「何でも相談してください」と呼びかけると反応は逆に減る?マーケティングの心理学
こんにちは。鈴木貴之です。
街を歩いていると、ある住宅関連企業の看板に目が留まりました。「何でもご相談ください」と大きく書かれていたのです。
しかし、これは本当に有効なメッセージなのでしょうか?
おそらく、多くの人は特に何も思わないで、その看板を素通りしてしまうのではないでしょうか。
「何でもご相談ください」は、その場で何について相談すれば良いのかが具体的に想像できず、結果として相談したいと思う事項が浮かばないという状態になってしまいます。
また、「何でも」と言われると、専門性を感じられず、相談に適した具体的な課題がある人は逆に遠ざかってしまうでしょう。
では、どのようなメッセージが有効でしょうか?
それは、あなたが「何々でお悩みなら、専門店である我々にご相談ください」のような、より具体的な悩みに対して専門性を強調したメッセージです。
これを見た時に、その悩みを抱えている人なら「ちょっと相談してみようかな」と思うでしょう。
この方法は、それ以外の悩みを持つ人々を見捨てる形になりますが、一方で「何でも相談ください」に反応する人がほぼゼロなのに対して、少ないとはいえ反応する人がいるのです。
例えば、その反応率がわずか0.2%でも、1000人が看板を見れば2人は反応してくれるでしょう。
これは、「誰でも何でも相談してください」と言われても相談しにくい人々に比べると、確実に高い反応率です。
人は特定の課題に対して「あ、これは私に当てはまる」と思う瞬間に引き込まれます。
そのため、看板は一目でそのメッセージを伝え、人々の注意を引く必要があります。
これは、コンセプト作りにおいても同様です。
「みんなのための住宅会社」ではなく、「あなたがこういう価値観を持っていて、こういう家を持ちたいなら、我々が最適」というように、特定の価値観や要望に対応する企業であることを強調することで、人々の興味を引きます。
特に初めてのお客さんを呼ぶ時、信頼性がまだない場合でも、気軽に依頼できるような入口を用意することが重要です。
それは、価格帯が低く、失敗しても諦めがつくようなサービスかもしれません。
その後、彼らに対して、次のステップへの提案を進めることで、長期的な顧客関係を築いていくのです。
今回、私が街を歩いていて目にした看板から学んだこと、それは「全ての人に対して呼びかけると、反応が逆に減る」という現象です。
私たちは、特定の人にしか届かないメッセージを使うことで、より多くの反応を引き出すことができるのです。
それでは、また。
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