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『ウルトラセブン』観ました。(第31話〜第40話まで)

 凡例のようなもの

 以下の感想は視聴当時(2020年2月22日〜2020年4月5日)にふせったー(指定した箇所を伏せ字にしてツイート出来るツール。追加で長文も付けることが出来る)を使用してツイートしたものです。省略した句読点の追加や、語句の統一程度の推敲はしましたが、ほぼそのまま掲載しています。
 今回は第31話から第40話までの分を扱いました。
 全体的にネタバレや、感想を読む方が視聴していることを前提とした内容です。まだ未視聴の方は、その点をご留意ください。

『ウルトラセブン』第31話観ました。

 『高所恐怖症』『(克服したけど)火薬など爆発物が苦手』とてんこ盛りなアマギ隊員の設定に、更に『血液型が特殊』というさらなる要素が追加されましたね!
 今回は終盤で「体内での戦い」が繰り広げられるという、ワクワクする回でした。「巨大化して敵と戦う」ことが多いウルトラシリーズではあまり観られない「ミクロ化」という新要素が驚きでした。体内という一般人が滅多に見られない世界が、特撮で幻想的に描かれたのはとても良かったです。太陽のエネルギーを得られない、体内という閉鎖的空間での戦いを終えたセブンが、女性が愛でる薔薇の花弁の中から顔を覗かせていたのが可愛かったですね。
 そして何より、今回は女性と特殊な血液型という関係で結ばれたアマギ隊員がピックアップされた回でもありました。特に最後のシーンのアマギ隊員の笑顔が素敵でしたね! ダンも格好良くて大好きなんですけど、アマギ隊員もすごく素敵です。夢現にアマギ隊員と女性が夜のメリーゴーランドで遊ぶ様子はロマンチックでした。
 また隊員達の格好いい場面が観られるのを楽しみにしています。

『ウルトラセブン』第32話観ました。

 電磁波障害で変身できないダンが「デュワッ」と掛け声をあげるのが可愛かったです。
 ウインダム、ミクラスに続く第3のカプセル怪獣・アギラが登場したのが見所の一つでした。メカっぽいウインダム、カラフルな角の生えた哺乳類らしい雰囲気のあるミクラスと違い、恐竜のような爬虫類感があり、眠たそうに開けた目がチャーミングだと思います。カプセル怪獣はそれぞれ違った個性があり、場面や用途によって使い分けができるのがいいですね。ウルトラセブンとはどうやって出会って、今のように戦力になったのかとても気になります。いつかセブンとカプセル怪獣達が揃って登場し、敵勢力と戦ったり仲良くしているところが観れたらいいなと思います。
 また、今回は電磁波によってウルトラホークやポインターの行動が大きく制限されたことがキーポイントでした。中でもモロボシ・ダンがウルトラセブンに変身出来なかったのは痛手になりました。変身できないダンが小さく「デュワッ」と掛け声を上げるのは可愛かったです。
 今回はウルトラ警備隊員達はダンを移動する惑星に残したままとなってしまいましたが、ウルトラセブン=モロボシ・ダンはどう理由をつけて警備隊に帰還したのでしょうか。気になります。

『ウルトラセブン』第33話観ました。

 最後のカットのダンの驚いたような表情が可愛いですね。
 今回は死体に宿る幽霊が影となって襲ってくるという、SFというよりもホラーに近い内容でした。とは言え、何故死者の霊が襲ってくるのかについては、モロボシ・ダンは『宇宙人が死者の幽霊を念力で操っている』『テレキネシスのようなもので』と説明をつけていましたが。
 影が襲ってくることがメインテーマだったからか、シルエットの描写に力が入っていたように思います。室内の照明も他の話数と比べて暗く、不気味で、複数人の影が蠢く様が際立っていました。怖かったですね。最後にソガ隊員が自分の影を撃とうとしたのも、さもありなんと言える気がします。
 また終盤の異星人との戦いにも気合が入っていたように見えます。ウルトラセブンを縮小してコップに閉じ込めたり、宇宙船で捕らえたりと実力も高かったですね。ここまで苦戦するのも久しぶりではないでしょうか。
 今回のような不気味で一見して非科学的なものも面白いですね。また観たいです。

『ウルトラセブン』第34話観ました。

 まさか本物のウルトラセブンが敵方の手に落ちて操られるなんて、前代未聞の事態ではないでしょうか。
 今回は街が主役の話でしたね。ビル街が人々ごと蒸発したり、逆に現れたり、終盤では今までの『ウルトラセブン』の話の中では一番建物が破壊された印象があります。敵に操られたとは言え、ウルトラセブンが街を破壊して回っていたのも前代未聞の事態ではないでしょうか。味方の手による破壊行動と言えば、『ウルトラマン』ではザラブ星人の化けたニセウルトラマンや、メフィラス星人に操られた巨大なフジ隊員が思い出深いですが、まさかウルトラセブン本人によるものは想像もしませんでした。
 とは言え、今回は街を生き物に例えた時に聞こえた悲鳴をもとに作られた話のような気がします(自分でも何を言っているのか分かりませんが)。タケナカ参謀にホテルに呼び出されたフルハシ隊員の言葉が印象的です。「街も毎日掘り返されたり埋められたりしていて、生き物だったら「俺は死んじまっただ」ってところじゃないか」。最後にビル街が山の見える平原にそびえているのを観て、街ももっと空気の澄んだ緑の多いところに居たいと思っているのではないかと考えたりしました。

『ウルトラセブン』第35話観ました。

 キリヤマ隊長とクラタ隊長、ダンとアンヌの絆の深さが伺い知れた話でしたね。
 クラタ隊長が再登場したのが嬉しかったです! また今回はクラタ隊長とキリヤマ隊長が3年前に倒した異星人の生き残りが登場したということで、その事件について詳しく知りたくなりました。キリヤマ隊長とクラタ隊長は現在のチーム編成になるまで、どのような戦歴を経てきたのでしょうか。二人がどのように友情を強くしていったのか、とても気になるところです。
 しかしクラタ隊長におかれましては、前回のV3隊員全滅に引き続き、部下がいなくなってしまう事件が立て続けに起きています。クラタ隊長に非は無いとは言え、このように不運が続くのには同情し得ません。クラタ隊長には自分のチームで平穏に、しかし楽しくやっていて欲しいと思ってしまいます。
 ところで今回はウルトラセブンにとっては不利な世界での戦いでした。「零下180度」と聞いた瞬間にモロボシ・ダンの顔に不安が現れた様子は印象的です。月世界の夜ということで、簡単には太陽の恩恵を受けられない中、隕石が降ってきたことでエネルギーを得られたのは幸運でした。
 また満月の見え隠れによって、ダンの無事な帰還を祈るアンヌの気持ちを表現していたのはとても良かったと思います。まだはっきりとした表現は見えませんが、ダンとアンヌがお互いに思い合っていたり、気持ちが通じ合っている様子が穏やかに描かれるのは美しいですね。

『ウルトラセブン』第36話観ました。

 ソガ隊員とヒロタ隊員を通して、友情のあり方を考えさせられました。
 今回はソガ隊員とヒロタ隊員の友情と、共通の特技である銃撃が取り上げられました。
 ソガ隊員がウルトラ警備隊の中でも随一の銃撃の腕を持つことは、今までの描写が物語っています。その腕を競える相手がヒロタ隊員なんですね。そして二人は同期で、ヒロタ隊員が大会で優勝してソガ隊員に嫌味を言った時も「でも本当は良い奴なんだ」と庇うくらいには仲良しなんでしょう。でもそんな二人も銃撃という共通の特技があることで仲がこじれていくんですね。
 共通の特技があると技術の向上方法を教え合ったり、切磋琢磨し合えるので、ライバル意識はあれど喧嘩したり争う程に仲が悪くなったりしないと思う……んですよね(自信がない)。でもヒロタ隊員は大会でソガ隊員に勝ちたいばかりに、ペガ星人に文字通り「魂を売って」しまいました。
 今回わたしの理解が及ばないのはそのヒロタ隊員の心理で、ライバルに勝つためなら、例えライバルに友情を感じていてもそれを反故にしてまでも悪魔に魂を売ってしまうのは何故なんでしょうか。わたしが持ちうる闘争本能が足りてないから分からないのでしょうか。
 でも確かなのは、ソガ隊員は最終的にヒロタ隊員に勝る銃撃の技術があったということ、そしてヒロタ隊員はともかくソガ隊員はヒロタ隊員に友情を感じていたということなんですよね。ソガ隊員が「友情が上手くいかないのはこれ(銃撃)のせい」と言っていた通り、銃撃の特技の競い合い方が間違っていたせいで、今回の結末を迎えてしまったと思うと、残念でなりません。

『ウルトラセブン』第37話観ました。

 うつくしい話でしたね。
 アマギ隊員って「ウスノロ」って言うんですね……
 そんなことより、今回はマゼラン星人の謎の美少女とモロボシ・ダンの会話・言葉が重い回でしたね。
 やはり「地球にはウルトラセブンが居て、地球人に味方している」「ウルトラセブンはモロボシ・ダンという人間として生活している」という侵略異星人の常識が生きているのか、この美少女もそれに倣ってダンの懐からウルトラ・アイを盗み出し、ウルトラセブンの無力化を図りました。ダンのほうでも例の常識を知っているのか、ウルトラ・アイを盗まれた時には美少女の企みを地球侵略の前準備だと想定し、「地球を侵略するのか」とテレパシーで問いかけました。それに美少女は答えます。
「だってこんな狂った星よ。侵略する価値がある?」
今まで地球を「美しい星」だとして侵略してきた異星人達の価値観をも疑うような言葉だと思いました。確かに毎日死ぬほど働き、その反動で享楽に耽らないと生きていけない、環境は平気で破壊しまくるわ、同じ人間同士でも争いを続ける地球人が支配してしまっている地球のどこが美しいんだろうかと思ったりはしましたが、あのうつくしいビジュアルの少女に言われたらぐうの音も出ません。
 とうとうマゼラン星からの恒星間弾道弾が到達しようとした時、少女にそのことを知らせるダンの言葉もうつくしかったですね。
「この星で生きよう。この星で一緒に」
地球で生きる異星人・宇宙人の仲間として伝えたのだと思います。例え地球が狂った星でも侵略も破壊活動もしてはいけない、同じ宇宙の仲間として一緒に生きていこうという意図だと思います。
 しかし最後に少女がダンの元を去ってしまったのが残念でなりません。やはり地球で生きるのは嫌だったのでしょうか。それとも母星に見捨てられたのが辛かったのでしょうか。ただただ異星人に生きる価値を見出して貰えないのが辛いですね。

『ウルトラセブン』第38話観ました。

 呪いのように繰り返される「ダンの嘘つき」が重く伸し掛かる回でした。
 今回はキリヤマ隊長の言う通り、「愛と信頼との戦い」を描いた回だったと思います。
 モロボシ・ダンというウルトラ警備隊員でウルトラセブンでもある「大人」からしてみると、オフである生活もさることながら、オンである仕事や任務も存在する中で、住んでいる世界が違う子供との約束を守ることは容易ではないんですよね。でも「子供」であるオサムくんからしてみればそんなことは関係ないし、ましてや同じ大人でも互いに理解があるとは言えず、約束を守れなかった相手は嘘つきにしかならないんですよね。でもそんな中でも、ウルトラセブンというヒーローであるモロボシ・ダンは、オサムくんの元へ駆けつけた。全身全霊でダンに信頼を寄せたオサムくんの思いに応えたことはとても意義があると思います。やっぱりウルトラマンってすごいと思いました。
 ところで今回は初めて、モロボシ・ダンがうっかり他よりも先んじて侵略宇宙人の情報を口に出してしまっていましたね。初回から自分が宇宙人・ウルトラセブンであることを伏せることに気をつけていたダンが、このようなことを口走ってしまうとは、余程有名な侵略者だったのでしょうか。それとも話数も進んできたし、地球にも永く滞在してきたので、気が緩んでしまったのでしょうか。気をつけて欲しいです。

『ウルトラセブン』第39話観ました。

 セブン「暗殺」計画というより、セブン「処刑」計画のような気がしました。
 ガッツ星人は「地球にはウルトラセブンがいて、地球人の味方をしている」「ウルトラセブンはウルトラ警備隊員・モロボシ・ダンとして生活している」という情報を、今までの侵略異星人の誰よりも弁えていましたね。さらには今までの異星人とは違い、攻撃方法も研究しつくされていました。
 わたしは今まで、『ウルトラセブン』を視聴しながら、「「地球にはウルトラセブンがいて、地球人の味方をしている」「ウルトラセブンはウルトラ警備隊員・モロボシ・ダンとして生活している」まで把握しているなら、モロボシ・ダンの時点でどうにかすれば良いのではないか?」と思っていましたが、ガッツ星人はそこまで達しながら、敢えて「ウルトラセブンを倒すことによって地球人の心を折る」という作戦に出ました。今までの異星人の中で最も性根が曲がっていると思いました(褒めています)。しかも見事にウルトラセブンを捕らえ、磔にするところまでいき、まさに地球侵略に大手を懸けています。戦術的に成功しており、とてもワクワクしています。これからウルトラセブンの復活はあるのでしょうか。とても気になります。
 また、ウルトラ警備隊員達が地球防衛上の戦略的要としてのウルトラセブンを心配している中、警備隊員の一員としてのモロボシ・ダンを心配しているアンヌ隊員も気になります。今まで話数を重ねつつ、心を通わせてきたダンとアンヌが、これからどうなっていくのか、とても楽しみです。

『ウルトラセブン』第40話観ました。

 まさか前編冒頭で登場したフルハシ隊員への贈り物が、あのような形で役立つとは……
 「セブン〝暗殺〟計画」というよりも「セブン〝処刑〟計画」という感じの話も、ついに後編を迎えました。ウルトラセブンがガッツ星人に囚われ、モロボシ・ダンも殆ど出番が無い、むしろ忘れ去られているという中で、活躍したのはウルトラ警備隊の面々でした。
 セブンという地球防衛の要が奪われた中、隊員達の士気を支え、最後まで諦めないよう諭したキリヤマ隊長。ウルトラセブンからの通信を解読したアマギ隊員。ウルトラセブン復活の鍵であるエネルギーをビームランプに照射した、狙撃の名手であるソガ隊員。フルハシ隊員がまさかまさかのキーマンでびっくりしました。前編冒頭で登場したフルハシ隊員への贈り物が、あのような形で役立つとは、誰が予想したでしょうか。
 今回は隊員達それぞれが大活躍し、とても楽しかったです。これからさらなる大活躍を期待したいです。

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