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DY CUBE 1周年記念! 【タイキのホンキ!-2-】水谷怜さんライブレポート

水谷怜さんの音楽の魅力を少しでも多くの方にお伝えしたく、ライブレポートを書きました。つたない文章と音楽素人で間違った表現等もあるかと思いますが、少しでも読んでいただけますと嬉しいです。
今回は配信で視聴しました。
今回ほど会場に行けない事を悔しく思ったライブはありませんでした。

概要

Date: 2022年6月28日
At: DY CUBE

Act1:miina
Act2:水谷怜(Vox,Gt)
   清水”Alan”哲詩(Pf)
Act3:林愛果

視聴方法:配信

M1.アイビー

配信映像が映り、薄明かりの照明の中、黒の花柄ワンピースにポニーテールの水谷怜さんが姿を表す。落ち着いた表情、ここしばらくのライブでは着てなかったワンピースに何処かいつものライブと違う雰囲気を感じる。

「こんばんは。水谷怜と申します。今日は宜しくお願いします。お聴きください、アイビー。」

私見の域を越えないのだけれど、『アイビー』は水谷さんにとって特別な一曲であるような気がしている。私の中では「大切な何かを失ったが、その悲しみを受け入れられた、そして、それを大切に生きる」と解釈している。
『アイビー』は過去に幾度かライブで演奏されているが、曲調や世界観からなのか、オープニング曲に入れられる事はなかった。
その曲を今回ライブ一曲目とした事の意味…

演奏は、アルペジオGtでイントロが始まる。ABメロは「過去を受け入れた今」を表現して、穏やかなボーカルとサウンド、サビでは「過去を思い出して」感情的なボーカルとサウンドへと変化する。この時間軸と感情の交差がストーリー性を感じさせ、聴き手の心を引き込む。
日を追う毎に渋みを増す水谷怜さんの低音ボーカル。Aメロ終わりの低音部にいつもに増して深みを与え、楽曲の哀愁感を更に増す。
Pfの美しさがとても印象的な楽曲だけれど、「過去」を表現する上でGtがとても効いている。この二つの楽器で、主人公の心情を美しく、哀愁感たっぷりに演出している。

今回のGtは弦の金属音がいつもより強めに感じられた。私はAlanさんのYAMAHA Gtの影響からか、この金属音がとても好きで、水谷怜さんのGtからこの音を感じたのは今回初めてだったので不思議な感覚だった。

M2.room

「フィッ」と一呼吸入れて『room』。

『room』は水谷怜さん楽曲のFunky number の一つ。2020年のYoutube配信ライブVol.3以降5回目の選曲で、2ピースでのライブ演奏は今回が初となった。なので、「え?2ピースで『room』ってどうなるのか?!」と、内心ワクワクしていると…

イントロを
「音数少ないGt→Gtミュート→GtにPf加わる」の、渋めのアレンジからスタート。上手く言い表せないのだけど、この雰囲気めちゃくちゃ好き!加えて、Gt弦の金属音も気持ち良く、Pfは70s電子ピアノを彷彿させる音色で、既に私の気持ちはFunky groove。
Aメロに入った瞬間からボーカルはビブラート、フェイクなどfullスロットル。合わせて、Gt、Pfもシャッフル 16ビートで音が跳ねる。

水谷怜さんのビブラートとフェイクをこれだけ贅沢に堪能できる楽曲は他にないなあと聴き入っていると…
あれ?何かいつもと違う感じ…
今回の『room』は、なんだか控えめ…
水谷怜さんボーカルはgroove感を出しているが、表情はいつもの『room』のヤサグレた感じではなく、淡々とした感じで(アップを映すカメラが横顔カットだったからか?)、身体の動きも控えめ。Pfは電子ピアノの音色で丸く、ノスタルジックな雰囲気…
お?今回の『room』なんだか大人っぽい?シックな印象?
と思いながら観続けていると…
お?!このシックな感じ、ほんのり照らす照明にめちゃくちゃ合う!画面に映るDY CUBEさんの箱の雰囲気にもめちゃくちゃハマる!
なるほど!この雰囲気に合わせたアレンジだったのか!?

後で気づいた事だが、今回の対バン演者さんが大人っぽい落ち着いた雰囲気の方々で、対バン相手の雰囲気も踏まえたアレンジだったのかもしれないと考えたら、アレンジの思慮深さに感激だった。

『room』は👇の1st full album 『そして私は』に収録されています👇

M3.あとがき(曲名)

MC「タイキさんとは3・4年お世話になってます。1周年お祝いできるように精一杯歌います。『あとがき』」

おおおお、ここで『あとがき』か?!
私のイメージでは、『あとがき』は水谷怜さんの分身の様な曲。

イントロはGtソロで、これぞ『あとがき』のGtリフ。弦の金属音が楽曲の持つ激情感にとても映える。
最近はセトリ終盤に入れられる事が多かったため、このイントロを聴くと、ライブが終わってしまう感で、「あれ?まだ、時間あるよね?」
と、動揺していると、Pfの音が入り始める。今回は電子音とかではなく、グランドピアノの様な音質。
「おおおおお、キターーー!ヤバい!」
純粋なピアノの音が好きな私にとって、物凄く嬉しいピアノ主体アレンジ。
水谷怜さんボーカルはABメロをゆったりと歌い、サビ前「暇つぶしだったっけー」やサビの「見るに耐えぬ唯一の尊さ」等の要所では感情的に歌い緩急を与える。この起伏が主人公の感情の起伏を感じさせ、更に激情を表現している。
ピアノは、Aメロでは少し控えめに、いつもの『あとがき』ピアノパートを奏で、Bメロでは少し音に幅を持たせつつ水谷怜さんボーカルを彩る。そしてサビ、鍵盤を打つ力が増し、低音は力強く荘厳に重低音を響かせ、高音は美しく優雅に弾ける。
曲全体として、凄くダイナミックな世界観を繰り広げつつ、どこか可憐な雰囲気を醸すアレンジで、数々の『あとがき』アレンジの中でTOPクラスに好きな『あとがき』となった。

細かいのだけど、2Aメロ終わりの「彼女に想いを馳せ目を閉じる」の「閉じる」で歯切れ良く鳴るピアノの「ダダン!」に、それまで休んでたGtが急に「ジャジャ!」っと合わせて入って来る所がめちゃくちゃ気持ち良かった!

『あとがき』はYoutube とサブスクでご視聴頂けます👇

M4.love

MC「1年前からflagship FUNABASHIさんの照明を手伝っていて、DYCUBEさんのこの照明と同じ物があるので、使い方教えて下さいww」

『love』は、
「日々の忙しさに囚われて、愛を伝えてくれた相手に応える事ができなかった主人公が、時と共に気持ちを切り替えて愛を伝えに行く」
と解釈している歌詞。

今回の『love』とても気持ちいい!GtとPf(ピアノ音)が凄く爽やかで CD版より少しテンポ早めな疾走感がまたいい。春の晴れた日の朝、自転車で坂道を両足広げて降って行く感じ。

水谷怜さんの表情には笑顔が浮かび、爽快感漂うボーカルと朗らかなフェイクに私の気持ちも晴れる。 
GtとPfが奏でるメロディは、先の『あとがき』とは違って、それぞれのメロディがお互い掛け合いながら、絡み合ってひとつのメロディを構築している。2コーラス目に入るとそれらは離れてそれぞれに音を出す。そして、また絡む。この変化がとてもスムーズでスピード感もあるからめちゃくちゃ気持ちいい。

細かい所では、2Aメロ入りのGtのミュート「ズクザカズクザカ」が好き。
あと、2Aメロ終わりの「想いに逆らって〜」の直後ネックの上の方を押さえてた指が一音だけ下の方にスライドしてまた上に戻すのが音速過ぎて凄かった!

『love』は各種サブスクでお聴き頂けます👇

M5.day

徐にGtを下ろして、
MC「曲の説明が下手なので、しません。『day』」
「なああああにいいいい!!!『day』だと!?」と衝撃が走った!
遂にライブで『day』を聴ける時が来た!前に2度ライブ演奏されてたのだけど、配信の無いFESだったため、私は見る事ができていなかった!
「やったああああ、『day』聴けるううう!」

この曲は「愛を知って私は変わった。あなたの声が私を縁取った。」という歌詞からも伝わるとおり、一言でいうなら「大恋愛」。静かなスローバラードだけど、とても情熱的なサビに心を打たれる楽曲。
今回はボーカルとPfのみで、ピアノ音のPfがめちゃくちゃ美しく、荘厳さもあって、水谷怜さんを大人っぽく彩る。そしてそして、水谷怜さんのボーカルが本当に美しかった。

イントロは水谷怜さんボーカルからスタート。過去を思い出す様に少し弱々しく、これに合わせた上半身のみのスポット照明が水谷怜さんを切なく浮かび上がらせる。
サビに近づくにつれボーカルは強くなる。
続いて、サビ。情熱的でゆったりとしたハイトーンボイスとビブラートがため息が出るほど美しい。そして、このヒラ歌部とサビの感情の差が、主人公の心情を痛切に表現していた。

私はこの曲を聴くと「主人公が夕暮れ時に黄昏ながら涙を流す」情景が思い浮かぶ。この曲の間、照明は概ね無色〜赤で、私のイメージにぴったり。
そして、Cメロ?〜ラスサビの怒涛のハイトーンラッシュ。この日一番の高音に息を呑んだ。

1サビ後、水谷怜さんが前髪をかき上げた。ご本人は無意識だったと想像するが、それがまた、曲の雰囲気を大人っぽく演出していた。

『day』は1st full album 『そして私は』に収録されています👇

M6.夏

MC「もう一曲やってもいいですか?古い曲を。歌詞覚えてるかな?譜面ないけどできるかな?夏だから『夏』を歌いたい」
「えええええええええ?!?!?!『夏』っっっぅ!!!」
この曲こそ幻の曲の一つ!!
私の知るここ2年間の公式ライブでは一度も演奏された事がない曲!!!しかも譜面無し即興?!?!

『夏』は水谷怜さんが旅行先で日焼けしたことにインスパイアされて作られた曲で「夏に終わった恋」が歌われている。

この『夏』も水谷怜さんはボーカルに集中。
イントロがなくサビから始まる楽曲で、ため息にも似た弱々しいボーカルで徐に歌い始める。
Aメロは項垂れる様に俯き歌う水谷怜さん。Bメロでは楽しかった頃を思い出し気持ちが昂る。そしてサビで悲痛な後悔へと変わる。2サビ後のボーカルフェイクは今回即興アレンジでカッコいい。Cメロ〜ラスサビでは美しくもキレがある淡麗高音を経て、最後、悲痛な「消えないッゥ」。この「消えない」でボーカルを急に止める所がこの曲最大の魅力で、これをリアタイで見たことが嬉しく鳥肌が立った!

終始、照明は青を基調としたもので、ボーカルの合間を飾るピアノがとても美しく、まるで、水槽の中にいる様な感覚を覚えた。そして、それに、水谷怜さんのゆったりと漂う様なボーカルが相まって、とても穏やかな気持ちにさせられた。

『夏』はこちらでご視聴頂けます👇

M7.24×18

徐にGtを肩に掛けた後、MC「最後の曲です。手拍子して頂けたらうれしいな『24×18』。ワン・ツー・ワンツースリーフォー!」

「キターーーーー!!!」
「ファンへの感謝を込め、ファンと一緒に盛り上がりたいと思って書いた曲」との、ご本人の言葉の通り、歌詞にはそれらの言葉が込められ、メロディはノリノリダンサブルで気分を盛り上げてくれる一曲。

GtとPfツーピース編成の『24×18』は初めて聴く。
イントロはGtのミュートでスタート。からの、GtとPfで合わせて「ダーン、ダーン、ダーン、ダーン」で一気に加速して、Aメロに入る。この一気にトップスピードに入る加速感が気持ちいい。
そこからGtはシャッフル16ビートを刻み会場の空気を弾ませる。これに合わせて、ボーカルも弾ませ、とても気持ちよさそうに歌う水谷怜さん。
1サビに入った瞬間照明は明るい青に切り替わりミラーボールが回り出す。水谷怜さんがそれに気づき、チラッと上を見て笑顔になる。
終始音域をなだらかに上下し、メロディを奏でるGtに対してPfは縦横無尽に華やかにGtを飾る。
2Aメロでは、これまで軽快にビートを刻んだGtは隠れ、Pfが前に出て、曲の表情に変化を与える。同時に水谷怜さんの目線は客席に向き、観客の顔を見ている様にも感じる。
そして、2Bメロになる頃には、Gtが再びビートに戻り、2サビの終わり、間奏に入るまでの小節で、これまで独立していたPfが「ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダダダダダダダダダダン」とGtに音を合わせ二人で助走、からドンッと弾む様に間奏に入る が、めちゃくちゃ気持ちが盛り上がった!
この弾む瞬間、全身でリズムを取りながらGtを弾き終えた水谷怜さんから一瞬溢れた笑顔がとても楽しそうで印象的だった。

今回の『24×18』はPfがピアノ音という事で美しさが強調されている様に感じる。一方で、楽曲の終わりが近づくに連れ、水谷怜さんのライブが終わる事を再認識した時、その美しさがそこはかとない儚さを放ち、明るくも切ないED曲へと変わった。

『24×18』はYoutubeと各種サブスクでご視聴頂けます👇

あとがき(曲名ではありません)

このライブの数日後、水谷怜さんは3年間活動してきたぷらそにかの卒業を発表した。
突然の発表であったため、驚きを隠せない声が見られたが、私自身はあまり驚かなかった。
それは、私が「水谷怜さんが望む事を私も望む」からなのだと思う。水谷怜さんが卒業を決めたのなら私もそれを望むし、水谷怜さんが発表の仕方を決めたのなら私もそのやり方を望む。そして、「水谷怜さんの音楽だけでなく人柄が好きだから。この様に突拍子も無い行動をとるのも水谷怜さんらしさでそこも好きだから。」なのだと思う。
ただ一つ、今回の件で心が動いた(安心した)のは「ゆっくり音楽を続ける」と言っていただけた事。それまでの流れも踏まえ、本当に嬉しかった。


こうした事(卒業直前だったという事)もあり、今回のライブで選ばれたセトリにはファンに対するメッセージ又は自身の想いが込められている様にも感じた。
『アイビー』を一曲目に持ってくる事の意味。
『room』
『あとがき』
『love』
『day』
『24×18』(『夏』は含まず)
それぞれの楽曲に込められた想いと曲順に、ここ最近の心の動きとこれからの想いが込められている様に感じた。

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