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『ウルトラマンネクサス』を観ました。(第31話〜第37話まで)

 凡例のようなもの

 以下の感想は視聴当時(2020年1月4日〜2020年3月10日)にふせったー(指定した箇所を伏せ字にしてツイート出来るツール。追加で長文も付けることが出来る)を使用してツイートしたものです。省略した句読点の追加や、語句の統一程度の推敲はしましたが、ほぼそのまま掲載しています。
 今回は第31話から第37話までの分を扱いました。
 全体的にネタバレや、感想を読む方が視聴していることを前提とした内容です。まだ未視聴の方は、その点をご留意ください。

『ウルトラマンネクサス』第31話を観ました。

 ジュネッスブルーの無茶を威嚇射撃で止める西条副隊長、かっこよかったですね!
 前回、瑞生が千樹憐に質問した「『ラファエル』とは何か?」については、今回は大きな謎を残したまま、答えられることはありませんでしたね。でも憐の反応からすると、それはどうしても思い出したくない言葉のようです。孤門隊員は『ラファエル』について「それは敵か? 味方か?」と詰め寄っていますが、敵と味方に区分できるようなものとも、わたしには思えません。わたしは今の所、『ラファエル』は千樹憐の運命に関わるものじゃないかと思えてなりません。憐は「いつか話せる時が来たら話す」つもりでいるようですが、そんな時は本当に来るのでしょうか。憐と孤門隊員と瑞生、それぞれが納得してその時を迎えられればいいのですが。
 今回のビーストは前回の戦いでウルトラマンの行動パターンを覚え、対策してきましたね。西条副隊長は、ウルトラマンの行動について「戦い方がおかしい」「攻めるばかりで、自分を守ろうとしない」と指摘していましたが、そこを見事に突かれた形でした。その姿勢には孤門隊員もイラストレーターすら心配と不安を隠せない様子でしたが、西条副隊長がウルトラマンに対して威嚇射撃をする形でサポートし、ビーストを撃破していました。
 前回のデュナミストだった姫矢准も、自分がボロボロになるまで戦うという、ある意味捨て身の姿勢で戦いに臨んでいましたが、千樹憐はナイトレーダーという対ビースト戦闘のプロが見ても如実に捨て身だと分かる程、つまり姫矢准以上に命を捨てた戦い方をしているようです。どことなく、姫矢以上に心境が追い込まれているとも思えるのですが、気の所為でしょうか。

『ウルトラマンネクサス』第32話を観ました。

 まさかのダークメフィスト再登場と、ダークメフィストツヴァイの登場と即退場に驚きの連続でした。
 記憶を取り戻した溝呂木の脱走理由が、自分が両親を殺害してしまった少女・リコちゃんへの謝罪だったのには驚きました。わたしは、以前の溝呂木には闇に飲まれて血も涙も無くしてしまった冷血漢という印象しか無かったので、両親を殺してビーストにしてしまったことをリコちゃんに謝るという行動を思いつくことが意外です。更に、メモリーポリスの三沢がダークメフィストツヴァイに変身した際、ウルトラマンに加勢する形でダークメフィストに変身したこともびっくりしました。溝呂木は結局、死んで罪を償うことを選択したようですが、西条副隊長の言う通り、それは卑怯だと思うし、「罪を償うなら人間として」「生きて」いて欲しかったです。
 意外と言えば、瑞生が溝呂木の脱走理由に理解を示したことにも驚きを隠せません。最初はメモリーポリスらしい、冷静で職務に忠実な人物だと思っていたのですが、千樹憐と交流したり、バンピーラの事件でのリコちゃんの反応を見て変わったのでしょうか。その意味ではこれからの千樹憐との仲に注目せざるを得ません。

『ウルトラマンネクサス』第33話を観ました。

 ついに映画『ULTRAMAN』との関連性が明らかになりましたね!
 今回は千樹憐が知らない女の子にデートに誘われるという、ラブコメのような展開がありました。しかもその女の子が、管理官の娘さんだというから、瑞生にとっては恋愛面と仕事面の両方で大変なことになりました。しかし女の子ちゃんが憐と瑞生のこれまでのことを見守っており、二人の恋路を応援する姿勢を取っていたところがラブコメではないところだと思いました。その点では大人なしっかりした子ですね。これを機に千樹憐と瑞生の関係は進んでいくのでしょうか。応援していきたいですね。
 そして女の子ちゃんの登場によって、管理官の私生活も明らかになりました。管理官はいわゆる「悪い大人」とも言うべき、情報操作や政治的な面である種の強かさを持っている、善ではないが悪とも言い切れないグレーな方だと思っていたのですが、それも「新宿大災害」で失った奥さんをはじめ、娘さんを含めた家族のための行動だったのだと感じました。きっと「極秘」と言って仕事のことを娘さんにも隠していることにも、負い目を感じているんじゃないかと思います。管理官に対してはあまり良い感情を持っていなかったのですが、でもやっぱり家族と一緒に幸せになって欲しいと思わざるを得ません。
 一方、ナイトレーダーでもプロメテウス・プロジェクトや千樹憐のことについて少しずつ明らかになってきました。まさか石堀隊員のシステムエンジニアリングの技術がここで生かされてしまうとは思いもよりませんでしたし、なによりナイトレーダーのメンバー達が組織本体に疑念を抱えることになるのも意外でしたが。そして千樹憐の向き合っている運命の過酷さも分かってきました。本人は外面は良さそうにしていますが、その反面かなり辛いのではないでしょうか。病状に効く特効薬は本当に作られないのでしょうか。
 気になります。

『ウルトラマンネクサス』第34話を観ました。

 ついに憐が瑞生の前でウルトラマンに変身してしまいましたね!
 「新宿大災害事件に際し、ほぼ全ての人間への『スペースビースト』『ウルトラマン』に関連する記憶の処理を行っていた」ことが明白になって初めての出撃が行われました。TLTが下部組織であるナイトレーダーのメンバーにも秘密を持っていたことに対して、隊長を除くメンバー全員が疑念を共有することになりましたね。出撃は「一般市民を守る」というメンバー全員に統一された使命感から無事に行われ、秘密に対しても説明がされましたが、これからもナイトレーダーは無事に活動を行っていけるのでしょうか。次回予告ではサブタイトルからして不穏な雰囲気が漂っています。わたしとしてはこれからもウルトラマンと共に戦っていければ良いのですが、不安です。
また、千樹憐の体調も芳しくないようですね。前回、憐の寿命が残り少ないことが示唆されましたが、今回のビーストの襲撃もあってそれが明白になりつつあります。「ラファエル」があったとしても、きっと救われない命なのかもしれませんが、無事にウルトラマンに認められるまで戦い抜いて欲しいです。
 ところで、前回私生活と家族の存在が明らかになった管理官ですが、娘にも仕事を認められ、誕生日のデートの約束までしたのに、メモリーポリスに記憶を消させるとは、あんまりではないでしょうか。確かに娘さんもビーストの襲撃を目撃するどころか、新宿大災害をはじめとする情報も知ってしまっている状態ですし、「一般人の記憶を処理する」のも仕事とは言え、娘にも容赦がないところに、「やはりグレーの人だ」と思わざるを得ませんでした。次回予告でも、姫矢准の時のように憐で人体実験を行うようでしたし、不安が募ります。

『ウルトラマンネクサス』第35話を観ました。

 ウルトラマンと共に戦うナイトレーダー、かっこよかったですね!
 これまでのTLTに対する不信が千樹憐拘束によって爆発し、反乱に発展しましたね! これまで歴代のデュナミストと関わりを持っていた孤門隊員の他、「ウルトラマンもまたビーストかもしれない」「今回のデュナミストが姫矢のような人間であるとは限らない」とウルトラマンにすら疑いの目を向けてきた西条副隊長すら反乱に協力したのがアツかったですね。そして反乱にゴーサインを出し、管理官を説得した和倉隊長が、デュナミストの「光」について解釈し、ウルトラマンを理解していたのも良かったですね。
 管理官がデュナミストの命を軽視し、「光」を手に入れることに固執していたのも、今までの「敵でなければ正義の味方でもない」姿勢や、必要ならば娘の記憶すら処理する冷徹さを象徴しているようで良かったですね。管理官があそこまで「光」にこだわり、職務に誠実なのも、TLTを自分の正義と信じてやまないからだと思います。今回、孤門隊員達ナイトレーダーの正義と対立することになったのは残念ですが、それはそれで管理官には最後まで自分の正義を見せて欲しいと思います。
 また千樹憐の親友でありながらも反乱事件ではどちらにも加担しなかったイラストレーターも、自分なりの立場で世界を守りたいと思っているのではないかと考えます。イラストレーターは千樹憐の人体実験のことも察していたのではないかと推測しますが、憐の「光」の力も世界を守るためには必要なので止められなかったのではと思います。一方で憐のウルトラマンとしての活動は応援している。なんとなく、世界を守ることと憐の命はイラストレーターの中では両極端にあって、どちらも選べない状態なのではとも思ってしまいますね。
 ところで「ラファエル」が完成したようですが、憐の元には届けられるのでしょうか。憐にもまた幸せに生きてほしいです。

『ウルトラマンネクサス』第36話を観ました。

 命を捨てて戦っていた千樹憐が、ここにきて「生きて光を繋ぐ!」と言ってくれて、本当に良かったです。
 今まで、明日死ぬかもしれないという絶望感を抱えて、命を捨てて戦ってきた千樹憐が、孤門隊員をはじめ、イラストレーターこと親友の吉良沢優や瑞生、さらには西条副隊長から生きる希望を与えてくれたことでここまでこれたことに感無量です。姫矢准は「光は絆だ」と自ら悟っていましたが、憐は「光は人から人へ受け継がれてきた希望」だと皆から教えられてやってこれたのだと思います。憐は自分の命を投げ捨てることで他人に献身するより、生きて希望を他人へ繋いでいくことを選んでくれました。本当に嬉しいです。彼はあの後、瑞生と共に病院へ行き、「ラファエル」を投与されたでしょうか。命ながらえてくれたでしょうか。わたしは憐と瑞生が幸せになってくれることを願ってやみません。
 また、次はいよいよ最終回です。前回から石堀隊員の不穏な動きが示唆されると共に、次のデュナミストとして西条副隊長が予告されました。ナイトレーダーの処分や今後も心配ですが、今まで心の闇を曝け出してきた西条副隊長が、デュナミストとして、ウルトラマンとしてどうやって戦うのか、心の闇と向き合うのか、楽しみでなりません。

『ウルトラマンネクサス』最終話を観ました。

 一瞬でも女性がウルトラマンに変身してくれたのはすごく嬉しいです。また、孤門隊員が歴代のネクサスに変身してくれて胸が熱かったです。ノアがとってもかっこよかったです!
 今回初めて「ネクサス」という言葉が出ました。今まで歴代のウルトラマン・デュナミストと関わってきた孤門隊員の口からその言葉が出たのが本当に嬉しいし、孤門隊員だからこそ口に出来た言葉だと思います。孤門隊員が変身したのは納得ではありますが、最終回のデュナミストは西条副隊長だとばかり思っていたので、少し意外でした。孤門隊員の変身ポーズは、歴代のデュナミストのものを間近で見ているだけあって、堂に入っていましたね。かっこよかったです。また、ジュネッスへの変化時に、歴代のデュナミストである姫矢准と千樹憐が登場したのが嬉しかったです。彼らが発現したウルトラマンの力を孤門隊員がしっかり受け継いで使っている感じがして、彼らの友情・絆を感じました。最終形態であるウルトラマンノアの登場は、それらと街の人々の応援が結集して力となったものだと思います。人々の繋いできた希望と命と諦めない心が、ウルトラマンノアを呼び出し、ダークザギを打ち破ったのでしょう。
 また、最後のシーンで、一瞬でしたが歴代デュナミスト達が登場したのが本当に嬉しかったです。彼らは生きて、新しい人生を歩んでいる。そう感じられて本当に嬉しかったです。姫矢准は彼を待っている人々の元へ帰ったでしょうか。千樹憐は瑞生と仲良く過ごしているでしょうか。きっと彼らなりに幸せを掴みつつあると信じます。
 そして『ネクサス』で一番嬉しかったのは、女性がウルトラマンに変身してくれたことです。結果的にダークザギの覚醒の要因となってしまいましたが、「女性もウルトラマンに変身できる」という事実は変わらないし、素晴らしいことだと思います。これからどんどん女性のウルトラマン・変身者が増えて、活躍の場を広げていって欲しいです。
 『ネクサス』は話が暗くてしんどい場面も多かったですが、「過去は変えられないが、未来は変えられる」こと、「明日がなくても、生きるつもりで戦う」こと、そして「諦めない心」を教えてくれた、素晴らしいシリーズでした。ありがとうございました。

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