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秘湯のススメ

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とっておきの秘湯をご紹介。
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2020年4月の記事一覧

再訪したいとっておき秘湯セレクション

(秘湯各記事は #自転車で秘湯) (最新の『再訪したいとっておき秘湯セレクション』はこちら) 世界中が新型コロナで大変なことになってしまいました!noteを見ているみなさんは世のため人のため自分のために不要不急の外出をやめて家に籠っておられるのではないかと推察いたします。 こんなときこそ、事態が収束したあとの楽しいことを考えませんか。私がこれまでブロンプトンで訪れた秘湯の中で、再訪の機会を待ち望んでいるとっておきの秘湯を本日から緊急事態宣言が解除されるまで毎日ご紹介してい

再訪したいとっておき秘湯セレクション3~ブロンプトンで神秘の湯ベスト10

長い歳月を積み重ねてきた秘湯には神秘の力を感じる。人々は崇敬の念をもってその湯に集い続けたに違いない。ブロンプトンにのって自分の力で、日本各地のいにしえの湯を訪れてみよう。湯の薬効にとどまらない伝統の湯が持つパワーをあなたも感じることができるはずだ。 1.姥子温泉『秀明館』(神奈川県足柄下郡箱根町)【道】箱根登山鉄道(2020年7月下旬に再開予定)で強羅駅、そのあとケーブルカーにのってさらに高度を200メートルほど稼いでから早雲山駅で下車すると、残りはブロンプトンで4.4キ

再訪したいとっておき秘湯セレクション2~グレートトラバース3の秘湯

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破、見てますか!2018年1月から始まった田中陽希さんの冒険旅もすでに3年目に入りました。 田中陽希さんは、この3月末に船形連峰から下山されて、JR新庄駅でのFacebook投稿が最後となっています。 公式ページによれば、『今後予想される新型コロナウイルスの影響の中、活動を応援してくださっています皆様の不安とご心配を考慮し、各SNSでの配信を一時的に中止させていただきます。』とのことなので寂しい限りですが、慌てず急がずこれからも

白骨温泉

ブロンプトンで白骨温泉へ行ってきた。 600年以上の歴史を持ち、鎌倉時代には既に湧出していたと伝えられる。温泉宿としては元禄年間に信濃出身の齋藤孫左衛門により開かれ、現在も斎藤姓を名乗る一族の経営する宿が多い。白骨温泉はかつて「白船」とも呼ばれていたが、中里介山の小説『大菩薩峠』の中で「白骨」と呼ばれてから、現在の呼称が定着した。白骨の湯は一般に「乳白色の湯」として認知されているようだが、実は湧出時には無色透明であり、時間の経過によって白濁するらしく、タイミングや源泉によっ

扉温泉

扉温泉(とびらおんせん)の「桧の湯」に行ってきた。 扉温泉は長野県松本市東部の薄川渓谷をさかのぼった標高1,100 mの山奥にある。明治初年に地元の農民が発見したと伝えられている。温泉に一家言ある地元・松本の方々の間では良湯と評判で、「東の扉、西の白骨」と安曇村の白骨温泉と並び称されているらしい。 そんな良い温泉があるのなら行かねばならないだろう。 松本駅からは東へ約15キロ、駅前からの標高差は500メートル程度だ。いつも同様、秘湯というのは山深いところにある。 さあ

甲子温泉(かしおんせん)『大黒屋』

夏の終わりに甲子温泉(かしおんせん)『大黒屋』へ行ってきた。素晴らしい湯と秘境温泉らしい山奥のロケーションのみならず、伝統ある湯宿の矜持を感じさせる品格ある応対に感じいった。 奥甲子にある大黒屋の湯は、白河藩主松平定信公が好んだという由緒正しい湯である。 至徳元年(1384年)、州安和尚が白河の山奥で日夜修行に励んでいたところ、ある老翁が現れ「この山峡に霊泉あり。病患ある者にこれを教え、救われよ」と告げて消え去った。老翁が示した地へ行ってみると確かに湯が滾々と湧き出ていた

毒沢温泉 神乃湯

冬、毒沢温泉神乃湯(どくさわおんせんかみのゆ)へ行ってきた。独特の泉質で温泉通に人気だ。信州下諏訪の山あいに位置しており、信玄の隠し湯としても有名だ。 毒沢温泉神乃湯 永禄年間、武田信玄の金鉱開発の際、けが人の治療に利用したのが毒沢温泉のはじまりと言われている。『神乃湯』は昭和9年に医者に見放された病を患う子を持った初代館主がお告げを受けてこの源泉を沸かして入浴させたところ病が完治、その噂を聞きつけて多くの人が訪れるようになったことで宿を開いた。屋号は『神乃湯』、奥には源泉

奥塩原・元湯ゑびすや「梶原の湯」

塩原温泉郷の最奥に位置する元湯にいってきた。めざすは「ゑびすや」の梶原の湯と弘法の湯である。前者は塩原最古の湯、後者は濃い硫黄泉だが間欠泉であるところが面白い。 元湯温泉は名前の通り、塩原温泉発祥の地だ。平安初期に徳一大師が発見したと伝わる。 江戸初期には「元湯千軒」と言われる賑わいを呈していたそうだ。しかし、1659年(万治2年)の大地震による山津波で当時あった七湯のうち六湯が埋め尽くされた。現在の元湯には三軒の湯宿があるが、いずれも明治以降に漸く復興したという。 [走

湯ノ花温泉 石湯

南会津の舘岩(たていわ)にある湯ノ花温泉へ日帰りで行ってきた。湯ノ岐川に湧く湯ノ花温泉は鎌倉時代から地元の人々に守られてきた湯どころだ。4か所ある共同浴場にはいずれも昔ながらの素朴な湯治場の風情が残されている。 湯ノ花温泉のある湯ノ花集落は南会津の山中標高650メートルに位置する小さな村だ。冬は豪雪地帯となる。 ~~~~~ 野岩鉄道(やがんてつどう)の会津高原尾瀬口駅は雪に覆われていた。駅から舘岩までバス輪行する。 [走行データ] ルート 舘岩観光案内所バス停→湯ノ花

日光山温泉寺

日光山温泉寺へ行ってきた。寺に温泉があるなんて、それだけで秘湯でしょう。行かなくては。 浅草駅6:20発の快速で日光へ。 駅の標高は543メートル、温泉寺のある日光湯元温泉の標高は1472メートル・・・。バスにしよう。着いた! 温泉寺に隣接する湯ノ平湿原、ここが湯元温泉の源泉地だ。そして向こうに見えているのが温泉寺だ。確かに源泉に近い。期待できる。 各源泉は屋根によって雨露から守られている。ちなみに、これらの源泉群は日光湯元の各旅館への給湯にとどまらず、遠く離れた光徳

奥信濃 五色温泉五色の湯

秋。奥信濃・高山村にある五色の湯旅館の「五色の湯」(ごしきのゆ)へ日帰りで行ってきた。名湯である。また、松川渓谷の紅葉は盛りを過ぎていたが見事であった。 [走行データ] 距離 24 km 最大標高差 812 m 平均斜度 全体-1.5% 上り6.1% 下り5.4% 獲得標高 上り454 m 下り805 m 奥信濃高山村の山奥にある「五色の湯」には、公共交通機関では到達できない。従って、ブロンプトンに登場を願うことにする。 北陸新幹線で長野駅へ向かう。 長野電鉄に乗り換

小谷温泉 大湯元山田旅館

2014年は雪の多い年であった。 雪のシーズンがそろそろ終盤を迎えるころ、「小谷村」(おたりむら)へブロンプトンで日帰りで行ってきた。このあたりは特別豪雪地帯に指定されている日本で有数の豪雪地帯で、冬期の積雪はなんと4メートルを超える。『雪国の真打ち』と言っても良いだろう。 目的地は小谷温泉。信州と越後の国境(くにざかい)、標高850メートルの山中にある。弘治元年(1555年)、川中島の合戦の折りに、武田信玄の家臣、岡田甚一郎が薬師如来の夢のお告げで発見したと伝えられてい

日光澤温泉

奥鬼怒温泉郷にある日光澤温泉・八丁湯・加仁湯はまさに奥鬼怒エリアの秘湯三兄弟である。一般車通行止めの奥鬼怒スーパー林道の先にある。最奥に位置する日光澤温泉は、その佇まいといい宿の周囲の自然の荒々しさといい、まさに秘湯の宿だ。 [走行データ] 距離 15.6 km(往復) 最大標高差 296 m 鬼怒川温泉駅から車で約1時間。女夫渕(めおとぶち)に着いた。ここからは一般の自動車は通行止めなので、自転車で。ゲートを越えて橋を渡るといきなりダートの急坂だ。つづら折りの林道を高さ

みくりが池温泉 日本最高所の温泉

みくりが池温泉は日本最高所にある温泉だ。標高2,410mにある。湯の質も素晴らしいと評判である。開業は1957年。登山者向けの山小屋であったが、開業当初から崖下にある『地獄谷』と呼ばれる源泉地から引き湯している。その湯は源泉掛け流し、加水なし、加温なしの白いにごり湯だ。 1964年の立山高原バスの室堂までの開通や1971年の立山黒部アルペンルート(トロリーバス/ロープウェイ/ケーブルカー/電気バス)の開通によって、登山者だけでなく観光客も多く訪れるようになった。4月中旬から