不動産M&A?~仲介業の実情~
やっふぉい!
「不動産M&A」ってきいたことありますか?
僕はこの業界に入るまでなかったです。そりゃそうです。
今回は「不動産M&A」ってなに?それってええの?を考えたいと思います。
■不動産M&Aとは?
我々仲介業者は、日々不動産情報をキャッチして、その物件を求めるお客さんとのマッチングを図っています。
当然、商品は「不動産」であり、不動産の所有権を移転させることが仕事です。
しかし、時折「M&Aでしか取引しない」という案件が出てきます。
まず、当然ですが、M&Aとは、「合併と買収」の総称であり、
「会社を買う」という認識がされています。
すなわち、株式会社ではその支配権である“株式”を購入することを言います。
その割合が100%であれば、完全子会社となり、M&A完了です。
さて、「不動産M&A」とは、以下のように定義されると思います。
◆「不動産を取得することを目的とした、または、その会社の資産がその不動産に限られる場合のM&A」◆
不動産を保有するためだけの法人や、不動産以外に資産がないような会社を、取得したい場合があります。
ですので、「不動産を欲しい」と思っているわけですから、
本質的には不動産現物取引となんら変わりありません。
■不動産M&Aはなぜ起こるのか
では、なぜ不動産M&Aを希望するのか。
それはずばり、「現物で売るより税金が安く、手取り額が多いから」です。
不動産のみを資産として保有している会社が①不動産を売却し、
②会社を清算して株主に配当すると、
①の売却益に対して約3割の法人税、
②の配当に対して約5割の所得税がかかります。
(「役員退職金」として支払われると、税金は安いんですかね?勉強中です。)
しかし、M&Aによる株式譲渡だと、譲渡益に対して約2割の税金ですみます。
これにより手取り額が大幅に変わってきます。
売主は手残り金が多いというメリットがあります。
■不動産M&Aと現物取引の違い
それでは、現物取引とM&Aではなにが違うのでしょう。
まず一つ目は、「宅建業法に基づく不動産取引ではない」ということです。
不動産業者目線でいうと、仲介手数料も宅建業法に縛られないですし、
不動産取得税や登録免許税はかかりません。
二つ目は、買い手のスペックが限られるということです。
そもそもM&Aに対応できるのか、デューデリを行う能力や委託先とのパイプはあるのかなど、
当然不動産ではないところに目を向けます。
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不動産業界も様々な潮流が出てきています。
M&Aという取引形態も、これから多く出てくるでしょう。
しかし、結局のところ本質は、
「事業拡大のために不動産が必要だ」
「資産運用先として必要だ」
という想いです。形態はさまざまになれど、必要とする会社さんや人々はいなくならないので、
経験と知識を蓄積したいものですね。
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