見出し画像

真保裕一「奪取」(偽札作りのコンゲーム小説)

昔に読んだ小説を読み返しています。

真保裕一の「奪取」は1996年(27年前)に出版された小説です。
主人公の青年とその友人(雅人)、偽札造りのプロのじじい(コウさん)とその仲間の子供・サチオ(幸緒)の4人による偽札作りとヤクザへの復讐劇です。話は、友人の雅人のサラ金の借金返済にせまられ、銀行の両替機をだませる偽札をパソコンとプリンタで作り始めることから始まります。小説は3部に分かれており、3回の偽札作りが行われます。

発売されてすぐに購入して読んだのですが、当時は読み終わってしまうのがおしいと思うほど、面白く読んだ記憶があります。話はほとんど忘れてしまっていましたが、じじいと女の子キャラが立っていたように記憶していました。

今回読み直してみると、全体的には面白かったですが、当時ほどではなかったです。自分が年を取ってしまい主人公との年齢の差が出てしまったことや、そんな短い期間でできないでしょうなどと引いて読んでしまうようになってしまったからかもしれません。
それでも、偽札作りの工程や、作った偽札を使う場面、ヤクザとの駆け引きなどの場面は、エンタテインメント作品として楽しく読めました。

テレホンカードとか、秋葉原にまだ交通博物館があったりとか、ちょっと昔の話なので、若い人が読むにははてなな点があるかもしれません。

手持ちの本はハードカバーでしかも2段組だったので、電子書籍になれてしまった現在では読むには不便でした(特に寝ながら読むとき)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?