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文春落語オンライン 柳家喬太郎独演会Vol.17

こないだ喬太郎師匠と田島さんのコラボ公演を観に行ってからというものすっかり喬太郎さんのファンになった私、チケットぴあで喬太郎さんの公演情報のメールを受け取ることにしました。そしたら文春落語オンラインという動画配信で喬太郎さんの落語をやるとの情報が!ということで7月3日に配信された喬太郎さんの独演会を観ました!

この独演会はどうやら怪談牡丹灯籠を連続シリーズでやっていたものらしく、今回が連続口演の第4話。次でひとまず最終話ということらしい。うーん、3話までも聴きたかったけど仕方ない。さらに東洋経済のWeb記事で喬太郎師匠の落語は新作もいいけど怪談話が怖くてよい、という記事をちょうど読んだところで(その記事はこちら)、怪談話も聴いてみたいなあ~とまさに思っていたところ。

私はホラー映画とか現代ものの怖い話とかは好きじゃないんですが、日本の昔の怪談話は大好物。四谷怪談とか番町皿屋敷とか。そういう有名どころの幽霊ってやっぱり女性なんですよね。なぜかというとやはり女性の立場は本当に社会的に弱かったからだと思うんです。現実ではどうにも太刀打ち出来ない、だから死んでから仕返しするしかなかったんだと思います(男性でも菅公とかの怨霊が有名ですが、ここでは置いといて)。

ということで牡丹燈籠。今回は「おみね殺し」というお話ですが、写真の通り、すぐに本題には入りません。まずマクラがあって短い噺があって、中入りがあってからメインの演目になります。文春落語ではそのあとに質問コーナーというのを設けていて、キョンキョン(喬太郎師匠のこと)が質問を自分で読み上げ、それに答えていました。
 
今回牡丹燈籠の前にやったのは「初音の鼓」。このお話はなんとなく知ってました。喬太郎師匠の「コン!」が高い声でめちゃくちゃ可愛いし楽しい(笑)マクラでは、昨日大阪にいた喬太郎師匠が今日になって東京に戻ってきたんだけど、大雨により新幹線が遅れてこの配信の前の出演した公演に"駆け上がり"で出演することになった話や、大師匠である小さんとの思い出話も。

こういうマクラで落語家さんのお人柄がうかがえるなあ、と思います。おそらく落語自体にすごく技術があって面白かったとしても、マクラで垣間見れる人柄が好きになれなければきっとその後の落語も聴く気にならないんじゃないかと思います。質問コーナーでも喬太郎師匠の魅力全開でした。「東京ホテトル音頭」一節歌ってくれたし(笑)

というわけで牡丹燈籠。今回の「おみね殺し」に幽霊は出てきませんが、人間同士の心理戦が怖い…!(>_<)浮気がバレたことで妻を疎ましく思って手にかけてしまう旦那の短絡的な思考回路も怖い。やはり一番怖いのは生きている人間かも…と思ったり。そして「初音の鼓」の時の楽しげな様子と違ってどこまでもシリアスに噺を進める喬太郎師匠のギャップ…!淡々とした口調がなまら怖かったです。

そして今回私が一番「えっ!」と思ったのは最後の質問コーナーでのこと。そこで喬太郎師匠が夢枕獏さんに書いてもらってた落語がある、と話してくれたんですね。えっ?夢枕獏先生が書いた落語…?!どんな内容なんだろ?しかもそれを喬太郎師匠が演るの?!超観たい!!と思いました。そう、私は何を隠そう夢枕獏先生のファン。特に『陰陽師』シリーズが好きで、最初の巻からずっと読んでいます。

そうと知ったら夢枕獏先生が喬太郎師匠に書き下ろした「鬼背参り」という噺が気になって仕方ない。どっかに載ってる本はないかと調べたら、あった!!それは『楽語・すばる寄席』という本。さっそく読んでみると、途中からこのお話には覚えがあるぞ…?と思いました。それは『陰陽師』の中の「青鬼の背に乗りたる男の譚」。なるほど、これを落語バージョンにアレンジしたんだ!と思いました。

これは鬼になってしまった女性の死体にまたがって髪の毛をつかんでなくてはならないというこの上なく恐ろしい絵を想像させられるお話で、確かに落語でやったら動きがあって面白いだろうな!と思いました。すっごく観たい、聴きたい~!!また、この『楽語・すばる寄席』には喬太郎師匠だけでなく、SWA五人衆という五人それぞれに作品を書き下ろした作品が載っています。

このSWA五人衆のメンツが豪華で、春風亭昇太、柳家喬太郎、三遊亭白鳥、神田山陽、林家彦いちという五名。私は特に神田山陽さんに書き下ろした「陰陽師・安倍晴明化鼠退治」が気に入りました。いつもの陰陽師のお話のテンポで進んでるな、と読み進めていったらとんでもないオチ…!(笑)確かに"あれ"は見方によっては百鬼夜行に見えなくもない(爆笑)陰陽師ファンとしては番外編を読めた感じですごく得した気分になりました。

…と、話がそれてしまいましたが、次回の文春落語オンラインは8月11日。怪談聴くのに良い季節♪次回も楽しみです!!

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