『ロゴ』をしっかり知るために −「”価値を高める”ロゴデザイン入門」セミナーに参加してきました。(2013.3.7公開)
2013年3月1日(金)、大阪のソフト産業プラザ イメディオで行われたセミナー「"価値を高める”ロゴデザイン入門」に行って来ましたのでその感想です。
講師はCo'sy Design Studioの佐藤さん(@cosydesign)。以前よりロゴ制作で注目してた方の一人です。その方が講師というのですから、行かないわけにはいきません。
なぜ大阪までこのセミナーに行ったのか。
理由はふたつ。
1:デザインのご依頼と一緒に「ついでにロゴも」と軽いノリで言われることが多かったから。
もちろん、ロゴは簡単に作れるものじゃない。制作するなりの時間も労力もお金も必要だというのは理解してたのですが、ただ、どう説明していいものか。どう説明すれば納得していただけるのか悩んでいました。
2:制作途中で、別ルートで完成されたロゴが届いたが、それまで制作したデザインと合わず、デザインの全体調整するのに時間がかかってしまう事件がたびたびあったから。
トラブルを阻止したくて先にロゴが欲しいと訴えたこともありましたが、説得力がなかったのか「無理」の一点張りで押し切られたこともありました。ロゴ制作側からしたら完成したものを送りたいという心理は理解できるのですが、Webデザイン制作側からしたら歩みを揃えなければ全部作り直しという事態にも陥るので本当になんとかしたかったのです。実際、過去にOKが出ていたにもかかわらず、ロゴが合わないからという理由でつくり直したこともありました。
ロゴ制作もWebデザイン制作も考え方・進め方は同じ。大きな違いは大きさ、凝縮度、そして使用される媒体の多さ。
セミナーの内容を言うと、上記見出しそのままです。良いロゴデザインの条件やヒアリングするポイント、制作プロセス。基本は同じだったことに正直びっくりでした。
冷静に考えるとびっくりする私の方がおかしいと思います。ただ、そうなった理由はWebデザイン“しか”見てなかったせいか、『ロゴ』というものは全く違う世界のモノみたいな感じを持っていたからかと。それがこのセミナーで、いい意味で取り払われたのは非常に良かったです。
では、Webデザインとロゴと何が違うのかというと、制作物の大きさと凝縮度、使用される媒体の多さ。
Webデザインの場合は、画面全体に対して配色・レイアウトをしますが、ロゴはその中の一部分。
ワンポイント部分にどれだけ想いを込められて、かつ見る人に対して一目で理解・認識してもらいやすくするかが非常に大切だということ。
また、ロゴは使用されるところが一つだけとは限りません。DTP、販促物、TV、看板など非常に様々。媒体が変わってもちゃんとその会社(チーム)、サービスと認識されるように作る(もしくは使用する媒体をお伺いして、それに合ったものを作る)ことが必要ということかと思います。
微調整が美しさを左右する。
制作上で気をつける内容のひとつとして、錯視部分の調整についてのお話が出てきました。
実際はロゴタイプ(文字部分)のラインの太さ・サイズは同じでも、交わり方で太く見えてしまうことがあるので、目で見て、美しく違和感なく見えるようにわざと一部分の細くしたり、ずらしたり、削ったり。
恥ずかしながら、全く意識していなかったところです😓。しかし、調整前と調整後を見比べてみると差は歴然。本当、ちょっとしたことなんですけど…。その調整がちゃんとできるかどうかでも制作人としてのレベルの差がでてくるんだろうなぁ(しみじみ)。
実際にロゴを制作しているところを見せていただいたり、最終的に決定された案以外のものや、実際のロゴのラフスケッチ、制作のコツとか、参加しないと見たり聴いたりできないことばかり。非常に非常に濃い2時間でした。
ロゴは『顔』
セミナー後、講師の佐藤さんと名刺交換した後にお話した際、ロゴは企業の『顔』だということを教えていただきました。どこに出しても恥ずかしくない『顔』でないといけないのに、それをさくっと作れるわけはない、と。
確かにそうです。人だって人前に出るときは、メイクをしたりとか、見られてもおかしくはない程度には整えると思います。また、自分で鏡で顔をみて、今自分がどんな顔つきか、自分が今どんな状態か確認すると思います。他人が自分を見るときに一番認識し、ともすれば性格まで判断してしまう部分はまさしく『顔』ではないでしょうか。
そう考えたら、やっぱりささっと作るわけにはいかないかと思います。
これで少しは説得力が増したでしょうか?無論、人に合わせて言い方を変えないといけませんが。あとは試してみるのみです。
とても良い2時間を過ごすことができて本当によかったです。ありがとうございました。