見出し画像

【R6年診療報酬改定】ベースアップ評価料についての認識の誤りその1

R6年診療報酬改定ベースアップ評価料についてのご相談をうけているなかで、いくつかの先入観による認識の誤りがあることに気づきます。その代表的なものは、「国の目標であるベースアップ分はベースアップ評価料でまかなえるんだろ?」というものです。
国の掲げる目標はR5年に対してR6年+2.5%、R7年+4.5%です。従って、2年間で7%ベースアップするところ、ベースアップ評価料による原資は2年間で4.6%であり、その差分は病院の持ち出しになります。看護職処遇改善料は原資で想定の処遇改善が可能でしたが、それとは違います。病院の目標をベースアップ評価料による原資以内で設定すれば、持ち出しはありませんが、採用における競争力や離職防止への影響は考慮する必要があります。要件詳細が出るより前から、「R5年に対してR6年+2,5%、R7年+4.5%のベースアップ」は広く宣伝され、職員も期待していますので、下回る目標値の設定は現実的には難しいのではないでしょうか。また、ベースアップ評価料の対象職種には、医師事務作業補助者・診療情報管理士・主に事務作業を行う看護補助者以外の事務職は含まれませんが、実際にベアから外すわけにはいかず、持ち出しになるケースが多いと考えます。入院料等の点数アップが原資になるとしていますが、算定要件が厳格化され、収益増は厳しい状況です。国のプラス改定の発表には違和感を持ち、医業収益に不安を持つ医療機関は多いと思いますが、人件費の投資戦略の策定が喫緊の課題となります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?