第13章 見かけたあの子、竹下さん

私たちはもう一度一階にいき普通教室棟の

高校三年生E組側にある

男子トイレ…から天井裏に潜り進んでいく。

男子トイレが近かったから…

私は倒れる前に声がしたことが気になり

こっそりと他の教室を覗く

ん?あれ?誰もいない?

声がした子…大丈夫かな?

私と龍鬼はトイレへと向かった。

今度は…

 私は堂々とドアを開け龍鬼と

トイレに入っていった。

でも…

私は…男子トイレが見えないように。

顔を下に向けてトイレを通る。

何意識してんだか?

すると龍鬼は上にある天井裏の蓋を見つけるたのか

個室…に入り…私も入っていく。

私、その次に龍鬼…と天井裏に入っていき通路を進んでいく。

天井裏って…本当に狭い。

早く元の世界に帰って…暖かいお家に帰りたい。

もう少しでもう一度外につながる渡り廊下に出る!

小学1年生A組側近くの男子トイレの天井裏、床下の蓋

が見えてきた。

私は天井裏の蓋を開けようと手を伸ばし、開ける。

あれっ軽い?勝手に開けてくれるのと思ったら手が出てきた!

もう見つかった…と思い目を瞑る。

「まぁもう私たちの世界…」

とボソッと呟く声がした。

どっどうしよう!おわった。

ん?私たちの世界?

と私がそう思っている間にも天井裏の蓋はどんどんと開いていく。

だけど次の瞬間出てきた思わぬ人物に驚いて思わず声が出た。

「えっ竹下さん?」

「えっ海緒?」

と本人も驚いていたのだ。

竹下さんは髪をお団子結びにし黒い制服を着ている。

私はあたりを見回し早く入ってと促し入ってもらう。

竹下さんは入ってカバンを置くと私にワッと抱きついてこう言ってきた。

「海緒〜ごめんね〜あの時沙由里にいじめられている時助けられなくて〜」

え、あの時ってここ仮想空間に来る前?

元の世界で…

「沙由里…のいじめひどかったね?」

と竹下さんは言う。

そう言い私の身体を強く抱きしめる…

「くっ苦しい。っていうかまたボディタッチして来るのはなんで〜」

と私は聞いた。

しかし…急に…

「…」

と竹下さんはいきなり黙りこんでしまった。

「ん?竹下さん?」

と私はそう言い呼びかける。

「…」

しばらくして竹下さんは顔を上げた。

私はその竹下さんの顔を見て驚いた。

うっ俯いてる?

どっどうしたの?竹下さん?そういえば…

あれ?さっき、天井裏に入る前に私たちの世界がどうとか何か言っていたような…

というか…くっ苦しんだけど…あれ竹下さんってこんな子だったけ?

元の世界ではもうちょっと…大人しめだった気が…

しばらくすると竹下さんは私の体を離しきょろきょろ見回す。

へっ?何かついてる?

するとまた抱きついて背中を触られる。

チョンチョンチョン!

「ん?ちょっちょっと!何?何?何?

それ…元の世界でも…私を… いじめてた沙由里がいない時…に

私の背中をトントンって叩いて1人でいる私に呼びかけてくれていたよね?

どうしたの?私ちゃんと竹下さんの方を向いているよ?」

と私は言い竹下さんの背中を撫でる。

その時、私の背中でピリッ何か機械音が聞こえてきた。

そして私の背中から何かを取られる。

そしてまた竹下さんは私の身体から手を離す。

「あっ壊れちゃったんだ。」

と竹下さんは言う。

えっ壊れたって何が?

竹下さんは笑顔で

「盗聴機」

と言った。

「えっとっとっ盗聴機!?」

と私は驚いてそう言った

「うん!あいつ(沙由里)にもついてるよ!」

となんの躊躇いもなく話す竹下さん

「あっさすがにお風呂とか…トイレとかプライベートの時は

さすがにこれ電源切ってるよ?」

と盗聴機を見て話す竹下さん。

「これ

…海緒に見てもらいたくて…あいつの秘密」

と竹下さんはそう言った。

「…えっと、… あっあいつの秘密?

いじめっ子の弱みをいじめられっ子がみた時の反応?みたいの?」

と竹下さんはそう言う。

私は「?」としていると…

すると龍鬼が

「はぁ?ん?どういう意味?あっもしかして、その…

いじめっ子沙由里の証拠や弱み?だったり?」

と答えた。

確かに…ところで

どうして私にもついてんだろう?  

秘密ってなんだろう。

というか…学校のクラスメイトに盗聴機とか使える子がいたなんて…驚きだよ。

竹下さんは龍鬼の方を見てこう言った。

「まっまぁね?最初は…そうだったけど…」

「そうだったけど?」

と私が聞くと

「まぁそれは…もうちょっと…後から…ね…」

と私の方へ見てボソッと呟いた。

えっ?後から?何が…

「海緒…あっえっと…」

と竹下さんはしどろもどろにそう言う。

そういえば…私は首を横にして自分の目で肩しか見えないけれど

自分の背中を見る。

あれ?そういえば…

「竹下さん?沙由里と私に…元の世界でもつけていたんでしょ?

この世界に来てからもその…盗聴機…ずっとつけてたの?

私たちって…その…こっちの世界で私たちってあんまり会ってないよね?」

と私が言うと

「ああ…実は…こっちの世界に来ても…また作れたんだよね?

それで…その…実は…ああこれは…盗聴機から知ったけれど、

麗華と薫…あいつらのせいで…海緒…移動用ロボットに乗れなくなっていたでしょ?…

歩きでいつも…体育館の倉庫に戻ていて…

その時に…つけたんだ…

このアプリをつくっている最中には、頑張ってここでテストとか授業…

とか成績最下位にならないように馴染んでいるふりをしていたんだけどね?

先生たちに気づかれないように夜中とか空いた時間につくっていたんだ〜」

と竹下さんが言う。

そうだったんだ!あれ?でもさ?

「盗聴機…作るには…色々と材料いるよね?

どうやって作ったの?」

「実は…もう言っちゃっていいかなぁ?

龍鬼のお姉さんと実は…私…知り合いで…その時、色々…材料をもらっていてね?

何度か…そのいききしてた。

というか…月加の世界すごいね?盗聴機半永久型があるなんて!?」

と竹下さんはそう言った。

えっ?半永久型?

すると

龍鬼はまぁ…驚いたのか?いきなり声をあげた。

「姉貴と知り合いだって?いったい何で!」

すると竹下さんはいきなり

ガサゴソとカバンを取り出したかと思うと私も一週間前に使っていた勉強用のタブレットが出てきた。

えっと何で?タブレットが?

なゆはそのタブレットを操作しあるものを私たちに見せた。

脱却!!というアプリだった。

そのアプリをなゆは開くと仮想空間が広がっていた。

画面の中だけの世界に1人アバターがいた。りかちゃん人形みたいなアバターだ。

「このアバタ〜うちだよ〜

実はうち、

一週間前から…月加と会って、その…月加さんすごいハッカーだからね?

この世界…この学校の電波をハッキングして色々操作してもらって

一緒にこの仮想空間アプリ脱却をつくっていたんだ。」

と竹下さんはそう言った。

つっ作った!すっすご!

一週間前からパソコンの中の仮想空間作っている

なんて…すごいね?

「だけど…途中で連絡できなくなっちゃって…

多分…」

と竹下さんはそう言い龍鬼の方を見つめる。

「龍鬼くん…だよね?月加から聞いたよ?

行方不明になってから半月経っていて…

で、元の記憶を取り戻したのって

一週間前だっけ?出会ったけど…通信できなくなったのって?

その時にねぇうちも…通信できなくなっちゃって…」

と竹下さんはそう言った。

しかし、笑顔でこう言った

「でもね?大丈夫!

また通信…繋がることができるよ!

これがあれば安心だよ!

今はちょっと月加は今別のことをしないといけないけど…

今見ているこのアプリでね?通信がくるかも!」

そして竹下さんはタブレットの画面を操作する。。

下の画面に「チャット」という文字が浮かんできた。

竹下さんはその画面をタップし

私たちに見せる。

すると…そこには…

何件ものお悩み相談があった

そこには

【悩み

朝起きて教室に入ると周りの目線が気になり体が固まってしまいます。

行かなかったらロボットに処分され殺されてしまいます。

どうすればいいのでしょう。】

【答えあーめっちゃわかります。きついですよね〜】

【答え怖いよね〜わかるよー】

【答え何年何組ですか?一緒に入ってみませんか?】

【悩み

どうしようクラスの勉強についていけないです。誰か教えてください。】

【答え大丈夫?どこの問題だい兄さんが教えてやるぞい

ってこんなこと言い方したら絶対クラスにバカにされるがな?

内緒だぞ。】

などいろいろ書かれていた。

えっ    ん?  ?お悩み?何で?

「これでね?連絡を取っていたの。

ここに書いてあるのはね?

悩み相談

実はこの世界の生徒のほとんどが利用しているよ

本当は記憶が戻った後の計画共有アプリ。」

と竹下さんは笑顔でそう話す。

記憶が戻った後の計画共有アプリ?

脱出の準備をするためにこのアプリをつくってたのかぁ。

「ここに月加もいるよ〜」

と竹下さんはそう言いタブレット画面を見せる。

そこには…

【なゆ

生徒会長真紀さんが龍鬼くんと海緒を捕まえようとしているみたい!

私…もう(天井裏)隠れる。

処分とか怖い!

ここで人に合わせていくの…

もう疲れた。

月加

なゆ…いいじゃない。頑張ったね?

龍鬼と海緒…が動こうとしているし…

このチャットの相談も増えた。

そろそろいいんじゃないかな?

元の世界…戻ろう…もう自分らしく生きていいんだよ!

なゆ

うん!

月加に一週間前あえてよかった。

このアプリを作れて!

今は天井裏にいるよ!

龍鬼くんと海緒を助けよう!

月加…何か手伝うことはない?

月加

なゆ…早速でお願いなんだけど…ゆりこが今…職員室にいる…捕まったの!

職員室の天井裏までこれない?

なゆ

OK!やってみる!

ゆりこ

ありがとう!月加!

月加

あっ待って!その前に!龍鬼と海緒が

二階、中学二年生C組に捕まった。

黒服の先生に手錠をかけられてしまっているの!

移動用ロボットと二足歩行ロボットハッキングして向こうに連れて行くから

2人に乗るように促して!

なゆ

わかった!

ゆりこ

月加さん。助けてくれてありがとう…

月加

ゆりこちゃんだね?よろしくね?

月加

2人に話さなくちゃいけないことがあるの!実はね?

この世界はね…?】

と書かれていた。

「ああ最初の文字なんだけど…

この世界で…処分とか怖い世界で…怖くて…

一年間なんとか馴染んでるふりを続けて…

今日、授業中、廊下でみた真紀の映像を見てあなたたちが

脱出しようとしているみたいだから自分も脱出に動こうと思って」

と竹下さんは話した。

なゆは一年間、隠してたんだ。

元の世界の記憶が戻ったことをこの世界で…処分とか怖い世界で…

それと…ゆりこが捕まったって?

もしかしてゆりこと会った時…

トイレで午前中…かな?

私は頭を横に振る。

「海緒?」

と龍鬼の声が聞こえる。

ああ、外は白い空間だから…

一年間ずっとここにいて教室に行かないと

時間わかんない!

ゆりこが…ゆりこが捕まったのって

もしかして二足歩行ロボットにトイレで捕まった時だよね?

その時!竹下さんが助けに行っていたんだ!

あと私たちが3階の天井裏でスネークロボットに追いかけられて

見つかって、ロボットたちに追いかけられて

龍鬼と教室移動だった三階、中学一年生C組の窓から

月加さんが作った腕輪で避難したけど二階、中学二年生C組で

黒服の先生に捕まっちゃって

その時に、移動用ロボットと二足歩行のロボットが助けてくれて

移動用ロボットに乗って…って促してくれたのってなゆだったんだ。

あれ?2人に話さなくちゃいけないことって?

私は最後に映った文字が気になっていたため竹下さんの顔を見る。

竹下さんは制服のポケットを何か漁っている。

そして何かを取り出した。

あっこれ!

竹下さんは

「海緒〜これっはいスマホ」

と言い私が元の世界で使っていたスマホを私に渡す。

えっ?

「どうして私のスマホを…」

と私が質問すると

「一年前

海緒が行方不明…今はわかるけど…こっちに来ちゃっていた日

うち、一回海緒の家に訪れたことがあるの、

 見せたいものがあってね。あとスマホ、ラインの登録済ませたから

あ、大丈夫、大丈夫

海緒の携帯の中身ライン画面以外まったくみてないから安心して

ほらっ今度は海緒あなたが登録する番よ。」

と竹下さんはそう答えた。

私はスマホでライン画面を開いてバーコードを見せて登録した。

私が行方不明になった後、家に訪れていたんだ!

どうやって私のスマホの暗証番号を知ったんだろう…

盗聴機…元の世界で私や沙由里ににこっそり貼っていたし…

いじめの証拠のために…

いつかこの子スパイになるかも…将来、この子はどうなるのかなぁ。

でも、最初はそうだったけどって呟いていたけれど

どういう意味だろう?

何かあったのかな?

私は竹下さんを見ると

竹下さんは龍鬼にもスマホを渡す。

「スマホ?もう一台持っていたんだ。」

と私が話すと

「あっ、

うちね、寝場所に何台かスマホをもってるんだ。

それと一年前に…海緒がこっちにきた後翌日の夜うちもこっちきちゃって。

だけど…元の世界で、たくさん用意していた携帯も

こっちにきちゃってたおかげで記憶が戻って助かったんだ。」

と竹下さんは頭をかきながら言う。

記憶…

というか…スマホ何台も持っているのって、どうしてだろう?

私はなゆに視線を向けるとまた逸らされてしまった。

竹下さん?

龍鬼はスマホを見て何かと見比べている。

ああ未来人だからか?

その時龍鬼にこう言った。

「龍鬼お姉さんと連絡できるみたいだから安心して?

もう少ししたら通信できるから…今はちょっとね?」

ん?ちょっと?

と私は竹下さんの方を向く。

すると隣にいる龍鬼がこう言った。

「ああそうか!なゆ…のアプリで!よかったぁ姉貴!」

と喜んでいた。

竹下さんはスマホを動かす。

そのあと私と龍鬼のスマホに竹下さんの作ったアプリが入り

ダウンロードした。

竹下さんはアバターを差し指を動かすとパスワードが出てきた。

「ほら、お2人さん好きな数字入れて?今からアバターを作るの」

えっ ?

「これでね、連絡を取ろうと思うの。もしも…はぐれちゃった時のためにさ?」

と竹下さんは言った。

ああ、この世界…ロボットもいるし…はぐれるかも不安だよね?

こうやってせっかく再会できたのに…

でも…これでなら…

私と龍鬼はおそるおそる好きな番号を入れた。

【好きなアバターを選んでね?】

とアプリが言うので私たちは

トラの顔、ロボットみたいな顔、白雪姫みたいな顔など色々あった

中で海緒は白雪姫を選択。

龍鬼はトラの顔を選択した。

「okこれで大丈夫だね。なんかあったらチャットに書き込んで?」

と竹下さんは言った。

「あっうんありがとう竹下さん」

と私はお礼をすると

「なゆでいいよ」

と竹下さん…なゆは言った。

あっそうだ。ゆりこからもらった手紙…

私はポケットから紙を出し、

「ねぇ、なゆ?」

こう言いなゆに見せる。

【もしもこの世界の秘密にきづいた人がいたら。

記憶を取り戻すには、過去のきっかけを見つけることです。

調べてわかったことがあります。この世界の住人

はなんらかの過去があり連れてこられたのだと考えています。

そして過去のきっかけは学校の至るところに隠れています。

どうかそれを見つけ、みんなを救ってください。】

「これ…この手紙…ゆりこが書いたんだけどさ

ねぇ?なゆ?なゆも何か悩んでいたの?元の世界で?」

と私は聞いてみた。

「んーん、悩んでいないよ?実は…ちょっとね?」

となゆはまるではぐらかすかのようにそう言った。

そういえば、私、行方不明になった時、何も持ってなかったけど…

前日…どうして私のスマホといっぱいスマホを用意していたんだろう?

ゆりこや龍鬼が言っていたように元の世界でなんらかの過去、

悩んでることとか、があるから来てると思っていたけど…

なゆはそうじゃないのはなんで?

「それより…真紀やゆりこを助けないとじゃない?

真紀の思い出すきっかけ…元の世界の記憶のきっかけは

いつも… ここに来る前… なんらかの出来事があって…

浮かんで思い出した。

元の世界の記憶のきっかけを探るには…

元の世界でもここでも同じことをしている。ところに

ヒントがある。

あっこれは盗聴で知ったんじゃないよ?

月加から聞いたことだから…」

となゆは言った。

そっか…

元の世界の記憶のきっかけを探るには…

元の世界でもここでも同じことをしている。ところに

ヒントがあるね。

それを探せばいいのか。

あれっゆりこ?

「ゆりこって助かったんじゃないの?トイレから?」

と私は言った。

「月加さん…猫ロボットになって

生徒会室から抜け出せて地下室まで逃げることができたでしょう?

その時…ゆりこも天井裏に隠れていて、私たち…一緒にいたんだけど…

地下室で海緒と月加が倒れ

月加…通信できなくなった時に…

先生に襲われて捕まってたの!

あの地下室の天井で聞こえたのはゆりこの声だったんだ。

「さっ、助けにいかなくちゃゆりこと真紀ちゃんを。」

となゆは言うので

私はせっかくあえたなゆが目線を逸らしたりごまかしていて

?に思ったがいつか真実がわかる気が…

元の世界よりももっと仲良くなれる気がしたので龍鬼と

「「うん」」と言い

天井裏を開ける。

小学1年生A組側近くの男子トイレの天井裏、床下の蓋

を開ける。


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