を伴って"向こうからまたやって来てくれるから。面白そうだからとあれもこれもと次々に飛びついていたら本当に出会うべきものがどれなのかわからなくなるし、出会うべくして出会うタイミングを自分で潰すことになってしまう。それはあまりにも勿体ない話だと思います。ファスト映画が問題になってましたが、こういう点でもおすすめしません。作品に出会うタイミングは人それぞれ。

というわけで『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』。そもそもなぜこの作品が目についたのかというと、その点については自分でもよくわかりません。でもおそらく、ヨーゼフ・ボイスの只者じゃない佇まいを写真から感じとったからじゃないかと思います。眼差しも印象的でしたし。前回の記事でその辺のことを書きましたが、何ヵ月も前から埼玉県立近代美術館でやっていた「ボイス+パレルモ」展のボイスがヨーゼフ・ボイスだと知ったときの衝撃たるや…自分の気づかなさっぷりに呆れました(笑)

しかし、満を持して(?)観に行った「ボイス+パレルモ」展。これまた前回書いたのでここでは触れませんが、とにかく展覧会を観たことによりヨーゼフ・ボイスさんにめちゃくちゃ興味を持つことになり、マイリストに入れてから実に一年以上たって、ついに『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』を観る絶好の機会が到来した、というわけです。

作品としては当時のボイスを知る人物のインタビューと実際のボイスの映像とを組み合わせたドキュメンタリーで、効果音なども良い秀作。作品内では展覧会で流していた映像もありましたが、数々のボイスのパフォーマンスや考えの吐露や…いやはやとんでもない人がいたもんだ、と映画を観てさらにその思いを強くしました。

映画を観たところで結局彼の作品に関してはわからないままだったのだけど、自分の中でこういうことかな?と思ったことがありました。何を観てもさっぱりわからない芸術作品…それは逆に言えば"人が簡単にわかるようじゃないもの"をあえて作っていたんじゃないのかな?と。一般的に人が考えそうなことを全て想像した上で、そうじゃないことを考え抜いて作品を作ったんじゃないかなあと。だってそうじゃなければ人が考えつきそうな作品があっても良さそうなものだから。

それにしても今回の一連の出会いによって私はすっかりボイスに傾倒してしまいました…!ボイスの生き方そのものが芸術作品といった感じ。関連書籍も手に入る限り片っ端から読んでみたい。そういや私はドイツ語をちょっとだけ勉強したことあるんだよね。そんなことも思い出した(ボイスはドイツの人)。ドイツにはまだ行ったことがないし、ボイスゆかりの地にいつか行ってみたい…!新たな夢が出来ました。

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