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K映画『宇宙探索編集部』20231026@ヒューマントラストシネマ渋谷

宇宙探索編集部

30年前の宇宙ブームで大人気だった宇宙オカルト雑誌『宇宙探索』。
今や落ちぶれた編集部の編集長タンは、資金集めに苦戦して、『宇宙探索』は廃刊の危機にあった。そんな中、中国西部の村に宇宙人と光る球が現れたという情報を掴み、へっぽこ編集部のメンバーを引き連れて中国西部へ最後の調査に向かう。

モキュメンタリー風に手持ちカメラで進んでいくなか、ほのぼのとした雰囲気で物語はゆったりと進んでいく。

宇宙人を探すためとにかく実直にコツコツと前に向かう編集長と、振り回されながらも編集長の人柄なのかそれともただ旅が楽しいのか、ついてくる編集部のメンバーたち。とにかくこのキャラクターたちが可愛くて仕方ない。

家族、仲間、名誉、金、全てを失っても、それでも何か、見たことのない何かを求めて、ひたすらに進んでいく主人公だが、その内側には年老いて"失われていく自分"を認めたくない、探究心を失うこと自体への恐怖とその寂しさが垣間見えた。

元々は北京電影学院の卒業制作として進められていたこの作品がコロナの影響で延期され、脚本の研鑽を進めていくうちに注目され、キャストも集まり、撮影を進めることができたそうだ。

昨今の中国映画といえばお金がかかった映像の豪華な作品が多いイメージだったので、珍しいと思って見てみたら大当たりを引いた。
衝撃のラストと編集長が最後にこぼす想いを見ると感動と多幸感に包まれると思う。

ぜひ観ていただきたい。

K

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