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街を歩く

初夏は短く、夏が来る。
その間に、雨なのだろうか。

そんなある日。
私は街を歩いてみて。

暑さの感覚は違うもので、汗を流しながらの私と、少し涼しいというМさん。前回に続いて、スナップ写真を撮りながら、仙台中心地を彷徨う。

写真撮影というか、カメラのシャッターを切るというか、ブランクを埋めるための精神的リハビリ。
前まで全身を写すのが苦手で、全身を写していないことに気付かないほどだったのに、気づけば全身しかない。

そういう志向というのも、本来あったのだろう。
ただ、どう撮れば良いのかは、分からないままだ。


仙台の駅前というか、中心地は、格子状に整理されている。
東西、南北に、広い車道で大きな区画を形成し、一本路地裏に入ると、対照的な空気が漂う。

私は、路地裏の匂いの方が、どうやら落ち着くらしい。


住んだことはあるが、あまり実感のない記憶。
今住んでいない事実のほうが、現実感と非日常をクロスさせるのか。

コンセプトを持たずに写真を撮るというのは、私にとって無謀なのだと知っているのに、どうもその感覚が、狂っているようだ。

前にも書いた通り、コンセプトを表現する写真を撮る以前に、私の知識、技術では写せないことをさとり、その場で撮ることばかりしてきた。
Мさんにも話したように、今年はコンセプトを持って写真にしていきたい、その前段階として、どう撮っていくか、Мさんの魅力をどう写せばよいのか、ロケハンのような感覚で、街を歩いたのです。


何箇所か、影の具合が好きな場所を見つけた。
そういう好きが、いくつか溜まっていき、ふとした瞬間、理由が閃いたりする。

理屈と感覚の接点探しとでも。

Мさんは、どんな場面でも馴染むし、表情が少し変わるだけで、主となる。


歩き進めながら、少しだけ、方向が定まっていくのを、感じ。
だいぶ遠回りしながら、スタート地点に戻って。




model 宮田 紬
Shooting Sendai 所属

夏が好きだ。
そのことを、思い出して。





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