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【私的Disc Review-014】Ace – How Long

ここ4年くらい大晦日は金沢市民芸術村のパフォーミングスクウェアという体育館くらいの広さの施設を借り「The Listening Party」と題して自分の自作サウンドシステムにマッキントッシュのアンプなど選び抜いた機材を入れて24時間レコードを聴くパーティーを行ってきた。
告知は一切せず、自分らの周りの音楽好きの友人知人に招待状を送り入場は無料。
コロナ前までは春夏秋冬で開催していて、みんな聴きたいレコードと一人一種類以上のフルーツを持ち寄って集まっていた。

2020年と今年はコロナ禍でなかなか開催できなかったが2020年は大晦日のみ開催。さあ今年はどうするか?施設の予約状況を確認するともうすでに空きはない。みんな何かしらイベントを行おうとしてるらしくビッチリと予約で埋め尽くされていた。

年中いろんなレコードを探しては見つけて購入しているのも、もちろん自分のDJ活動のためではあるが半分はこのパーティーのためでもある。どこまで音楽に迫れることができるか?12インチシングルの45回転の音が凄いとか、あのアーティストのあのアルバムは凄い音がいいとか、モータウンレーベルは総じて音が良い=録音が良いとかそういう発見もこのパーティーで体験したことだ。
レアで高価なレコードだとかそういう視点ではなく音が良い=アーティストが伝えたいことがクリアにダイレクトに、そして無意識レベルのところで何かを訴えてくる。そんな魔法を秘めたレコードをこれからも探し続けるしそこで得た知見を自分のDJに反映させていくという作業を一生続けていきたい。
そろそろ今年も終わってしまうが場所を変えて開催するか?日にちを変えて開催するか?悩みどころだ、、、。

Ace – How Long

イギリスのロックバンド「ACE」の12インチでFour Tracks From Aceという4曲入りEPの中の一曲。
この曲を知ったきっかけはFunky Townでお馴染みLipps,Inc.のカバーだった。コーラスとシンセサイザーの音の広がりが心地よく踊っていて楽しい曲だ。特にLong Versionはずっとずっとこの心地よさを感じていたくなるようないい長さでまとめられていると思う。

オリジナルのAceのHow Longは、これがまた録音がものすごく良くシンセサイザーなどの電子楽器は使われてなく、スピーカーから音が流れ出た瞬間から音の位置がはっきりしていて、スタジオ全体の雰囲気までもが録音されてるかのようで終始リラックスした感じで進行していく。曲調のせいもあるがとにかくリラックスしていてサビの部分ではコーラスも相まって胸にグッと迫りくるものがある。

Lipps, Inc.のバージョンはDISCO向けにアレンジされたものなので踊れることはもちろんだが、Aceのバージョンは踊りながらもっと音に迫れることができて、、、というかかなり肉薄することができてより感動することができる。やはりこれは録音がいいからだと思う。こんないい曲を作って奏でるバンドもすごいがそれを理解してキッチリ録音するエンジニアも凄いと思う。
「感動をありがとう!」とかそんな軽い言葉を言うつもりはないが感謝しかない。


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