アルファ株とデルタ株の振り返り

今回は、最新の年齢別のコロナリスクを更新し、さらに2021年のデータの考察としてアルファ株とデルタ株の比較をしてみます。

①1年換算の10万人当たりの死亡者数

■2021年の1年間のPCR陽性の死亡者数が2020年の全死亡者数に占める割合はおおむね1%であり、20代以下では低くなっています。インフルエンザと同程度で、特段気にする必要のないレベルでした。インフルエンザはウイルス干渉により、昨シーズンも今シーズンもまったく流行しませんでした。
また、2020年のPCR陽性の死亡者数は3,400名程度でしたので、2021年はおよそ4倍になっています。この理由としては、日本人が元々もっていた旧型コロナに対する交差免疫が過度な感染症対策により廃れてしまったこと、2020年1月頃に日本で拡がったコロナK型の免疫が廃れたことの2つが考えられます。


②アルファ株とデルタ株の比較
2021年の前半をアルファ株とし、デルタ株は7月頃から拡がったため、7月~12月をデルタ株として、データをまとめてみました。

■考察
(1)陽性者に対する死亡率は高齢者層では変わらないが若年層で下がっているため全体の死亡率が下がっている。0.59%であった。
(2)陽性者の構成割合が高齢者層で下がっている。これは、デルタ株の毒性の低さにより若年層の危機感が薄れたことや、ワクチン接種の影響があると考えられる。

■まとめ
(1)デルタ株で陽性者数は増えたが、死亡者数は減っており、弱毒化傾向にああります。オミクロンはさらに弱毒化すると予想されますし、諸外国の状況を見れば明らかに重症者数も死亡者数も減少傾向にあります。
(2)高齢者層についてはワクチン接種の効果が一定程度あると見受けられますが、弱毒化したオミクロン株に対して3回目の接種が必要とは言い切れません。接種したい人は接種されたらよいでしょう。
   40代50代以下については、そもそも重症化リスクの低いことや、ワクチン接種には自己免疫疾患の懸念があることから、原則不要と考えられます。ただし、基礎疾患がある場合は接種も考えられますが、基礎疾患のある場合ワクチンの副反応の恐れがある。一般的な傾向として、今後もコロナは弱毒化する見込みがあることも踏まえて接種しないほうが賢明であると考えます。
ワクチン接種よりも自然感染のほうが6倍程度免疫効果があるというイスラエルが発表した統計結果を忘れてはいけません。

■参考
【オミクロンのデータ】イギリスからの報告により、オミクロンについての状況が見えてきた【子供のワクチン接種前に検討を】


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