私だったら花言葉「律儀」ってつける


桜が咲いて、そして散ってきましたね。
木の上にぷりぷりついてる花びらは、はじめて世に顔を出した色をしていて良い。生まれたての色って感じがする。最初に顔を出した時、下にはたくさんの人がいて驚くだろうな。でもみんな悪い人じゃなくて、あなたを見ることで春を肌で感じたい人だから安心してほしい。今年は予定よりも少し咲くのが遅れていたから、よりみんな咲いてくれたことに喜んでいたと思う。

桜って毎年欠かさず咲いて偉い。今までで「今年は桜咲きませんでしたね〜」ってニュースで言ってること聞いたことないし。記録的な猛暑の日もあったし、帰れないぐらい大雪の日だってあったのに、必ず4月ぐらいに咲いてくれる。律儀だよなあ。もしかして桜の花言葉って律儀かも、と思って調べてみたら「精神美」らしい。なんか高尚。でも分かんなくもない。心が整っていないとこんなに規則正しく咲けない。

桜は散るのも早い。いや道によくあるからそう思うのかもしれない。桜の花びらって散りたての時、風に乗って坂を転がる。その光景が、風が桜の花びらで遊んでいるようにも見えてかわいい。やがて桜色の絨毯になって、道全体を柔らかい色にする。川の真ん中をゆっくり泳ぐ鴨の導線をなぞったりもする。そんな桜も好き。だから散るという言い方をすると終わりを感じるけど、個人的には咲いてる時は「桜 前編」散った時は「桜 後編」だな、と思う。そして木から芽が出てきて気付かないうちに緑色の木になっている。移り変わりが早いのか。桜の細かい変化に気づけていないだけなのか。桜自身はどの時期が1番過ごしやすいんだろう。

この前友達に「好き」と言うことしか出来ないことに悲しさを感じた。男友達で、その子と付き合いたいとかの感情はないのだけれど、いや無いからこそ「私はあなたのそういうところがとっても好きなんだ」という言葉でしか友達に思いを伝える手段が無いことに気づいた。人のために、らしくないふざけたフリとかもできるし、さらに絶対に相手には勘付かれないような気配りも出来る。だから、もしその友達が困っていたらすぐに助けたいし、相談とかあるなら私でよければ全然乗る。でもその子のことだから、自分が悩む前に、悩んでる人を助ける人なんだよなあ。これまた難しい。

つまるところ桜も同じで、「私は桜が好きです」ということでしか、桜に思いを伝えることができないのがもどかしい。いつも律儀に咲いてくれてありがとう。今年も春が来たな〜と思えました。

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