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ハリウッドに見る敗者復活を讃える文化

私はアジア映画が好きです。特にここ数年は台湾映画の良さに気づき、台湾の現代史も含め色々と勉強しています。

それでもアカデミー賞やハリウッド映画の在り方には時々心からの拍手を送ってしまいます。それはアメリカが敗者復活を許す文化だからです。


敗者復活を讃えるアメリカの文化

アルコールやドラッグに溺れ、敗者となった経験のある役者といえば私はロバート・ダウニーJr.とミッキー・ロークを思い浮かべます。どちらも映画好きなら必ず知っている人ですよね。


ロバート・ダウニーJr.


右が黒人に扮したロバートダウニーJr.です

ロバート・ダウニーJr.は生育環境もあって早くから薬物中毒になり、リハビリ施設に通いながらドラマに出演していた過去があります。そんな彼が知名度としても興行的にも見事な復活を果たしたのは2008年の「アイアンマン」です。
また同じ年に「トロピックサンダー/史上最低の作戦」で白人が黒人になるための整形手術をうけ戦争に参加するという前代未聞の役どころを見事に演じアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされました。(ここでのロバート・ダウニーJr.の演技はホントにお見事でした。)

加えて言うなら、この映画で監督を務めたベン・スティラーの懐の深さにも私は拍手を送りたいです。


(左から)ベン・スティラー、ロバート・ダウニーJr.
ベン・スティラーがこの頃から歳を追うごとにどんどん良い面構えになってきたのも納得です。


ミッキー・ローク

アカデミーのノミネートだけでなく、ゴールデングローブの
主演男優賞を受賞したミッキー・ロークです。

「ナインハーフ」(1986)でこれでもかと男の色気を観せ、「エンゼル・ハート」(1987)ではロバート・デニーロの存在感と互角の演技を観せたミッキー・ロークですが、彼はアルコール依存でした。

彼は一時完全にハリウッドから干されましたが、2008年の「レスラー」でそれまでと違う厚みのある演技で見事に復活し、奇しくもロバート・ダウニーJr.と同じく第81回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされました。

第81回アカデミー賞は素晴らしかった

https://www.youtube.com/watch?v=Terhj8mjPwY

オープニングの楽しい場面です。
ここでロバート・ダウニーJr.の名前が呼ばれた時の拍手の何十倍もの
拍手が助演男優賞の時のスタンディングオベーションでした。

この年のアカデミー賞は本当に素晴らしいものでした。
ロバート・ダウニーJr.の名前が呼ばれた時も、ミッキー・ロークの名前が呼ばれた時も会場からは割れんばかりの拍手が。

それは一度落ち地獄を見た者が、平穏に生きている者の何倍、何十倍の努力をして帰ってきたことを心の底から讃えていた拍手でした。
私は胸が熱くなったのを覚えています。

日本の映画 「すばらしき世界」のメッセージ

役所広司が長年の刑務所暮らしから出所したミカミを見事に演じています。
観ている者はこの2時間で大人の振る舞いを知らないミカミの生きづらさを見せつけられます。

役所広司主演の邦画「すばらしき世界」は直接的な表現ではありませんでしたが、敗者復活を許す社会になろうよと言うメッセージに満ちた作品でした。ようやくこういう一本が興行的にも認められる時代になったか。本当に嬉しかったです。

最後に

日本は成り立ちからしてどうしても自分と異なるもの、少数派のものを排斥しがちです。だから様々な場面で敗者復活が出来にくいのが現状です。
でも敗者復活を許容するのは文化度のバロメーターだと思っています。

これからの日本が様々なことを、様々な人を許容する社会になってくれますように。私はそう祈っています。



最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんがどうか今日も人生の2時間を使う価値のある作品に出会えますように!



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