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第25回世界スカウトジャンボリー(25WSJ)レビュー
こんにちは。yukiです。
先日まで、韓国の地でボーイスカウトの四年に一度のお祭り、ワールドスカウトジャンボリーが行われ、私はIST(国際サービスチーム員)として参加し、大会運営に携わって来ました。
韓国国内では組織委員会の不手際や熱中症発症者の続出などで大会期間中は連日トップニュースとして扱われており、日本国内でもテレビニュースやネットニュースなどで取り上げられたため、一見ではマイナスな印象が強い、そんな世界ジャンボリーとなってしまいました。
2週間も異国の地で4万人が同じ場所に集まってキャンプをするわけだから、そりゃ一つや二つの問題が出てくるのは分かるんですが…あまりにも問題が続出したというのが今回のジャンボリー。
そんな夏の韓国の世界ジャンボリーから2か月経った今、25WSJをこの記事ではレビューとしてざっくりとISTの目線ですが全体を振り返っていきたいと思います。多分調子乗って書くのでめちゃ長くなります…笑
①25WSJ 大会概要
さて、まずはこの大会の概要からおさらい。
大会名称:第25回世界スカウトジャンボリー
(英語: 25th World Scout Jamboree)
開催地:大韓民国 全羅北道扶安郡 セマングム
開催テーマ:"Draw your Dream"
参加人数:159ヶ国・約4万3000人
開催期間:2023年8月1日〜8月12日
日本からはスカウト1,249人、指導者139人(スカウト36+指導者4人で構成の隊が35)、IST145人、派遣団本部員30人の合計1563人が派遣されました。
他の国だとイギリスが4000人規模の派遣だったり、国によっては数百人だったり、数十人だったりと国によって参加規模はさまざまです。
さて、2週間のジャンボリー村となった開催地、セマングムの位置関係は次の地図の通り。
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セマングム(新萬金)は朝鮮半島の西岸、全羅北道の沿岸部に造成された干拓地。ソウルや仁川などの首都圏からは300km離れた場所です。
ジャンボリーの玄関口は韓国の空の玄関、仁川国際空港となり、海外の参加隊は仁川に降り立ち、大会シャトルバスで会場へ向かいました。
そのため、大会期間前後のスカウトの入国ラッシュ、出国ラッシュの日には仁川空港がボーイスカウトだらけの空港に笑 国際線の乗客も便によってはほとんどスカウトだったんでしょうけどね。
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歌に合わせて肩組んでいた時の様子。
仁川国際空港から大会バスに乗り込んだ参加者とスタッフは基本、セマングムに到着後まずは会場から少し離れたウェルカムセンターへ行き、参加登録をします。
私たちスタッフはここでSFH(=Safe From Harm)の修了証を提示しIDタグを受け取りました。
大会IDを受け取り後、再びバスに乗り込み会場内へと入りました。
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こんな時間にもかかわらずセマングムに到着した各国ISTでたくさんの人が。
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②ジャンボリーライフ
2週間のキャンプ生活、一体どのようなものか気になりますよね。
参加者のジャンボリーの暮らしは班での活動を基本に、会場内のプログラムや、場内に設けられたデルタエリアへ行き世界の料理を楽しんだりグッズを買ったりして会場内で過ごすことや、隊で会場外の韓国文化について体験して学ぶ場外プログラムに参加します。また、サイトに残ってもプログラムを巡っていても常に他の参加者とバッジを交換するなど国際交流は欠かせません。
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露店のように交換品を広げスワッピングをしていた
プログラム
文化交流の日(Cultural Exchange Day)
8月6日は文化交流の日と設定され、各隊は各国の文化や食事を提供し、各サイトを巡り文化交流をするという日。各隊は各国それぞれ自慢のご飯や遊びなどを出し訪れた人に体験を提供、また色んな隊のサイトを巡って各隊の出し物を体験し国際交流。みんなそれぞれのサイトやサブキャンプにいるのでサブキャンプ内がずっと賑やかな一日でした。
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場内プログラム
場内のプログラムは、ジャンボリー会場での酷暑のため途中からほとんどの日で中止判断が下されてしまい、あまり満足に体験できなかったスカウトも多かったのではないでしょうか。
筆者は場内プログラムには何も参加できず…やってみたいプログラムはたくさんありましたが(泣)
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場内には48のプログラムに約130のアクティビティが設定されていました。ウォータープログラムやドローン、MTB、ニュースポーツやクライミングなど、「4S+ACT」に沿った多種多様なプログラムが用意されました。
※4S+ACT…4つのS(Scouting for life, Smart & Scientific, Safe& Secure, Sustainability)とACT(Adventure, Culture& Tradition)で構成される今ジャンボリーのプログラムのテーマ。
場外プログラム
今回のジャンボリーでは、韓国の民族衣装を体験するプログラムやキムチ作りなど、韓国文化について様々なプログラムが会場外の全羅北道内などで展開されました。
場外プログラムに参加する各隊は、ジャンボリー会場内にあるバス乗り場からバスに乗り、各プログラム会場へ出発していきました。
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各プログラムには集合時間が設定され、その時間に合わせ各隊は朝のスケジュールを組んでいた。
私のいたサブキャンプが場外プログラムへの駐車場の横のところだったので、毎朝バス停へ歩いて向かう参加隊の姿を見ていた景色が懐かしいな
ISTのプログラム
ISTは、場内プログラムや場外プログラムにISTとして参加スカウトと同じように参加できたのですが、それら以外にもIST限定の場外プログラムがありました。
場外プログラムへと出発するバス駐車場に扶安(Buan)の市街地へ向かうバスが1時間に1本、また8/4と5には辺山ビーチ(Byeonsan Beach)へ向かうバスも設定され、ビーチで開かれたサマーフェスにも参加することができました。
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私は両方のバスに乗車して場外で韓国を満喫しました。私のジョブが完全オフだった8月5日。ここしか良くタイミングはないと思い日本のIST仲間と扶安の街へ。夜には辺山ビーチへ行くという贅沢なオフデイ。しばし私の遊び記録を(笑)
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ジャンボリー参加者だったから(!?)か、とても手厚くお店の人に食べ方など教えて頂いた
ジャンボリー期間内でこういった韓国の街をまちあるきできることはとても新鮮でした。私の職場のようなホワイトな場所担当がいうのもおかしな話ですが、ISTのジョブの気分転換にまちあるきは最高の時間になっていたと思います。行けなかったジョブの人もいたかもしれませんが。
けど、スタッフはみな18歳以上の大人だから基本的に街に繰り出してもなんとかなるよな、知らんけど。
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まさか韓国にあるとは思わなかった。
そして一旦セマングムに戻り夜にはビーチ行きのバスに乗車。こちらは観光バス型の車両なのに通路にもひたすら人を詰め込んでいくスタイル。そりゃみんな夜のビーチライブ行けるなら行きたいよな。
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普通に海に入る人も多く、しっかり水着でやってきたスカウトに、地元の家族連れにと大賑わいなビーチ。雰囲気だけでももう最高でした。
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傍から見ると一瞬?になる光景。
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ビーチでのサマーフェスティバル。海の横で水に浸かりながら、浴びながら楽しめる地元も大賑わいのお祭りになっていました。
ここのビーチ、結構調べてたらネットに出てきたんで有名なビーチなんですかね。
私は帰りのバスが混むことを恐れて最終1本早いバスで戻りました(私の行った前日にビーチから最終バスを逃してセマングムまで夜中歩いて戻った人の話を聞いていたので)。ただ最終バスで帰った人のストーリーとかを見ていると私より遥かにエンジョイしてました。人それぞれですね。
6日にもこのビーチでのライブが予定されていたそうですがジャンボリーには相応しくない事象(!?)の影響でキャンセルになったそう。これ以上の詳細は知りません。節度、ルールを守ることが大事ですね^^;
サブキャンプ
サブキャンプとは参加者の居住スペース。今大会では5つのハブキャンプに18のサブキャンプが設定されました。世界各国から861の参加隊が暮らすわけですから、サブキャンプを分けないと確実に自分のユニットサイトの位置が分からなくなって迷子になってしまいます。(これでもサブキャンプ内で迷子になる人もいますが)
そんなサブキャンプの配置図は以下の通り。
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今大会、ハブキャンプは百済、新羅、高麗、朝鮮、高句麗と韓国の旧国号が割り当てられました。
サブキャンプはオリンピアからドロンテンまで、第1回世界ジャンボリーから第18回世界ジャンボリーまでの開催地の名前が付けられました。
そんな広大な会場には大会シャトルバスが循環していました。
各サブキャンプの前にバス停が設置され、場内プログラムへの移動やISTのカフェテリアへの移動などに使われていました。
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私もよくお世話になった。
中にはシャトルバス担当のスタッフが1~2名乗り込んでいてバス停に着く度に後ろへ進め~って声掛けてました。人によってはひたすら詰め込んでくれる人もいれば、まだ乗れるじゃん!?みたいな状態でドアを閉める人がいたりと多様でした。
バス車内は冷房が10℃台に設定されていた時もあり、その時はひたすら寒かった。外気温との差がありすぎてバスの窓結露してたし。
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朝夕はサブキャンプ住み込みのISTがカフェテリアに通うのを優先して運用されていたこともありました。実際どのようなきまりで運用されていたかは担当じゃないのでわかりませんが…
私は毎朝毎夕、ご飯のためにサブキャンプからスタッフ食堂まで通わなければならなかったので、このバスにはとてもお世話になりました。
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炎天下のジャンボリーにおいてスカウトたちのオアシスとなっていた
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コンビニで買ったアイスやジュースを
コンビニの前で涼みながら飲む人が多かった
そして各ハブキャンプそれぞれにコンビニエンスストア、ハブクリニック、リスニングイアが設置され、参加隊が毎朝毎晩の食料を受け取るフードサプライは各サブキャンプ毎に設けられました。
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写真はスタッフハブのもの。
食事に関して、各参加隊は毎朝毎夕にフードサプライで食材を受け取り、各サイトで調理するといった感じになっていました。昼食は朝食の食材受け取り時に携行食を受け取り、日中の活動に携行するという形でした。これがジャンボリーの基本的な食生活です。
フードサプライはというと、大会期間はじめの方はフードサプライへの食材配給のトラックが遅れたり、コンテナの中の環境が悪い問題など噴出していたような、、、、、(-_-;)
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各サブキャンプには充電スペースも設置。モバイルバッテリーを預けて時間が経ったら受け取りに来るシステムでした。
充電の速さ、正確さは私は預けていないのでわかりませんが…どうだったんでしょうかね?参加隊のスカウトから聞く話だと充電されていない!みたいな話は聞きませんでした。
充電からスマホ関係の話題でもう一つ。通信について。
今の時代スマートフォンはジャンボリーでも必携なものとなり、今回もジャンボリーアプリが作られたり、ジャンボリーマップがカカオマップになったりしていました。元々セマングムは広大な干拓地でキャリアによっては圏外の場所でしたが、世界から4万3000人が集うとあって韓国通信大手3社のモバイル通信の回線と、フリーWiFiが整備されました。
しかし、フリーWiFiはそこまでいいものではなかったようで、WiFiにそもそも繋がらない、繋がったとしてもネットが開けなかったなどの声が。その為かコンビニでの売り上げトップは物理SIMカードらしいです笑
携帯回線は基本どこでも問題なく使うことができたので、wifiしか手段のなかった友達にテザリングしてあげたりしていました。
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と
ロストアンドファウンド
ロストアンドファウンド、今回は各サブキャンプごとに設置され、落とし物を拾得したら近くのロストアンドファウンドに、というシステムが取られました。そして定期的に中央のロストアンドファウンドから各SCに回収に来て中央に集約される、といったシステムが取られました。
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ここで隊長会議などが開かれた
私はISTでサブキャンプ No.5, VogelenZangに配属されたので、サブキャンプ関連の写真多めです汗
基本どこのサブキャンプも置いているものは同じですが、配置だったり雰囲気はサブキャンプそれぞれでした。
サブキャンプの仕事は、サブキャンプに到着した参加隊の案内や説明、退場時の隊サイトのチェック、普段はSC内のプログラムの運営や、オフィス内の作業で、サブキャンプスタッフとして生活もISTサイトではなくサブキャンプ内で生活していました。
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隊のサイト設計によるが、ユニットサイト中心にテントが設けられて
周囲を2人用テントで囲むスタイルだった
セマングムは農業用地として海を干拓して開かれた広大な土地。そのため道路より少し低い位置にサイトは基本広がっています(これがジャンボリーの問題にもなったのですが…)。サブキャンプの間には治水対策として水路が掘られ、数か所に貯水池が設けられ雨水の排水を行っていました。
トイレはコンテナ型のものが大半で、日本のような仮設トイレではなく室内は冷房も効いているもので暑くもなく、臭いもきつくなく、といったものでした。しかし日本と違いトイレに紙を流さない文化の国なので、ジャンボリー期間のはじめはサニタリーボックスからペーパーがあふれて回収もされず悲惨なことに…(後述)
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サブキャンプにはワッペンなどのトレードゾーンやサッカーやバトミントンができる広場、キャンプファイヤー場、ライブステージ、それにプールまで!!様々な設備が整えられました。
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歌って踊って世界の人とエンジョイ。
デルタエリア
セマングムの中心に設置されたのはデルタエリア。その名の通り三角形の地形の島に、大会の中心となる設備が設置されました。
開会式などを行うアリーナ、ジャンボリー公式グッズショップ、郵便局や韓国や全羅北道のPRブース、フードエリア、派遣団本部サイト、ジャンボリーホスピタルなど主要な設備が設置されました。
参加者やこのエリアではデイビジターとして訪れた一般の人も楽しめ、常ににぎやかなエリアとなっていました。
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(結局ここでは開会式のみの開催となった)
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日本派遣団本部ではけん玉や浴衣を展開、外国の方も多く訪れていました。
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各国自慢の料理を振る舞っており、食事だけで世界一周旅行気分✨
フードエリア、ジャンボリーの楽しみの一つでこのエリアは一般の方も入場できるので常に活気がありました。
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今年2023年と2024年は韓国訪問の年とされ、韓国の観光をPRしていた
世界160近くの国からセマングムに4万人、さらにデイビジターなどで訪れる人もいて、韓国からすると世界に韓国を売り込む絶好の機会となります。そのため韓国やセマングムのある全羅北道のPRブースも設置されました。
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デルタエリアにはほかにも、スポンサーの出展するエリアもありました。
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写真左のテントをよく見ると…ジャンボリーテント販売してる!?!?
他にも大会スポンサーとなったポカリスウェットの大塚製薬のブースなども。ポカリを販売か飲めたかそんな感じの出展をしていました。(おそらく韓国のポカリ販売会社がスポンサーなので出展しているのは日本の大塚製薬ではない)
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デルタエリアに設置されたスカウトショップは常に大盛況でした。ここでしか手に入らないジャンボリーグッズ、私もつい買いすぎてしまいました笑
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ジャンボリー公式グッズショップとWOSMショップの2つが設置され、両店舗ともに大盛況だった
私と同様ここで大量散財した人が多くいることだろう…(知らんけど)
次の写真はジャンボリーグッズショップの値段表。
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③今ジャンボリーでの諸問題
今ジャンボリーでは、様々なことが起こりすぎてお腹いっぱいなジャンボリーでもありました。
大会運営の不備や不満が続出し、連日韓国国内ではトップニュース。韓国国内の政争問題にも発展し、日本国内でもテレビ、ネット共に取り上げられ、目にした方も多かったかと思います。
今回世間の目にも触れることとなった問題点として、熱中症対策、対応施設の不足やトイレシャワーの不足や衛生環境問題などなど。多くのことが起こりました。
今回のジャンボリーのまず運営問題。この辺は特にジャンボリーで生活していて大きく不満に感じるようなことはありませんでしたが、プレジャンボリーが会場整備やコロナの問題で開催できておらず、ぶっつけ本番で世界ジャンボリーを開いてしまったのも理由の一つでしょう。
そして会場の問題。
雨の排水、暑さ、気候に悩まされました。
日本でも東北地方などを中心に集中豪雨となった大会期間前の7月。韓国各地でも同様に集中豪雨が発生し、セマングムのジャンボリー会場も多くが浸水し、排水の悪さが直前になって浮き彫りとなりました。
そこから突貫工事でキャンプサイトに水路や排水池などが作られました。また、テントの水没回避のためにテントを工業用パレットの上に建てるという対応策が取られました。
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一回夕立に遭ったが、おかげでテントの水没は免れた
ジャンボリー期間中の会場の天候も今ジャンボリーの前に立ちはだかりました。
ジャンボリー大会期間前に集中豪雨が発生し排水問題が発生したということがありましたが、逆に大会期間内では雨が降ったのが1回。それも参加隊の入場の前の7月30日夕方に土砂降りの雨に見舞われたのみとなりました。
逆に雨が降らなさ過ぎて、連日の猛暑、そして砂地なので砂埃による被害も多少はあったのではないのかなと思います。夕立の来る予報や、雷が見えていることもありましたが風向きが変わって雨雲が結局来なかったこともしばしば。ここまで雨の降らないジャンボリーも珍しいですよね。
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そして大会期間は連日の晴れ。連日気温も35℃前後に迫り、熱中症の発症者が続出。熱中症の発症まではキャンプなので仕方のないことですが、病床の不足や組織委員会の発言など、そのあとの対応が批判を浴びました。
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大会前の設置されるという情報に期待しすぎたか、大会開始までに十分つるが育たなかったというまさかの展開、、、
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凍っていたりキンキンに冷えたお水は会場内至る所で配っていた。
熱中症に対しては、ニュースで韓国国内で取り上げられてから早急に改善が進み、会場外でのエアコン付き病床の確保や大会会場内でのエアコンの効いた休憩所としてバスの開放、ミネラルウォーターの配布などが行われ、目に見えるレベルで熱中症対策が取られたと感じています。
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写真の中央付近の赤い光は全て救急車の明かり。
8月2日に開催された開会式では式中に熱中症患者が続出しニュースに。大会本部が「式中のK-POPにより体力を消耗したため患者が続出」と他人事のような声明を発表したニュース記事を目にしたのが私の印象に残っています。
開会式からサブキャンプへの帰り道、道端で体調を崩して座り込む人や数多く行き交う救急車を目にしました。
このためか8月6日夜に開催予定だったK-POPコンサートがキャンセルに。
そして会場内のシャワー、トイレの問題が特に取りざたされました。
トイレは水洗式ではあるもののトイレットペーパーは流さずサニタリーボックスに入れる形のもので、大会期間初めはトイレの個室内にトイレットペーパーがあふれかえっている光景が見られました。また、場所によっては水の流れないトイレもあったようですが、私は期間中そのトイレにあたることはありませんでした。
トイレの清掃要員がトイレの設置数に対して大きく不足していたことでサニタリーボックスの回収などが回っていなかったようで、報道で取り上げられてからは清掃人員も強化され特に問題を感じることもなかったです。(なんならトイレの中は冷房が効いていて涼しい環境だった)
途中から、地元のおじいちゃんとかがセマングムのなか歩いて清掃していて本当に頭が下がる思いだったのはとても記憶に残っています。
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左に見えるテントはテントシャワー。
ただ、私が不満に思った、不便だったことは本来スカウト(参加者)と大人(指導者、スタッフ)用のトイレは区別されている必要があるが、区別が曖昧だったことです。
一応For Adultと書かれたトイレもあったけれど、、少なかった。そもそもISTのテントサイトにあるトイレがFor Participantになっていて分け方が曖昧過ぎた。これはシャワーにも同じことがありました。
どうやらこれらのトイレ・シャワーの設置に関して、WOSMの要件を満たしていなかったと日本派遣団長所感に記載がありわかりました。
シャワーは会場内に設置されたシャワーに2種類あり、コンテナ型のシャワーとテントの中に設置されたシャワーがありました。コンテナ型のシャワーの方は温水も出るもので快適だったそうです(私はずっとテント型の方使ってたから知らない)。
しかし、大会期間序盤に露呈した会場内の環境の悪さなどの影響からイギリスやアメリカ、シンガポールの派遣団が早期にセマングムから撤収。これによりISTも撤退し、彼らの分、スタッフの負担が増えた部署や人員が不足した部署もありました。
そしてそれに追い打ちをかけるかのように朝鮮半島への台風の直撃予報。これが決定打となり25WSJは大会期間途中にセマングムから全員撤退という結果となってしまいました。
ただ、このような報道が出ていても現地では私の見る限り、楽しいいつもの世界ジャンボリーを送っていたと思います。ジャンボリーの問題を取り上げるネットニュースのコメントは散々な状態でしたが所詮書き込んでいるのは現地にいない外野。様々な問題を乗り越え、セマングムではそんな声を跳ね返すかのような最高のジャンボリー生活が展開されていたと私は思います。そして、大会開催のために、ジャンボリーの成功のために尽力してきた人がいることを忘れてはいけません。勿論、大会本番コロナや発熱、熱中症になって思う存分楽しめなかったという人がいた事実はありますが、、
④台風直撃による会場からの早期撤退
ジャンボリー期間中、日本の南の海上を進んでいた台風6号カヌーンは大会期間が進むにつれ朝鮮半島に近づいてくるような進路予報になっていき、朝鮮半島直撃の可能性も日に日に高まってきていました。
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この日の昼、大会本部は会場の早期撤退を決定、発表される。
イギリスやアメリカの早期撤退で他国も追随か?というような流れの中、台風の直撃がほぼ確実となった8月7日昼、大会本部は各国派遣団にセマングムを離れ韓国各地に用意された施設に宿泊するよう指示が出されました。事実上参加者全員がセマングムから早期撤退ということになります。
7日午前の時点でほぼほぼ途中撤退だろうなという憶測があったので、7日はセマングム最後の日となり最後を楽しむ人たちでグッズショップなどをはじめとするデルタエリアは大盛況でした(笑)
そしてワッペンやTシャツ、チーフなどの交換品のスワッピングも追い込みでする人が多数見られました。
日本派遣団は8日昼、忠清北道丹陽郡の救仁寺(Guinsa)という韓国天台宗の総本山であるお寺に日本派遣団全員の避難がされると発表。そして8日午後から順次、各派遣隊は用意されたバスに乗り込み各避難先へ向かうことになりました。ISTも8日の夜までにバスに乗りこみセマングムを出発。派遣隊、ISTともに8日のうちにセマングムからの撤退が完了しました。
当初、ソウル近郊と発表されていたのですが、4万人もソウル近郊に収容できるわけもなく、国によってはソウルから遠く離れたところ、なんならセマングムより南の方の宿泊地が確保されたところもありました。しかし、台風直撃の予報、会場から全員撤収と決定されてから参加者全員の宿泊地が韓国国内に確保する迅速な対応には感謝するしかありません。
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日本派遣団は8日から11日までの3日間お世話になり、9日は地元丹陽郡の観光、10日はお寺の中でユネスコに登録されている舞踊やミュージカルなどの鑑賞といったプログラムが展開されました。
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地元丹陽郡の住民からトウモロコシやリンゴなどの支援物資の提供、日本派遣団内で当時インフルエンザやコロナが広がり気味だったこともあり、丹陽郡の医師チームのサポートもあり、地元総バックアップの体制が取られていました。1500人の日本派遣団のためにここまでしてくれたことは本当にありがたいことです。
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ちなみにISTは有志で日本派遣団のサポートにあたり、グインサ内に設けられたメディカルエリアでの受付サポートや、コロナ陽性者の部屋の出入り管理やコロナ陽性者となった人の荷物を陽性者部屋への輸送などを行いました。
私はこのメディカルサポートの夜勤シフトが始まると同時に誕生日を迎えるという、なんとも記憶に残る誕生日となりました。(本来はセマングムでサブキャンプのスタッフ仲間に祝われる予定だった!?)
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IST内の有志でシフトを組んで24時間体制で臨んだ
救仁寺で台風をやり過ごした日本派遣団は、ソウルで行われる閉会式/K-POPコンサートに参加するために11日午前、丹陽郡に別れを告げソウルへと向かいました。
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急遽閉会式の会場となったソウルのW杯スタジアム。どうやらサッカーの試合を前にしてスタジアムを借り上げてステージを設置したようで、地元サッカーサポーターからは批判の嵐だったとか…
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全員撤退でセマングムを離れてから3日ぶりの全員集結。私も閉会式とkpopコンサートの間の時間でサブキャンプの仲間に会いに行って再会を喜びました。会いに来てくれた人もいて嬉しかったな。ガチでセマングムを離れた時もう会えないと思ってたから感動した記憶。
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韓国ではKBSテレビで生中継された。
K-POP SUPER LIVEは当初8月6日にセマングムで開催予定でしたがキャンセルとなり、閉会式と同じタイミング、場所もソウルに移しての開催に変更されました。
New JeansやIVE、NCT DREAMなど人気アーティストが多数出演し、ジャンボリーの最後を締めくくりました。
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さて、閉会式参加を終えた日本派遣団は、参加隊は仁川空港へ、ISTは宿泊先となる清州大学にそれぞれ移動しました。
参加隊は仁川空港野宿となる予定でしたが、仁川空港側のご厚意で関連施設で夜を明かせたようです。他にも仁川空港での舞台裏をまとめた記事が上がっていたので参考あれ。
参加隊は12日出国の隊は仁川空港で夜を明かしたのちに日本へ帰国、13日出国の隊は仁川空港からソウル市内を観光し従来通りの行程へ戻ったようです。
さてISTはというと本来、11日閉会式で13日に会場を出発しソウル泊、14日帰国となっており、13日までの予定が完全に空白となっていました。
大会本部の宿泊地振り分けに振り回されながら、11日夜は清州大学の寮、12日はその日の宿泊地振り分けのためにいったん仁川空港へ向かい、振り分け決定後に仁川空港から宿泊地へ移動するという移動ジャンボリーとなってしまいました。
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ちゃんと日本語表記もあるあたり、いつ頃この幕が準備されたのかが気になるところ。
明知大学でも同じような幕があった。
結果的に12日は朝から約180km、清州大学から仁川空港へ移動し、夕方に仁川空港から日本のIST隊が振り分けられた明知大学へ約90kmの移動、結果的に1日で300km近く移動するという日になりました。
明知大学はソウル近郊の場所にあったので、13日は夜に所定のユースホステルに着いていれば自己責任の自由行動が許され、殆どのISTは朝から個人装備を持って明知大学からソウル市内へ繰り出し、ソウル市内の観光を楽しみました。以下私のソウル観光記。
IST自由行動inソウル
私たち一行は友人と朝8時半のバスに乗り込んでソウル市内へ。他の人たちも同じことを考えていたようでソウル行きの路線バスはクソデカ装備の日本人で満員に。運転手さん信号待ちの時にスマホのインカメで記念写真撮ってたのが懐かしい(笑)
ソウルに着いて、まずは協力して先に大きな荷物をタクシーでユースホステルにぶちこむことに。タクシー便乗していった人に本当に感謝。おかげでクソデカ重荷物を持たずに、ロッカーも使うことなくソウル観光ができた。
ソウルで最初に向かった先は景福宮。ジャンボリー参加者は入場料は無料でびっくりした。チケット売り場で片言の日本語で「あなたジャンボリー??」って。「ジャンボリーはお金かからない」って言われた。なんか韓国国内で常にトップニュースになりすぎたからかソウル市内が海外のボーイスカウトだらけでも受け入れられているような感覚でした。
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ここで私たちのグループが観光しているところが
韓国のテレビニュースに取り上げられてしっかり映し出されていた(爆)
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昼食を取った後は南大門市場や明洞を散策。夜は明洞でサムギョプサルを満喫してユースホステルに向かったのでした。
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予定通りの行程に戻りユースホステルで1泊。そして予定通り14日の昼、仁川空港から飛行機で出国、ISTは成田空港に着いた後解散となりました。
⑤おわりに
近年の世界ジャンボリーではなかなかハードな大会だったような気もしなくもない今回のセマングムでの世界ジャンボリーでしたが、私個人の感想としては、ISTめっちゃ楽しかった、そして山あり谷ありなジャンボリーを乗り越えることができた達成感がありました。楽しいセマングムでの生活だったが故に最後までセマングムで予定通りの日程を消化できず早期撤退となったやるせない気持ちは強いです。しかし、この今回の世界ジャンボリーに参加して、ISTとして日本人1人に部署で生活し仕事を共に過ごしたこの経験、スカウトなら異国の地でキャンプ生活をしながら国際交流をしたという経験は一生涯これは腐ることなく、人生の財産となることでしょう。
25WSJでの新たな出会い、新しい発見、新しい体験これらは何にも代えがたいものになり、それだけでも韓国に行った価値があると私は感じました。それと同時に、次の世代にも世界ジャンボリーへ行ってほしい、あの独特のジャンボリーの雰囲気、海外での国際交流の経験をしてほしい、そんな思いが強くあります。
世界ジャンボリーの楽しさを次の世代に引き継ぐ、これは世界ジャンボリーを楽しんだ者の宿命だと私は信じ、引き継げるように今後もボーイスカウト活動を頑張っていきたいと思います。
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読みにくい、ちぐはぐなレビューとなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。文章の長さ、構成の下手さ、まだまだですがとりあえず、世界ジャンボリーの楽しさが伝わってくださると私は嬉しいです。それではまた。日記形式の25WSJまとめもどこかしらでやりたいな。