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【MLB】賭博スキャンダルはこれからも増えるのでは【Short】

大谷翔平の専属通訳・水原一平被告の引き起こした賭博スキャンダルですが、シーズンが進むごとに全容が明らかとなっており、ようやく下火になってきた印象。

しかし現地6月4日、パドレスに所属する内野手・Tucupita Marcanoが野球賭博を行ったことでMLBから永久追放処分を科されたことが明らかとなりました。Marcanoはパイレーツ在籍時の2022-2023年にかけて計15万ドルを387回に渡ってBET。加えて自らが所属するパイレーツの試合にも賭けていたことが発覚し、最も重い処分を受けることとなったのです。
言うまでもありませんが、自軍に賭けた=八百長が疑われる状況となることから、「推定有罪」で問答無用に追放されるということです。

そもそも現役選手が八百長疑惑によって永久追放処分を受けること自体が1924年のJimmy O'Connell(ニューヨーク・ジャイアンツ)以来の出来事。1924年当時、9月まで熾烈な優勝争いを演じていた2位ブルックリン・ドジャースが1.5G差に迫る中、ジャイアンツは下位フィリーズとの三連戦に臨みます。ジャイアンツが3連敗、ドジャースが2連勝すれば逆転優勝もあり得る状況で、ジャイアンツのコーチ・Cozy DolanがJimmy O'Connellに買収を教唆。言われるがままにO'Connellはフィリーズ遊撃手であり友人でもあったHeinie Sandに「500ドルを渡すから八百長をしてくれ」と依頼。現在価値において9000ドルほどの大金であったわけですが、Sandはこれを拒否。そしてその一部始終をフィリーズ監督のArt Fletcherに報告したことによって、ジャイアンツによる買収疑惑が露見。
当時のコミッショナーといえば、その5年前に「ブラックソックス事件」を担当し、8人の永久追放処分を断行したKenesaw Mountain Landis(ケネソー・マウンテン・ランディス)だったわけで、DolanとO'Connellも同様に永久処分が下されることとなりました。

ただ、上記事件はバックグラウンドにスポーツ賭博があったわけではなく、優勝をもくろんだ末の行動。Tucupita Marcanoの一件に近しい事例といえば、稀代のヒットキングにして野球賭博による永久追放処分を食らったPete Roseでしょうな。Roseの一件は下記noteの冒頭で軽く触れているので是非。

ともあれ現役選手でいえばちょうど100年、監督にしても35年間もの間、同様の事例が起きていなかった重大事案にもかかわらずすでに各メディアの関心事とはなっていない印象です。

今後、賭博スキャンダルを防げるのか

ちょうど水原被告の事件が明るみとなった頃、同じ北米リーグであるNBAにおいてJontay Porterという選手が永久追放処分を科されたのはご存じでしょうか。

Porterは今年3月の公式戦において、仲間らと共謀。スポーツベットにてPorterに対するアンダーベットのマルチ(例えば、5得点以下&2リバウンド以下&…といった複数条件を達成した場合のみ勝ちとなる)に8万ドルもの大金が賭けられ、その試合においてPorterは体調不良を理由に出場して数分で休養。これによって110万ドルという膨大な勝ち金が生まれたとされています。
調査が進むと、Porterは他人名義のアカウントを使って、1月以降13回に渡って賭博を行っていたことが判明。その中には自身の所属するラプターズの試合も含まれていたことから、永久追放処分となりました。
そしてNBAにおいても、賭博や八百長を起因とする永久追放処分は1954年以来70年ぶりの出来事。MLBとNBAにおいて、このような事案が立て続けに起こっているのは偶然で片付けられるのでしょうか。

私がこの事態を悪化させる一因となっているのでは?と感じる野球観戦の一幕があります。
MLB観戦をしていても、球場内にある看板は「DraftKings」や「FanDuel」、「BetMGM」といったブックメーカーの数々。地元放送局のCMで流されるのもこういった協賛によるもの。あまりにもスポーツ賭博と、選手の距離が狭まっているのではないでしょうか。
このnoteだって、下のハッシュタグから「mlb」を選択すればMLBの試合結果を予想する記事であふれかえっています。

スマートフォン普及で手軽に始められるスポーツギャンブルが増えており、あっという間に誰かのような中毒化もあり得る状況。このまま若手選手への啓蒙を怠るようであれば、Next Marcanoがすぐにでも現れると感じます。

最後に

6/12のロイヤルズ戦、俺はStantonの0ホーマーに賭けるぜ!!応ッ!!



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