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臨床美術って何?

 まだまだ知名度の低い「臨床美術」。
字面が固いので、「クリニカルアート」とも呼んでいます。

 日本生まれのアートセラピーの一つとも言えますが、アートセラピーと言うと、箱庭療法やバウムテストのように、対象者が作ったり描いたりしたものから心理状態を推測するようなものをイメージしますね。
 臨床美術は、そうでなく、制作活動そのものを楽しむことで、心が癒されたり、元気になったりするものというイメージです。

 臨床美術では、まず描いたり作ったりする対象を、五感で感じとることから始めます。
 モンテッソーリ教育にも似た考え方がありますね。 
 例えばリンゴを描くプログラムでは、リンゴを触ったり、匂いを嗅いだり、味わってみたりするなど、全ての感覚器官を使ってリンゴを感じます。それから絵を描き始めます。

 臨床美術士のガイドにしたがって絵を描き進めていくのですが、ここにも独自の素敵な方法があります。全ては公開できないので割愛しますが、制作に没頭する楽しい時間が流れます。

 完成すると、鑑賞会を行います。いろいろな見方で、作品の良さを見つけていきます。どの作品も素敵です。その人が取り組んでいた時の様子などから、どんな気持ちで描いていたか、話していただいたりもします。

 臨床美術はもともと、認知症に対するアプローチとして開発されたものですが、今では、障害の有無を問わず、全ての年齢層の方々に取り組んでもらえる、脳を活性化させるプログラムになっています。

 絵を描く事に対する苦手意識のある方が多いのですが、臨床美術では上手い・下手などと評価をする必要がありません。小さい子が夢中でなぐり描きをするように、純粋に楽しい気持ちで描いたり作ったりできるのが、良いのです。
 絵を描く楽しさを、多くの方に伝えて行きたいと思っています。

臨床美術 芸術造形研究所URL
https://www.zoukei.co.jp/courses/






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