カウンセリング5回目

傾聴とEMDR

ここに書くのはカウンセリングの復習をするためというのが大きい。要は自分が再体験するためのものだ。一応誰かの参考になればという気持ちで公開している。
以前は紙のノートに手書きで書いていたが、書きたいことが多くて手書きが面倒になってしまった。見出しも付けられるし編集できて便利。

かなり踏み込んだ

まずは、2週間の出来事をざっくり話す。60分の枠は、私にはいつも短い。ゆっくり傾聴してくれるのは嬉しいけれど、心理療法の時間が短くなるのはもどかしい。

焦りもあって、今回は話す内容をかなり絞った。心療科の薬が半分に減った話、キツかったフラッシュバック、母の話。

フラッシュバックの話から転じて、今回は初めて希死念慮・自殺企図の話をした。最初の主治医には信じてもらえなかった、今の主治医にも話していない、前の心理士さんにも言えなかった話。最初のカウンセリングから2か月、5回目でこんなに踏み込めたのは、傾聴がやっぱり上手だからだと思う。この人にたどり着いてよかったと心の底から思う。
詳細は割愛。

扱う記憶

トラウマの全体像が見えてから、トラウマの樹の根っこを抜いてやるぞ！と意気込んでいた。今回は、父に関して核心を突くような療法をやってもらおうと決めていたし、カウンセリングが待ち遠しかった。

傾聴の中で幼少期の話もできたので、その中でも強烈な場面を扱うことになった。この場面については質問されなかった。どんな場面か口頭で説明する必要がなかったのが印象的だ。特定の場面の映像記憶が浮かんでいると伝えるとすぐにEMDRが始まった。

今回扱った記憶はかなり核心に近いもので、最近よく映像記憶として再生されるものだ。ある種の解離らしいが、映像記憶が流れても、当時の感情はよみがえってこない。見たくない記憶ではあるが、引きこまれてパニックになったりはしない。記憶再生とは別に、感情フラッシュバックがあるので、記憶と感情が分断されている可能性が高い。
よく考えると、映像記憶はいつも自分の目線ではなく神視点なので、解離している（していた）んだと思う。

EMDRで解離が解ける

EMDRの時は、心理士さんの指先を目で追う。心理士さんは、私のすぐ近くに座って、必死に眼を動かす私をずっと観察している。視線を動かしていても、心理士さんの顔が視界にあって、1セットが終わったときにすぐに顔が見れるのは私にはすごく良いことだ。恐ろしい瞬間に飛び込むとき、頼れる人が物理的に近くにいる。

今回はEMDRの前後に認知の確認をした。その記憶を思い出すとどう思うか（思考・認知）を問われた。「怖い、逃げられない、私が悪い」と答えると、それを反対にして「私は安全だ、私は正しい」の数値を1－7で聞かれた。
「私は安全だ」は１、「私は正しい」は確か２だった。

神視点（存在しない第3者視点）だった映像は、処理を始めると解離が解けて自分の目線の映像に変わる感じがする。鮮明さも増し、背景も思い出したりする。毎回驚くけど、すごい情報量だ。これが処理されずに何年も頭（身体？）のなかに眠っていたなんて理解できない。映像記憶はたくさんあるし、どれだけ負担がかかっているんだろう（これがなくなったらどれだけ健康になるんだろう）。

前回は歯がガチガチ鳴ったり、息が吸えなくなったりしたけど、今回は顔の筋肉が勝手にピクピク動いた。それはすぐ収まったし、苦しいとかの身体感覚のキツさは前回ほどではなかったように思う。

途中、解離していた感情がもどってきて「怖かった。本当に怖かった」と子供のように泣いた。わーん、えーん、という表現が近いような。他の記憶も鮮明に出てきて、それについても素直に泣いた。トラウマについては普段ヘラヘラと笑いながら話すので、正直に感じること、怖かったと泣くことがずっとできていなかった。

この時点で「怖かった」という過去形がでてきたのも、処理が進んでいる証拠のように思う。怖いことが起こった後、安心したとたん泣きはじめる子供のイメージ。ひとしきり泣いたら落ち着いてケロッとする。

泣いて、話して、落ち着いたら処理を再開して、不快な身体感覚を減らしていく。最後はリソースを使って、安心の感覚を全身で味わった。リソースのイメージに、人が侵入してきたので人がいない場所へ（イメージのなかで）移動した。心理士さんは、そういう誘導もすごく臨機応変で本当に心強い。

最後に「私は安全だ」と「私は正しい」の数値を確認した。1-7のうち、確か5か6と答えたと思う。EMDRの最中や前後の記憶は曖昧になりがち。

その後も処理は続いている

EMDRは本当に目が疲れる。普段あんなに高速で眼球を動かすことはない。慣れない動きをたくさんしたら疲れるのは当然だ。どうしようもないけれど、帰りの運転が辛かった。回数を重ねれば慣れるんだろうか。

記憶処理を一気に進めるEMDRは、直後から翌日くらいまでぼーっとしたりする。1日、2日で治まるが、頭がはたらいてない感じや、眠気、頭痛もある。扱った映像記憶がフラッシュバックのように出てきたりもする。それも、脳が処理をしてくれているんだなと思う。記憶処理はカウンセリング後も続くと複数のソースで読んだし、そのうち治まるので特に気にしていない。

また次回。