はじめて部署の飲み会に行った日


4月に部署を異動してから、はじめての飲み会があった。異動して8ヶ月が経っているにもかかわらず、同じ部署の人と話したことがない。

月に一度部会は開かれるが、大体はリモートでの参加であるのと、部長からの業務連絡と仕事の共有で終わってしまう。

ただ今回なぜ開かれたかというと、同じ部署の先輩が退職することになったからだ。
そこからそういえば一回も飲み会やってないよね?と話題に上がり、先輩の退職と私の歓迎会を兼ねて飲み会が開かれることとなった。

しかもスタートは平日の16時から2時間。
スーツ姿の人がせわしなく動くこの時間からお酒を飲めるのはありがたい。

けれど私は緊張していた。
なぜなら人見知りだからである。
相手のどこまでが嫌なラインか分からないまま進む会話は、暗闇の道を歩いている感覚に近い。
どこに相手を傷つける穴が空いているか分からない。だからひたすら前の道を叩いて歩こうとする。そうなると思考と口が合わず吃るか、当たり障りのないことを早口で話してしまう。

最初にみんなでお酒を頼む。
隣の先輩だけウーロン茶にしていた。
この後仕事があるので、と言っていたがそもそもお酒が全く飲めないらしい。
どのくらい飲めないんですか?と聞くと、

「飲むと顔が青くなるんですよね」

と言って笑った。そりゃ飲んじゃダメだわ。
端的でお酒が弱いことが良く伝わる。

乾杯をした後サラダが届く。
なのに全く手をつけない向かいの先輩がいた。
野菜苦手なんですか?と聞くと、

「できれば好きな人に譲りたい」

と言って言い方上手いなと思った。
押し付けてるだけだが、耳障りはやさしい。

直接話さないと気づけなかったことに出会えた。

最近、会社のコミュニティが自分の中で大きくなっていると社会人4年目にして思う。
一緒に過ごす時間の割合が増えているので思えば当たり前なのだが新鮮だ。
年齢も出身もバラバラな人たち。
だけど会社という不思議なコミュニティで繋がっている。

終わる頃にはお酒も進み、先輩のリノベ事情に聞き入っていた。

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