先輩と望遠鏡

錬金術師の見習いになったぼくは、この岩山をくりぬいた洞窟に連れてこられた。洞窟といっても広いホールのような部屋もあるし、内部は明かりで煌々と照らされ、通路を歩いていると巨大な城の中を歩いているみたいだ。この岩山の城で修行と生活をしているのだが、見習いなのでよくわからない雑用ばかりやらされている。
岩山の上のほうの部屋に望遠鏡がある。窓が掘ってあって空が見えるようになっている。決まった時刻に望遠鏡を覗くと、文字のような、記号のようなものが空に浮かんでいるのが見える。それをスケッチするのが仕事だ。作業の内容を教えてくれた先輩も、なんのためにこんなことをしてるのか知らないらしい。きっと先輩の先輩も知らないのだろう。描かれたスケッチのノートは何千冊も部屋に積みあがっている。


ろきせの今日のお題は「先輩」「望遠鏡」
https://shindanmaker.com/981568

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?