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【私的Disc Review-009】The Jeff Lorber Fusion - Soft Space

落語家の春風亭一之輔の新刊本「人生のBGMはラジオがちょうどいい」を先ほど読破した。少年時代から遡って今現在まで聴いてきたラジオ番組にまつわる話をエッセイにし本にしたもので、同世代の自分としても「夜ドカ」や「Ohデカ」、「電気グルーヴのANN」など少年時代聴いていたラジオがかぶっていて間違いなく今の自分を形成している一部になっている。
「電気グルーヴのANN」についてはそれ以降、今現在まであの二人からは多大な影響を受けているからこそ、ピエール瀧がコカインで逮捕された時に執筆されたであろう一之輔のエッセイにはかなりホロっとさせられた。
あの頃、多感な10代の少年にとって電グルの存在は「面白いお兄ちゃんたち」というものを遥かに超越していて「あっ。そういう見方があるんだ。」みたいなある意味教師的な存在でもあり且つ、反面教師的な存在でもあったと思う。
だからかピエール瀧逮捕のニュースを見た時は「いやでも瀧は瀧だからなー」と思った。この言葉にはいい意味でも悪い意味でもあって「瀧ならやりかねん」というのと「時間はかかるだろうけど犯した罪をちゃんと精算して立ち直るでしょう」という彼の人柄をわかっているから思ったことだ。
そして今現在まさにその通りになっていると思う。
大根監督の映像で「また今日も俺、Twitterで焼け太りするからな!」と電話で話す卓球の瀧への友情とも愛情ともいうべきあの姿勢に感動した。

The Jeff Lorber Fusion - Soft Space

キーボディストであるJeff Lorber率いるフュージョンバンドである。
1978年にリリースされた Jeff Lorber Fusionの2枚目のアルバムでゲストミュージッシャンにチックコリアとジョーファレルが参加している。
チックコリアはこのアルバムでMini Moogを弾いており2曲参加しているがA面1曲目の「The Samba」でのプレイが気持ち良い。
もっぱらDJでかけるのはこの「The Samba」であるがガンガン踊るような曲ではなく(踊れなくもないが)どちらかというと聴き入ってしまうようなタイプの曲。この曲との出会いは90年代中頃だっただろうか?NYのShelterというクラブでかけられている曲を収録したブート盤の12インチシングルに収録されていた。
Shelterを主宰するTimmy Regisfordという黒人でマッチョでタフスタイルなDJがこの曲をかけていたのかな?と不思議に思っているとNYのShelterに行ったことがある友人が「この曲よくアフターアワーズでかけてたよ」と教えてくれた。
アフターアワーズ?この曲きっかけで「アフターアワーズ」なる存在を知った。
DJ用語辞典で見ると、、、

"アフターアワーズとは、通常クラブの営業時間が夜なのに対して、朝から始まるパーティーなどをさす。"

90年代のNYのクラブなんかは夜の24時から始まって次の日の夕方まで続くなんてことがザラにあってTimmy Regisfordが一人でDJやってたなんてこともある。そんな中で朝方とかこの曲がかかっていたのだろうか?
自分もその昔、新宿リキッドルームのラウンジでDJをやっていた頃メインフロアのDJは終わっているにも関わらず、多くのまだ元気なお客さんがいつまでも残っていて昼過ぎまでDJをやるなんて事はよくあった。
今はそんな事はあるのだろうか?もしかしたら札幌とか沖縄とかはザラだったりして、、、。


そうだ。新宿リキッドで思い出したがいつぞやのパーティーでラウンジでDJやってたらメインフロアより盛り上がってしまい、たまたまそこに遊びに来ていたピエール瀧がDJブースに乱入してきて「マイク!マイク!」っていったのも束の間マイクパフォーマンスし始めてお客さんを煽ってさらに大盛り上がりした思い出がある。「メインフロアーを喰ってラウンジだけでこんな盛り上がったのは新宿リキッド初だわ。」と後からリキッドの偉い人に言われた。

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