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Kドラマ『重版出来』20231022

重版出来

2016年TBS火曜ドラマ、漫画原作脚本乃木亜紀子の連続ドラマ。
多分この機会じゃないと絶対見ない、女性主人公のお仕事痛快ドラマ。

漫画編集部という一般から見たら夢のような職場の楽しさと苦しさ、癖が強い濃いキャラクターたち、そこに突っ込まれる快活天然体育会系女子。
面白くなる素材しかない。

いわゆるお仕事ドラマの流れから始まるが、4話から、漫画家志望の新人・中田と絹が出てきて、二人の新人の成長と苦悩の物語も絡み、進んでいく物語が増えたことで、よりドラマに厚みが出てきて面白くなった気がする。
もっと最初からこの新人の物語は出していってもおよかったんじゃないかとも思う。

特に面白かったのはやっぱり7話のムロ回。
才能が認められる機会がなく、夢を諦めざるを得なかった人の漫画を、新人の中田は泣くほど面白いというが、もう遅かった。

自分は凡人だと認めること、現実に向き合うこと、夢に諦めをつけること。とても辛い。認めたくない。どうにか変えてあげたい。物語なんだから、テレビドラマなんだから希望に向かわせてあげたい。

そんな気持ちを抑えて、ただ現実を、これらを否定も肯定もせず、ただこの抑えられない感情を映像で伝えていたように感じた。

塚原あゆ子、ムロツヨシ、恐るべし。
普通に本がいいのかもしれないけど、今回は絶対それだけじゃない、演出と役者の力技がすごかった。

K


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