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一時帰国時に日商簿記2級に合格したので試験の受け方と勉強法のまとめ

 こんにちは。以前ちらっと以下の記事に書いた通り、日本への一時帰国で日商簿記検定を受けて、どうにか合格しました。海外在住者の受験について、実際やった勉強方法についてまとめておきたいと思います。といっても、普通のことしか書いてません


前提

 一応、受験者としての私の状況を書いておきます。日商簿記3級は大学在学時に取得。その後中小企業でサービス業の経理・会計を5年半ほどやっていましたが、受験時点では1年半以上経理業務には携わっていません。
 商業簿記に関しては、サービス業なので商品の仕入等はやっておらず、本店支店会計も業務としてはやっていません。細かいところだと、売買目的有価証券やクレジットカード関連も(クレジットカードは現在は3級の範囲ですが、私が3級を取得したときは範囲外)。工業簿記に関しても業務としてはやっていません。ただ、ソフトウェアの原価計算は少し携わっていました。
 今回の勉強期間は1ヶ月半くらいです。

試験について

 日商簿記は受け方が二つあって、一つは年三回あるペーパー試験と、もう一つはネット試験です。どちらも試験地は日本なので、海外にいるまま受けることはできません。ただ、ネット試験は日本全国各地にある試験会場で日程時間帯を選択して受けることができ、ネット試験は日本に住所がなくても手続きがインターネット上で行えるので、一時帰国中に受けたい場合にはネット受験が便利でした。受験票・合格証書の郵送もないので、日本に住所がなくても受けられます。
 ネット受験は試験会場に設置されたPCを使用した受験です。画面に表示された問題の解答を、画面上の解答欄に入力する方法で回答します。試験に持ち込めるのは電卓です。メモ用紙と筆記用具は支給され、試験終了後に返却することになります。画面の操作は、よほどPCが苦手でなければ特に問題が無いと思います。全問回答後に、即合否がわかるのもいいところです。
 下記のページから、アカウントを作成後にログインして申し込みを行えます。

試験会場の様子

 私は札幌駅近くの会場を選びました。駅から徒歩5分ほどの場所で、普通のオフィスビルの一区画でした。
 受付は無人でしたが、入るとすぐに係の人が出てきてくれます(カメラがついているんだと思う)。そこで身分証明書を提示したあと、電卓以外の持ち物をロッカーに預けて、メモ用紙と受験方法が書かれた紙とペンを渡されます。
 ドアで隔てられた受験スペースには、仕切りが設けられてパソコンがたくさん設置されていました。何人か受験者がいましたが、電卓の音がしていなかったので簿記以外のネット試験の受験者だったのかもしれません。
 ブースには、試験用のヘッドホン(簿記では不使用)と防音のヘッドホンが置かれていて、周りの音が気になる場合は防音のヘッドホンを付けることができます。
 受付でもらった紙に書かれた手順を参考にしながら、画面を操作して試験を初めます。終わり方は、画面の「受験終了」みたいなボタンを押して、受付で渡されたメモ用紙等をすべて持って受付に戻りました。
 周りと一緒に一斉に受験するわけではないので、自分のペースで受けられるので結構良かったです。あと、個人的には手書きの答案より、画面に入力する方が楽でいいなと思いました。

勉強方法

テキストを読んで問題を解く

 日本で買っていたテキストを1回読んで、各章ごとに設けられた問題を1回解きました。使ったのは以下のテキスト。去年、上海に来る直前に一応買っておいたものです。

 他のテキストと比べていないので、内容が他に比べて優れているのかどうかはわかりませんが、簡潔で理解しやすかったと思います。商業簿記と工業簿記が一緒なのも助かりました(中国への引越は持ち込める本の冊数が制限されているため)。
 各章ごと、トピックごとに、簡単な問題とちょっと難しい問題が設けられているので、読んだことをすぐに試すことができます。

理解を深めるためのテキストを読む

 上記のテキストで一応一通り勉強してみたものの、馴染みのある商業簿記はともかく、馴染みのない工業簿記はあまり良く分からなかったので、以下の本を読みました。

  試験向けというよりも、試験で出題される内容をきちんと理解したい人向けだと思います。
 この本は9月に北京に滞在しているときに、ホテルでメモを取りながら2回読みました。読んでるときは理解できているようなできていないような……、という感じだったのですが、結果的に理解度をある程度押し上げてくれた気がします。
 あと、実際に業務で工業簿記をやることになったときにも、ぜひ読み返したいと思いました。この著者の本は他のも何冊か読みましたが、どれもわかりやすいです。Kindle unlimitedで読めます。

とにかく問題集を繰り返しとく

 試験の二週間前に問題集を購入して解き始めました(遅い!)。というのも、帰国の日程が結構カツカツで、「もう来年の受験でよくない?」と思ってしばらくサボっていたからです。使ったのは以下の問題集。

 問題数が豊富で、解答の解説もわかりやすかったです。ただ、本の構成が問題9回分/解答9回分/問題用紙9回分なので、電子書籍版だと個人的にはかなり見づらかった。問題用紙は出版社のHPでDLできるのですが、コピー機が無いので、結局「PC画面の半分に問題を表示/もう半分に解答用紙を表示/iPadで解答を表示」と言う感じで使っていましたが、ちょっと面倒でした。
 結局日本に着いてから、本屋で紙のものを書い直して、移動中やホテルで勉強しました。紙の方は問題/解答/問題用紙をばらばらにできるので便利です。

その他サービスをフル活用する

 これは私自身はやっていないのですが、簿記の学習者向けのサービスが無料で提供されています。下記は商工会議所からリンクが貼られていたものです。

反省点

なにが目的なのかが明確ではなかった

 今回簿記の試験を受ける上で、「資格を取る」が目的なのか「内容を理解する」が目的なのかが自分の中で曖昧で、結果、勉強方法もやる気の方も今ひとつ一貫性が持てなかったことが大きな反省点です。
 「資格を取る」と「内容を理解する」は、同じように見えますが、「資格を取る」だけだったらテキストを読んであとは問題集を何回もやることで可能だと思います。出題パターンすべてと解法を覚えれば、問題自体は機械的に解けるからです
 ただ、現実に仕事をするときには、試験のように整理された状態で、問題形式で課題が降ってくるわけではないので、「なぜ」の部分の理解が必要になります。
 結局、今回は問題集を何周かすることで、問題形式に対する解答方法は会得しましたが、では実際に内容を理解しているかというと正直あまりわかっていません。この点は再度、『独学応援!ホントにわかる!簿記2級工業簿記』の読み直しや他の本での学習が必要かなと思っています。

まとめ

①海外在住で簿記の資格を取得したい場合は、ネット試験を一時帰国時に受けることが可能。
②勉強するときは目標を明確に。
・資格を取るだけなら、とにかく問題を解く
・知識の習得結果を試験で試したい理解優先ならば、試験向けのテキスト以外も読む(ネットにもいくらでも情報があるので)
 というところです……。

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