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ツインはささやく

だれかの話を聞いていて
話の糸がほぐれていき
幾本かの筋が見えてきた時

きまって僕のツインがささやく
「お前の言葉は素晴らしく正論で、そして陳腐だ」と

僕はカパッと脱力する
今自分は何かを踏み抜いたのだと知る

悲惨な辛い話を聞いていて
ただ耳を傾けるしかないとき

きまって僕のツインは笑う
大声で笑う イキイキと笑う 狂ったかのように笑う

まるで「お前は今、目の前の人間の人生に関わっている」
と伝えてくるように

まるで「それが私の願いだ」
と伝えてくるように

運命の渦の中で

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