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#逆噴射小説大賞2021
能田町交番、状況番号00
夕闇差し迫り、しとしと雨の降る晩秋のある日。
能田町交番の脇に停まったカブから白菜と葱を抱えて降りた、透明カッパ姿の中川巡査長は、三分ないうちに慌てて交番から出てきて、再びカブに跨がった。襟元の警察無線に向かって喋りかける。
「能田町よりPS。PM3出発、能田神社まで十分で到着見込み」
『PSより能田町交番PM3、00により神社の井戸にて男性発見。男性氏名は人見信也、発見時生存。宮司の軽トラで
夕闇差し迫り、しとしと雨の降る晩秋のある日。
能田町交番の脇に停まったカブから白菜と葱を抱えて降りた、透明カッパ姿の中川巡査長は、三分ないうちに慌てて交番から出てきて、再びカブに跨がった。襟元の警察無線に向かって喋りかける。
「能田町よりPS。PM3出発、能田神社まで十分で到着見込み」
『PSより能田町交番PM3、00により神社の井戸にて男性発見。男性氏名は人見信也、発見時生存。宮司の軽トラで