【NYY】”勝利”の雨をもたらす男【Short】
今から7年前,MLB屈指の破壊力を備えていたトロント・ブルージェイズ打線。Jose BautistaやEdwin Encarnacionといった2010年代指折りのスラッガーを抱えたチームはALCSで破れたものの,地区シリーズにおいてテキサス・レンジャーズと演じた死闘はDecadeを代表する一幕となっています。
その鮮烈なラインナップにおいて一際光を放っていたのは同年MVPを受賞したJosh Donaldsonであることは誰の目にも明らかで,当時MLBに惹かれつつあった自分にも衝撃を与えました。
時はうつろぎ,2015年のブルージェイズ打線に引けをとらない強力なラインナップを形成しているニューヨーク・ヤンキースにおいて,Josh Donaldsonの存在は日を追う毎に存在感を増しています。
ロックアウト明け直後の3月14日に生じたミネソタ・ツインズとのトレードによって今季から加入した36歳。対価として放出したのが生え抜きのGary Sanchezと,NYYにて真価を発揮したGio Urshelaといったレギュラーの2人であったことからも賛否あったことは間違いありません。
様々なことを証明する必要があったシーズン開幕戦。宿敵レッドソックス相手にサヨナラヒットを放つなど躍動。期待に胸を膨らませたのもつかの間,その後は彼らしくない雑なアプローチが目立ちました。それまでリーグ屈指であった選球眼が発揮されず,ボール球スイング率は40%付近に到達するなど危険信号が点滅。焦りもあったでしょうか。
個人的に転機と思っているのが4月16日のBAL戦。カード初戦を落としたNYYはその日も相手先発のTyler Wellsを捉えることができず,4回無得点。「また負けるのでは,,」という雰囲気が漂っていたヤンキースに恵みの雨が降り注ぐ。時間が経っての再開ということもありWellsが降板。これを契機に2-2の同点としたヤンキースは5回表の2死2塁からDonaldsonが勝ち越しの2ランホームラン。乾坤一擲,というのはいささか尚早でありましたが,そのくらいのエナジーを感じた一打でありました。
思えば彼のニックネームは「Bringer Of Rain(雨をもたらす男)」。チームに豊穣をもたらす一本は彼自身にも影響を与えました。
これだけでもアプローチの改善が見てとれます。もちろん,同時期に打線が上昇気流に乗っていったことも関連付けられますが,xwOBAなどもこの一打後から急上昇を見せています。
また,5月に入ってからも打棒は止まらず,打率.321 OPS.957を記録。4月末から16試合連続出塁と持ち味を存分に発揮しています。
まだまだ先の長いシーズン,開幕直後に好調であったLeMahieu,Rizzoのバットが湿っている中,Judge・Stantonに次ぐ得点源として更なる期待がかかりますね!
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