「給湯室の噂話」presented by 男性

昭和の、オフィスが舞台のドラマって、OLが給湯室で噂話をしてそれが広まって、みたいな展開がよくあったけど、
「あれ、正確に書いてないよな」
と本当にどうでもいい事を発見した1個目の会社。時すでに平成だったし、うちの会社OLいなかったし、給湯室なかったけど。

社内のシャレにならない噂話、あれ、元を辿ると大体男性が流してるの、ちゃんと書いた脚本家はいたのだろうか。

OLなどいない我が零細デザイン会社においては、アルバイト学生とか、割と常駐してるフリーの方とかを使って、虚実混交な噂話を流す男性が数名いた。男性のタイプは
『割と普通に仕事ができて、普段は飄々としているけど、結構裏表がある』人物が多い。そして噂流しを任される女性は、
『お茶目なところがあるが、基本は真面目で地味で同性からの人望も厚い』
感じが選ばれる。絶対に噂を流した大元が誰であるかを決して言わない義理堅いところもある。戦国時代のスパイ、「草」のようだ。

上司の不倫や、誰と誰が付き合ってる、誰が地方に行かされる、といった話を男性はタバコ休憩やエレベーターやコンビニなどで草に伝える。草は主に、休憩時間やチェック待ちなどで、ぼんやりしてる2〜3人にリリースする。
「えーっ、何それ、誰から聞いたの?」
と驚くも、
「ふっふっふ、ちょっと聞いたんですよねー」
などと言って絶対に口を割らない。でもそういうのが続くと、
「あれ? これを知っているってことは、あいつが流しているのか?」
と大体わかってくる。同期だったりする。そして本人に、
「あんた、学生アルバイトさんに社内のある事無い事吹き込むんじゃないよ!」
とカマかけると、
「えっ? あの子、俺から聞いた、って言ってた?」
などとまんまと白状したりする。言ってないけど、大体わかるわ!そんなんで、ウケよう、モテようとすんな!

でもうっかり白状するのはまだいい方で、頑なにしらばっくれるタチが悪い人もいた。あと立場が上で、
「なんか指摘しづらい」
と放置されてる人は、なんか物悲しかった。本人はすましているけど、知らぬは本人ばかりなり、で周りの多くは、
「うわ、またあの人あんな話広めてサイテー」
て思ってたりするので。とにかく草を使って噂を広めるのはみんな男性だった。

証券会社、メーカー、広告代理店、新聞社に勤める友達にも聞いたが、大体似たような感じでした。
「飲み会の席で酔っ払ったふりして暴露するのも大体男だよね!」
と言われたけど、それ、うちの会社はなかったなー。

男の方が噂話好きだと思う‥。

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