PrinceとBeck

今回は何年か越しに点と点が繋がってびっくりした、というお話。

唐突ですが私はプリンスの曲の中で「Raspberry Beret」という曲が一番好きです。こないだもなんとはなしにぼんやりと聴いていました。

するとサビの部分で"I think I love her"…と歌ってるのがわかりました。"僕は彼女を愛してるんじゃないかと思う"というような意味かと思うんですが、あれ？"I think I love"って感じの言葉、最近どっかでも聴いたぞ(-ω- ?)と思いました。それが、こちら。ベックのアルバム『INFORMATION』の中に入っている「Think I'm In Love」。

ベックがプリンスの「Raspberry Beret」のカバーをやっているのは以前YouTubeで見つけて知っていましたが、さらにその曲だけでなく、プリンスの曲をメドレーでカバーしてる動画を見つけました。

この動画を見てるとベックはプリンスのことを本当に敬愛してるんだなあ、ということが伝わってきます。なのでベックの「Think I'm In Love」は「Raspberry Beret」の歌詞にちょっとインスパイアされて作られたのかも？などと勝手に想像してみたりしていました。

そんなベックは日本の雑誌『クロスビート1996年12月号』のインタビューで以下のように答えています。

インタビュアー「今のあなたにとって、最終的に達成したい究極のゴールって何になるんでしょう？」
ベック「まあ、これから10枚、20枚と、自分が満足できて、なおかつそれが出てから30年後にもずっと愛聴されてる、誇れるようなアルバムを作り続けて行きたいよね。僕はこれからもうんと長いこと、音楽をやっていきたいから。みんなの耳に、もっともっと新しい音楽を届けたいし…元々僕は、音楽がどこかへ連れて行ってくれるって感覚が好きなんだ。だから聴いた人がそれを気に入ってくれたなら、その人たちも一緒に連れて行きたいな。」

これを読んで、なるほど、私がベックの音楽に興味を持つようになるのも必然だったのかもな、と思いました。なぜなら私はアルバムを大事にするミュージシャンが好きだからです。

そしてアルバムといえばプリンスのこの動画。2015年グラミー賞のプレゼンターとして登壇して、「アルバムって覚えてる？アルバムって大事なんだ。本や黒人の命と同じようにね」とプリンスが語ったものです。私はこの名スピーチをこの当時ではなくちょっと後だったかもしれないけど、とにかくずっと前から知っていました。昔書いてたブログにも取り上げた記憶があります。

何度聴いても良いスピーチ…！実は私はこの"部分"だけを知っていて、プリンスが誰に賞を贈ったのかまでは知りませんでした。しかし掘り下げてみたらその相手こそ、なんと、ベック！Σ( ﾟДﾟ)この時プリンスはベックのアルバム『MORNING PHASE』が最優秀賞に選ばれた時のプレゼンターだったのです。プリンスがベックに賞を渡しているスピーチの続きの動画も見つけました。

な、なんと…！プリンスとベックのハグに感動。ベックはめちゃくちゃ嬉しかっただろうな(カニエ・ウェストが乱入(？)してくるとこも面白いけど(笑)。しかし上記の事実をまさにアルバム『MORNING PHASE』を聴きながらたどり着いた私で、ちょっと呆然としてしまいました。人生には相変わらず思ってもみない伏線の回収が待っているなあ、と。

こないだ別々に発注したティアーズ・フォー・フィアーズとベックの商品が自分の節目の記念日に同時に届いたとき、音楽の神様からのプレゼントだ！と思いましたが(もっと早く手に出来ると思って頼んだのにわざわざその日に届いたので)、今回もものすんごい遠回りと紆余曲折と…時間をかけていろんな長い旅をしてきたあげく点と点が繋がったことに本当にびっくりしています。こちらは音楽の神様からのサプライズかも(笑)

生きてるとたまにこうやって思ってもみない角度から思ってもみないことが起こるから面白い。これからも興味の向くまま、流されるまま、音楽を聴く(&たまに弾く)旅を続けていきたいです。